平成30年度(2018年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方発電所焼却炉建家における消火設備の動作

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通報連絡日時:2019年2月5日15時46分
県の公表区分B

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表

異常の内容

2月5日(火曜日)15時46分、四国電力株式会社から、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 高圧圧縮装置のハロン消火設備点検中のところ、作業員が、2月5日(火曜日)15時08分に焼却炉建家のハロン消火設備が動作したことを確認した。
  2. 今後、詳細を調査する。
  3. なお、本事象による環境への影響はない。

その後の状況

2月5日(火曜日)20時13分、四国電力株式会社から、その後の状況について、次のとおり連絡がありました。

  1. その後、保修員が現場に立ち入り、2月5日(火曜日)15時45分に火災の発生はないことを確認した。また、2月5日(火曜日)18時10分までに現場にいた作業員も全員安全に退避した。
  2. 今後、建家内の換気を行った後、設備状態を確認するとともに、ハロン消火設備が動作した原因を調査する。

2月6日(水曜日)10時48分、四国電力株式会社から、その後の状況について、次のとおり連絡がありました。

  1. その後、設備の点検を行い、2月6日(水曜日)10時15分に異常がないことを確認した。また、焼却炉建家のハロン消火設備の動作は、高圧圧縮装置のハロン消火設備点検のため、焼却炉制御室の火災受信機盤から模擬信号を入力した際に、誤って焼却炉建家のハロン消火設備現地制御盤に対して模擬信号を入力したことが原因であることを確認した。
  2. 引き続き詳細を調査する。
  3. なお、当該設備については、ハロンガスを手配し復旧することとする。

復旧状況等

4月5日(金曜日)10時3分、四国電力株式会社から、復旧状況等について、次のとおり連絡がありました。

  1. ハロンガスを充てんし、焼却炉建家のハロン消火設備に異常のないことを確認し、4月5日(金曜日)9時42分、通常状態へ復旧した。
  2. 引き続き詳細を調査する。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

ハロン消火設備の点検中に焼却炉建家(管理区域内)のハロン消火設備が動作した。現場を確認したところ火災の発生はなく、ハロン消火設備の動作による負傷者の発生もなかった。
消火設備が動作した原因は、作業員が雑固体処理建屋のハロン消火設備の点検中に誤って焼却炉建家ハロン消火設備を動作させる模擬信号を入力したことによるものであった。

雑固体処理建屋ハロン消火設備点検は、ハロン消火設備が実動作しないように隔離を行った上で、組合せ試験を開始した。はじめに雑固体処理建屋モルタル棟に設置している雑固体処理建屋消火設備受信機から試験を実施した。その際、雑固体処理建屋消火設備受信機での模擬信号として入力するアドレス番号は、「1」から始まる番号体系であった。その後、焼却炉建家受信機の組合せ試験を行った。この組合せ試験において、作業責任者は模擬信号として入力するアドレス番号が本来、「3」から始まる番号を入力すべきであったが、「1」から始まるものと思い込み「1」から始まる番号を入力した。

また、作業要領書には、模擬信号入力の具体的な手順は定められておらず、ダブルチェックを行う手順とはなっていなかった。組合せ試験時に入力する模擬信号のアドレス番号が決められてなかった。

焼却炉建家受信機は、2つの消火設備の起動回路が収納された兼用設備となっている。そのため、感知器のアドレス番号を焼却炉建家受信機に模擬入力する時に誤入力があれば、意図しない側の消火設備が動作する場合がある。

対策

  1. 本作業における模擬信号入力時の思い込みを防止するため、あらかじめ指定したアドレス番号を記載し、かつ、入力時にアドレス番号毎にチェックできる記録様式に変更するとともに、入力作業時のダブルチェックの実施などの手順や注意事項を追加した作業要領書に改定した。
    また、焼却炉建家受信機での組合せ試験では、誤入力があれば意図しない側の消火設備が動作する場合があるため、影響が考えられる2つの建物に火災感知のための監視人を配置した上で、消火設備を隔離してから作業を開始する作業要領書に改定した。
  2. 本事象について、伊方発電所員に周知するとともに、模擬信号の誤信号入力によって、対象外の消火設備が動作することが考えられることについて、ワンポイントレッスンを作成し、作業要領書読み合わせや作業前ミーティングで注意喚起する旨を関係者に周知した。
  3. 今回の事象の水平展開として、模擬信号により機器の動作を確認する作業を調査し、模擬信号の入力時にヒューマンエラーを防止する対策が盛り込まれた作業要領書になっているかを確認する。対策の追加が必要な場合は、作業要領書の改定等必要な対策を行う。

県の公表

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