令和元年度(2019年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方1,2号機純水装置の配管からの塩酸の漏えい

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通報連絡日時:2019年8月26日5時25分
県の公表区分C

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表

異常の内容

8月26日(月曜日)5時25分、四国電力株式会社から、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 8月26日(月曜日)5時5分頃、1、2号機の純水装置(屋外)の配管から薬品と思われる液体が漏えいしていることを運転員が確認した。
  2. 詳細は今後調査する。
  3. なお、本事象による環境への放射能の影響はない。

その後の状況等

8月26日(月曜日)18時32分、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。

  1. 8月26日(月曜日)6時4分に塩酸移送ポンプの出口弁を閉止し、漏えい箇所付近の塩酸をふき取り、保温材を取り外した後、同日14時25分に漏えいが停止していることを確認した。
  2. 漏えいした塩酸の推定量は約300リットルで、すべて純水装置のエリア内にとどまっており、敷地外への流出はない。同日18時27分、漏えいした塩酸のウエス等による回収を完了した。回収した塩酸は、総合排水処理装置で処理する。
  3. 現時点までに、当該箇所付近の弁及び配管について外観確認を実施したが、漏えい箇所は特定できていない。今後、引き続き漏えい箇所の確認および漏えいした原因を調査する。
  4. なお、漏えい箇所周辺の塩酸ガス濃度を測定した結果、検出限界未満(1ppm未満)であり、塩酸ガスによる周辺環境の影響はない。

復旧状況等

11月29日(金曜日)16時10分、四国電力株式会社から、復旧状況等について、次のとおり連絡がありました。

  1. 調査の結果、塩酸移送ポンプ出口配管の空気作動弁取付フランジの上流側フランジ部からの漏えいであることが確認され、当該フランジ部のガスケットに減肉、変形等の劣化が確認されたため、当該ガスケットの取り替えを実施した。
  2. その後、漏えいの無いことを確認し、11月29日(金曜日)16時00分、通常状態へ復旧した。
  3. 引き続き、原因について詳細を調査する。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

伊方発電所1、2号機純水装置の配管から塩酸が漏えいしていることを運転員が確認した。
その後、漏えい箇所を隔離し、漏えい箇所付近の塩酸を拭き取りして、配管の保温材を取り外した後、漏えいが停止していることを確認した。
漏えいしたと思われる空気作動弁取付フランジ部の確認のため、空気作動弁とその上流側、下流側の配管を組み立てたままの状態で取り外しを行い、取り外した配管内に水張を行ったところ、空気作動弁の上流側フランジ部から漏えいを確認した。
当該フランジを分解し目視点検を実施したところ、フランジのガスケットに減肉・変形等の劣化を確認した。

調査結果から、1、2号機純水装置更新工事にて設置して以降、当該ガスケットが、塩酸環境下での長期使用により劣化し、塩酸移送ポンプ運転、停止による圧力変動や屋外設置のための直射日光等の影響による温度上昇等によりガスケットの性能が低下することにより、塩酸との接液側の端面が徐々に減肉・変形し、ガスケットのシート力が低下し漏えいに至ったものと推定した。

対策

  1. 当該フランジ部のガスケットを新品に取り替えて復旧した。
    なお、取り替えたガスケットは、更に塩酸への耐性の良い材質のガスケットに変更した。
    当該フランジ部について、ライニングとの境界部の局部的な腐食箇所への塩酸漏えいに対する影響を考慮し、念のため配管の取り替えを実施した。
  2. 1、2号機純水装置の当該箇所以外の塩酸配管のフランジ部について、同様に更に塩酸への耐性の良い材質のガスケットに取り替えを行った。
  3. 1、2号機純水装置の塩酸配管のフランジ部のガスケットについては、今後適切な周期を設けて取り替えを計画する。

県の公表

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