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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 令和元年度(2019年度)
- 伊方3号機高圧注入ポンプ3Bの動作不能に係る運転上の制限の逸脱
- 通報連絡日時:2019年9月5日15時40分
- 県の公表区分A
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:国において確認中 備考:今回発表
異常の内容
9月5日(木曜日)15時40分、四国電力株式会社から、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 3号機は通常運転中のところ、高圧注入ポンプ3Bの定期運転中に電動機の軸受部より白煙が発生したことを運転員が確認した。これにより、9月5日(木曜日)15時9分、高圧注入ポンプ3Bを停止し、定期運転を中断した。
- 高圧注入ポンプ3Bの動作不能を判断したことから、同日15時9分保安規定に定める運転上の制限から逸脱した。
- 詳細は今後調査する。
- 本事象による環境への放射能の影響はない。
その後、四国電力株式会社から、以下のとおり連絡がありました。
- 消防署による現場確認の結果、9月5日(木曜日)16時51分に火災でない旨の判断がなされた。
復旧状況等
9月5日(木曜日)23時39分、四国電力株式会社から、復旧状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 調査の結果、高圧注入ポンプ3B軸受潤滑油の圧抜き部の内部に油分の付着が確認されたことから、軸受部の油分がポンプの運転に伴い霧状となって圧抜き部から排出されたものであると判断し、ポンプの機能・性能に影響を与えるものではないことを確認した。
- その後、高圧注入ポンプ3Bの潤滑油の分析、運転状態における異音、異臭温度、振動等に異常がないことを確認のうえ、中断していた定期運転を再開し、正常に運転できることを確認した。定期運転が完了したことから、23時2分、運転上の制限の逸脱から復帰し、通常状態に復旧した。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
伊方発電所3号機は通常運転中のところ、高圧注入ポンプ3Bの定期運転中に電動機の軸受部より白煙が発生したことを運転員が確認した。
このため、高圧注入ポンプ3Bを停止し、定期運転を中断した。
その後、高圧注入ポンプ3B軸受潤滑油の圧抜き部(以下、エアーブリーザという。)の確認、軸受潤滑油の油分析、ハンドターニングを実施し、軸受に異常がないことを確認した。
調査結果から、高圧注入ポンプ3Bの定期運転中に確認された白煙は、ポンプ運転に伴う軸受内の内圧の上昇により、エアーブリーザ内部に設置しているろ材の目詰まり等によりろ材を覆うように形成された油膜が飛ばされ、再び通気するようになり、一時的に通常より多くのオイルミストが外部に排出され、これが外気で冷やされて白煙に見えたものであると推定した。
対策
- オイルミストを白煙と誤認することを回避するため、同様の事象発生が想定される重要な電動機19台については、エアーブリーザのろ材の清掃を分解点検時(10定検毎)から毎定検実施するよう点検周期の見直しを行う。
- エアーブリーザから外部に排出されたオイルミストが白煙となって見える場合があること運転員に周知した。また、白煙状のオイルミストが発生した場合に確認する項目等を明確にし、運転員に周知した。