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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 令和2年度(2020年度)
- 伊方3号機 復水ろ過装置接続配管フランジ部からの水漏れ
- 通報連絡日時:2020年9月17日12時35分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表
概要
伊方発電所3号機は第15回定期事業者検査のため停止中、タービン建屋(管理区域外)に設置している復水ろ過装置の水張りを実施していたところ、復水ろ過装置に接続する配管のフランジ部から水が漏えいしていることを運転員が確認した。
漏えい確認後、水張りを中止し、現在、漏えいは停止している。
本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。
漏えいした水(漏えい量約50L)は純水で、放射性物質を含んでおらず、拭き取って回収した。なお、漏えいした水による周辺機器への影響はない。
漏えいした箇所については、流量計のフランジ部であり、点検により開放していたことを確認した。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
第15回定期事業者検査(以下、「定検」という。)中のところ、タービン建屋1階において復水ろ過装置への水張りを実施中、復水ろ過装置に接続する配管のフランジ部より水(純水)が漏れていることを運転員が確認した。
水漏れした当該フランジ部は、流量計オリフィスの点検のため開放されていたことを確認した。
- 運転員は、関係者と打ち合わせを実施し、復水ろ過装置の隔離・復旧(水張り)作業を計画する必要があったが、流量計オリフィスの点検作業が完了しているとの思い込みにより、関係者間の作業完了予定や水張り予定等の認識にずれが生じていた。このことから、関係者間の連絡が不足していたと推定する。
- 本事象のように当初計画されていなかった一括隔離範囲内の機器を部分的に復旧する作業において、統合型保修管理システム(以下、「EAM」という。)による点検作業完了のチェック機能が使用できる状態になっていなかった。
- 復水ろ過装置まわりの水張りにあたり、管理者及び運転員ともに、流量計オリフィスの点検が完了していることを確認していなかった。また、水張り範囲内の系統状態の確認が十分にできていなかった。
これらのことが原因で、当該フランジ部の点検作業が完了していない状態で復水ろ過装置の満水までの水張りを実施したことから、当該フランジ部からの漏えいに至ったと推定した。
対策
- 計画変更により、部分隔離による作業管理が必要となった場合は、EAMにおいて新たに部分隔離範囲を設定し、既定の一括隔離範囲内の機器の点検作業のうち、部分隔離範囲に含まれる点検作業は部分隔離内作業として管理する運用に変更する。これにより、EAMで作業完了処理及び部分隔離の復旧依頼を行わなければ当該範囲の復旧許可ができない仕組みに変更した。
本内容については、社内マニュアルを改訂し、所内へ周知した。 - 計画変更があった場合には、変更が生じる範囲について、保修担当者を含む関係者間で詳細な打ち合わせを実施することを社内マニュアルに明記し、所内へ周知した。
具体的には、開口部や点検情報を明記した図面をもとに、点検作業の完了確認、水張り予定日、水張り範囲及びリークチェックの有無等について、関係者間の認識合わせを行う。 - 系統の隔離・復旧作業の操作手順書に機器の点検状況を確認する項目を記載し、隔離範囲内の機器の点検作業完了確認を徹底するよう管理者及び運転員に周知した。
- 今回の事象を教訓とした資料を作成し、定検前の運転員の教育に活用する。