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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 令和3年度(2021年度)
- 伊方1,2号機 予備変圧器のガス検出警報発信
- 通報連絡日時:2021年6月20日16時24分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
6月20日(日曜日)16時24分、四国電力株式会社から、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 1、2号機は廃止措置中のところ、6月20日(日曜日)13時30分に、1、2号機予備変圧器内でガスを検出する警報の発信を確認した。
- 1、2号の所内電源は他の送電線より受電しており、予備変圧器による影響はないが、念のための処置として予備変圧器を隔離した。
- 担当課の保修員による現地確認後、6月20日(日曜日)16時08分に、気体検出器についてより詳細に点検する必要があると判断した。
- 本事象について環境への放射能の影響はない。
その後の状況等
6月25日(金曜日)19時32分に、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 調査の結果、予備変圧器内でガスは発生しておらず、気体検出器が変圧器内で発生したガスを検知した際に中央制御室に警報を発信する機能に不具合があることが分かった。今後、気体検出器を取替えるとともに、詳細調査を実施する。
- なお、上記の不具合箇所以外で予備変圧器に異常がないことから、気体検出器の取替が完了するまでの間は、定期的にガスが発生していないことを確認することとし、6月25日(金曜日)19時14分、予備変圧器を通常の待機状態に復旧した。
復旧状況
7月30日(金曜日)15時57分に、四国電力株式会社から、復旧状況について、次のとおり連絡がありました。
- その後、気体検出器の取替を実施した後、1、2号機予備変圧器を受電して運転状態に問題が無いことを確認し、7月30日(金曜日)15時37分、通常状態に復旧した。
- 引き続き原因について詳細を調査する。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
1,2号機中央制御室に1,2号機予備変圧器内でガスを検出する警報の発信を確認した。
点検を実施した結果、予備変圧器内でガスは発生しておらず、気体検出器が変圧器内で発生したガスを検知した際に、1,2号機中央制御室に警報を発生する機能に不具合があることを確認したため、気体検出器を取替えるとともに、詳細な調査を実施することとした。
調査の結果、当該気体検出器の乾燥剤挿入口カバーの割れ箇所に錆の付着が確認されたことから、乾燥剤挿入口カバーの割れ箇所より外気が侵入し、マイクロスイッチ室内が徐々に吸湿したことで、マイクロスイッチの接点間の絶縁が低下して回路が導通し、警報発信に至ったものと推定する。
乾燥剤挿入口カバーの割れが発生した時期について、特定することは困難であるが、
- 錆の付着の状況からかなり前に発生したものと推定されること
- 当該検出器の取替時(2000年9月)には、外観点検等で異常はなかったこと
- 定期検査時の変圧器点検等の作業以外で、当該気体検出器近傍に立ち入ることはないこと
から、変圧器点検等の作業時に、当該箇所に接触することなどにより割れが発生し、その後の点検において実施した補修塗装により、割れが発見できなかったものと推定する。
対策
- 1,2号機予備変圧器の気体検出器(健全側を含む2台)について、同型式の新品に取替えを実施した。
- 1,2号機予備変圧器の気体検出器と同型式の気体検出器を使用している他の変圧器の気体検出器7台の外観点検を実施し、異常がないことを確認した。
- 3号機主変圧器、所内変圧器、予備変圧器及び非常用変圧器は、引き続き変圧器点検で回路の絶縁抵抗測定を実施することとする。また、2号機起動変圧器及び1,2号機予備変圧器は、今後、変圧器の点検において回路の絶縁抵抗測定を追加し、絶縁抵抗値の傾向監視を行うことで、気体検出器の警報発信回路の健全性の確認を行うこととする。
- 変圧器点検等の作業時は、気体検出器等の計器に注意するとともに、必要に応じて防護措置を実施して作業することを関係者に周知する。