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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成30年度(2018年度)
- 伊方3号機充てんライン圧力計元弁からの漏えい
- 通報連絡日時:2018年5月9日2時40分
- 県の公表区分A
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:国において確認中 備考:今回発表
異常の内容
5月9日(水曜日)2時40分、四国電力株式会社から、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 伊方発電所3号機は、定期検査中のところ、充てんライン圧力計元弁(3V-CS-140)からの漏えいを運転員が確認した。
- 析出分と床に滴下しない程度の液体の漏えいを確認した。
- 今後詳細を調査する。
- 本事象による環境への放射能の影響はない。
その後の状況等
5月9日(水曜日)6時34分、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- その後、5月9日(水曜日)2時12分に当該弁を閉とし、同日4時40分、漏えいが停止したことを保修員が確認した。
- 析出物はほう酸であり、その重量から漏えいしたほう酸水の量は約130ミリリットルであり、放射能量は約20ベクレルであることを確認した。
- 今後、漏えいした原因を詳細調査する。
復旧状況等
5月11日(金曜日)11時44分、四国電力株式会社から、復旧状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 調査の結果、当該弁ボンネットとボディの隙間からにじみがあることを特定した。ボンネットの増し締めを規定のトルクで実施し、弁を開してリークチェックを実施したところ、漏れは確認されなかった。その後、当該弁を分解点検したが、異常は確認されなかった。
- 当該弁を復旧し、漏えいのないことを確認し、5月11日(金曜日)10時00分、通常状態へ復旧した。
- 今後、引き続き漏えいした原因を詳細調査する。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
定期検査中の伊方発電所3号機の原子炉補助建屋1階(中間階)(管理区域)において、充てんライン圧力計元弁(金属ダイヤフラム弁)及び近傍配管にほう酸と思われる付着物が認められ、当該弁付近で1次冷却材系統水が微量に漏えいしていることを巡視点検中の運転員が確認した。このため、運転員にて当該弁を閉止し、漏えいの停止を保修員が確認した。
調査の結果、当該弁の構成部品に異常は確認されておらず、高圧環境下での長期に亘る使用において、ダイヤフラムシート面の状態に微妙に変化を及ぼすような僅かな緩みがボンネット・ボディの締付け部に発生し、ダイヤフラムシート面の面圧が部分的に低下し、当該部から内包する高圧水が徐々に滲み出て漏えいに至ったと推定した。
対策
- 当該弁については、分解調査により異常のないことを確認し、分解時の標準取替部品(ダイヤフラム、ガータースプリング、ディスク)について交換を行い、復旧した。
- 当該弁を除く、高圧環境下で長期間使用している1次冷却材系統及び化学体積制御系統の金属ダイヤフラム弁(60台)について、本定期検査におけるプラント起動までに、ボンネットの確認締めを実施することによりダイヤフラムシート面の部分的な面圧低下を防止する。
- 当該弁及び高圧環境下で長期間使用している1次冷却材系統及び化学体積制御系統の金属ダイヤフラム弁(60台)について、10定検に1回、ボンネットの確認締めを実施することにより、ダイヤフラムシート面の部分的な面圧低下を防止する。