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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 令和元年度(2019年度)
- 伊方3号機主タービン油系統油清浄器ガス抽出機の不具合
- 通報連絡日時:2019年6月18日16時52分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
概要
伊方発電所3号機は通常運転中のところ、中央制御室において主タービン油系統の異常を示す信号が発信した。現地確認したところ、タービン建屋地下1階の油清浄器ガス抽出機が停止していることを確認した。
油の漏えい等はない。
油清浄器ガス抽出機はタービンの軸受潤滑油の清浄装置のうち、油清浄器内に発生する水蒸気等を排出するために設置しているもので、油清浄器ガス抽出機が停止していても直ちに油の清浄度に影響はなく、プラントの運転に影響はない。
当該油清浄器ガス抽出機の分解点検の結果、軸シールの摩耗とベアリング内のグリスの減少が確認されたため、軸シールとベアリングの取り替えを実施した。
その後、油清浄器ガス抽出機を起動し、運転に異常の無いことを確認し、通常状態へ復旧した。
本事象による環境への影響はない。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
伊方発電所第3号機は通常運転中のところ、主タービン油系統の異常を示す警報が発信した。
運転員が、現地を確認したところ、タービン建屋地下1階(非管理区域)の主タービン油系統油清浄器ガス抽出機(以下、「油清浄器ガス抽出機」)が停止していることを確認した。
油清浄器ガス抽出機を分解点検したところ、軸シールの摩耗とモーターベアリング内のグリースの減少が確認されたため、軸シールとモーターベアリングの取り替えを実施した。その後、油清浄器ガス抽出機を起動し、運転に異常の無いことを確認し、通常状態に復旧した。
調査の結果、油清浄器ガス抽出機が自動停止した原因は、軸シールのゴムの劣化により、ゴムの亀裂と部分的な剥離が生じ、剥離したゴムの粉塵が軸シールの摺動部に堆積したことで、主軸の回転抵抗が増大して摺動部の温度が上昇し、この摺動熱が主軸を伝って、モーターのインペラ側ベアリングの温度も徐々に上昇したため、ベアリング内のグリースが徐々に減少したことで、更に主軸の回転抵抗が増大したことにより、電源回路の保護装置が作動したものと推定した。
軸シールのゴムが劣化した原因は、定期検査中に油清浄器ガス抽出機の周辺で実施した工事に伴い発生した塵埃が、軸シールとインペラの摺動部に偶発的に侵入したことで、摺動部の回転抵抗が増大し、摺動熱と軸シールの温度が徐々に上昇したことによるものと推定した。
対策
- 油清浄器ガス抽出機の軸シールおよびモーターベアリングを新品に取り替えて復旧した。
- 清浄器ガス抽出機の軸シールを耐ダスト性に優れた型式の軸シールへ、次回の定期検査時に変更する。
また、当該機を除く4台中の1台についても、同じ型式の軸シールを使用しているため、同様に耐ダスト性に優れた軸シールへ型式変更する。 - 清浄器ガス抽出機の軸シールの型式変更まで、軸シール部の温度が通常よりも高い状態となった場合に容易に認識できるよう、油清浄器ガス抽出機の軸シールケース上部にサーモラベルを貼り付け、日常の巡視点検時に確認することとした。