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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成29年度(2017年度)
- 伊方3号機エタノールアミン含有排水生物処理装置曝気ブロアの異常
- 通報連絡日時:2017年9月16日7時20分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
9月16日(土曜日)7時20分、四国電力株式会社から、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 伊方3号機は通常運転中のところ、エタノールアミン(ETA)含有排水生物処理装置に異常の警報が発信した。
- 現場を確認したところ、曝気ブロアBファンベルト回転部に異常が確認された。
- 今後、詳細を調査する。
- なお、本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はない。
復旧状況等
11月29日(水曜日)14時11分、四国電力株式会社から、復旧状況等について、次のとおり連絡がありました。
- その後の調査で、曝気ブロワBの軸の一部がハウジング(ケーシングカバー)と接触していることを確認した。
- その後、曝気ブロワB一式を取替、11月29日(水曜日)14時5分、起動試験を行い運転に異常のないことを確認し、通常状態に復旧した。
- 今後、曝気ブロワBが故障した原因を調査する。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
伊方発電所3号機は通常運転中のところ、エタノールアミン含有排水生物処理装置に故障を示す警報が発信した。
運転員が、現地を確認したところ、同装置に空気を供給する曝気ブロワBの過負荷による自動停止と当該ブロワからと思われる粉塵、飛散物を確認した。
調査の結果、曝気ブロワは、高温下での連続運転に伴いベアリング内のグリースが減少する傾向にあるため、ベアリング内グリースの減少の個体差により、当該ブロワのロータシャフトタイミングギヤ側ベアリングにおいて、潤滑不良による摩擦熱が発生してベアリングの温度が上昇し、ベアリング内のグリース油分の減少が促進され、運転継続によりベアリング温度が異常上昇したと推定した。
その結果、熱伝導により、ロータシャフト軸が伸びてハウジングに接触してブロワの回転不良となり、ファンベルトが滑り急激に摩耗するとともに、モータの過負荷となって保護装置により自動停止したものと推定した。
対策
- 曝気ブロワB本体を新品に取替えた。
また、A,Cについて、分解点検を行い、ベアリングを取替えた。
なお、ベアリングのグリースについては、A,B,Cとも温度特性に優れグリース油分の減少が少ないものに変更し、グリース寿命の延長を行った。 - 軸受温度上昇による潤滑不良の発生を未然に防止するため、万一、軸受部の温度が通常よりも高い状態となった場合には、容易に認識できるよう、当該ブロワの軸受上部のハウジングにサーモラベルを貼付け、日常の巡視点検時に確認する。
- 曝気ブロワについて、従来の振動測定データの分析評価に加え、サーモラベルによる温度確認によりグリース補充を行うとともに、必要に応じてベアリングの取替を実施することとする。
- 当該ブロワと同様に連続運転となる同型式のブロワについても、軸受温度の異常上昇による潤滑不良の発生を未然に防止するため、サーモラベルによる温度確認によりグリース補充を行うとともに、必要に応じてベアリングの取替を実施することとする。