令和元年度(2019年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方3号機低圧給水加熱器伝熱管の損傷

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通報連絡日時:2020年1月17日11時30分
県の公表区分C

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表

概要

伊方発電所3号機第15回定期検査中、3号機中央制御室の火災受信機盤に純水装置建屋内火災受信機盤の異常が表示された。

本事象による環境への放射能の影響はない。

調査の結果、火災受信機の制御カードの不具合であることを確認した。

その後、制御カードの取り替えを行い、通常状態に復旧した。
なお、純水装置建屋内において火災は確認されておらず、火災受信機盤復旧までの間、監視人を配置し火災のないことを確認していた。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

第15回定期検査中のところ、復水系統水圧試験において、第2低圧給水加熱器B号機の胴側のドレン量が他の低圧給水加熱器に比べて若干多かった。

そこで、第2低圧給水加熱器B号機の伝熱管真空リークテストを実施したところ、伝熱管1本に漏えいがあることを保修員が確認した。

調査結果より、以下のプロセスで伝熱管が損傷したと推定した。

  1. 伝熱管と各邪魔板には構造上隙間があり、第3邪魔板においては胴側とドレン冷却部との差圧により蒸気が第3邪魔板の管穴隙間よりドレン冷却部に流入。
  2. 第3邪魔板の管穴が蒸気の流入により、経年的に減肉・拡大しドレン冷却部への蒸気流入量が増加。
  3. 最小R管付近に滞留した蒸気の気泡が、伝熱管表面で冷やされて凝縮することで崩壊し、キャビテーションが発生。
  4. キャビテーションにより、伝熱管外面に強い押付けの力(衝撃力)が作用し、伝熱管中心側への変形、減肉が発生。
  5. 管内面においても繰返しのキャビテーションによる管外面からの影響により、管内面の周方向に引張の繰返し応力が生じ、疲労き裂が発生、進展して貫通に至った。

対策

  1. 漏えいの認められた第2低圧給水加熱器B号機伝熱管1本及び施栓基準以上のきずと思われる有意な指示が認められた伝熱管1本について、施栓を実施した。
    また、当該機器の最小R管にきずと思われる有意な指示が47本確認されたことから、最小R管全数(53本)について念のため予防施栓を実施した。
  2. 類似機器である第2低圧給水加熱器A号機において、最小R管にきずと思われる有意な指示が47本確認されたことから、最小R管全数(54本)について念のため予防施栓を実施した。
    また、第4低圧給水加熱器B号機において、施栓基準以上のきずと思われる有意な指示が4本確認されたことから施栓を実施する。
  3. 最小R管全数を施栓した第2低圧給水加熱器A号機及びB号機について、毎定検A号機又はB号機のどちらかの状況が確認できるように、点検頻度を4定検毎から2定検毎へ見直しを行う。

県の公表

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