令和元年度(2019年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方1号機空冷式非常用発電装置の不具合

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通報連絡日時:2019年7月17日11時06分
県の公表区分C

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表

異常の内容

7月17日(水曜日)11時6分、四国電力株式会社から、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 伊方発電所1号機は廃止措置中のところ、空冷式非常用発電装置1号の定期運転において、補機が起動しないため制御盤を確認したところ、7月17日(水曜日)10時25分頃、ケーブルが黒く変色していることを保修員が確認した。
  2. 今後詳細を調査する。
  3. 本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。

その後、四国電力株式会社から、以下のとおり連絡がありました。

  1. 消防署による現場確認の結果、7月17日(水曜日)13時17分に火災でない旨の判断がなされた。
  2. 1号機の外部電源が喪失した場合でも非常用ディーゼル発電機にて電源を供給できるため、現状の1号機の運用に問題はない。

復旧状況等

8月30日(金曜日)11時23分、四国電力株式会社から、復旧状況等について、次のとおり連絡がありました。

  1. 調査の結果、変色したケーブル及びケーブルが繋がる端子台以外に異常はなかった。
  2. その後、変色したケーブル及び端子台の取替えを実施し、空冷式非常用発電装置1号及び補機の確認運転を行い、運転に異常のないことを確認したことから、8月30日(金曜日)11時5分に通常状態に復旧した。
  3. 引き続き原因を詳細調査する。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

1号機の空冷式非常用発電装置1号の定期運転において、潤滑油プライミングポンプが起動しないため補機制御盤を確認したところ、補機用電源ケーブルが黒く変色していることを保修員が確認した。
調査より、変色したケーブル及びケーブルがつながる端子台以外に異常は認められなかった。その後、潤滑油プライミングポンプ等の補機及び空冷式非常用発電装置1号を起動し、運転に異常の無いことを確認し、通常状態に復旧した。

調査の結果、潤滑油プライミングポンプが起動しなかった原因は、補機制御盤内の端子台に締め付けられている補機用電源ケーブル接続部において、亜酸化銅が生成されたことによる発熱現象により接続部に異常な発熱が生じ、異常な発熱を受けた補機用電源ケーブルが変色及び断線し、潤滑油プライミングポンプに給電できず起動しなかったためであると推定した。

亜酸化銅が生成された原因としては、工場製作時に補機用電源ケーブル圧着端子の締め付けが不十分であったことから、補機用電源ケーブル接続部に機能試験及び無負荷試験時の機械的な振動が加わり、接触不良が生じてアークが発生しやすい状況となり、ケーブル接続部に亜酸化銅が徐々に生成されたと考える。

対策

  1. 空冷式非常用発電装置1号の補機制御盤内において変色、断線した補機用電源ケーブル、端子台及び周囲の変色した配線を新品に取り替えた。
  2. 空冷式非常用発電装置1号及び同型式である空冷式非常用発電装置2号、3号及び4号の補機制御盤及び充電器盤のケーブル接続部において、緩みが無いことを確認した。
  3. 今後実施する空冷式非常用発電装置の点検において、補機制御盤及び充電器盤のケーブル接続部締め付け確認を追加する。

県の公表

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