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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 令和3年度(2021年度)
- 伊方3号機 総合排水処理装置沈殿池壁面からの水漏れ
- 通報連絡日時:2021年6月30日16時52分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
6月30日(水曜日)16時52分、四国電力株式会社から、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 伊方発電所3号機は第15回定期事業者検査中のところ、6月30日(水曜日)16時19分、総合排水処理装置の沈殿池のコンクリート壁より、微少な漏えいがあることを運転員が確認した。
- 今後詳細を調査する。
- なお、本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。
その後の状況等
7月1日(木曜日)16時00分、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 当該沈殿池の排水受け入れを停止し、水位を下げるために排水を行い、6月30日(水曜日)18時51分に漏えいは停止した。引き続き排水を行い、7月1日(木曜日)15時10分、沈殿池の水抜きを完了した。漏えいした水は約240Lと推定した。
- 今後、詳細を調査する。
- なお、サンプリングの結果、漏えいした水は、排水基準を満たしており、環境への影響はない。
復旧状況
8月17日(火曜日)15時07分に、四国電力株式会社から、復旧状況について、次のとおり連絡がありました。
- 調査の結果、漏えいは沈殿池のコンクリート壁の継ぎ目部のひび割れ箇所から発生していたことから、コンクリート壁の継ぎ目部を修繕した。その後、沈殿池に水張りを行い、漏えいがないことを確認し、8月17日(火曜日)14時55分、通常状態に復旧した。
- 引き続き、原因について詳細を調査する。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
伊方発電所3号機総合排水処理装置(管理区域外)のE沈殿池のコンクリート壁より微少の水漏れがあることを運転員が確認した。
水漏れは沈殿池のコンクリート壁の継ぎ目部のひび割れから発生していた。
調査の結果、施工時のコンクリートの乾燥収縮等により、水漏れ箇所付近に生じた微細なひび割れが経年により進展し壁面内の鉄筋に到達、そこから雨水と酸素が浸入し鉄筋を腐食・膨張させ、それによりひび割れが拡大・進展しゴム止水板を損傷させたことで、槽内からひび割れ箇所を通して水漏れに至ったものと推定した。
対策
- 当該側壁外側のひび割れが生じた部分のコンクリートをはつり撤去、復旧した。
- ゴム止水板の修繕は構造上困難なため、その代替として当該側壁内側の継ぎ目部に樹脂系シート型止水工法にて内側からの水の浸入防止処置を実施し、(1)の対策と合わせて水漏れがないことを確認した。
- 本事象の発生部位はE沈殿池の南側側壁のみであるが、予防保全として北側側壁の内側にも同様の止水工法による水の浸入防止処置を実施した。
- A沈殿池側壁内側の継ぎ目部についても同一仕様であることから、予防保全の水平展開として、2022年度に同様の止水工法による水の浸入防止処置を実施する。
- 点検要否の判定基準となる社内マニュアルについて、側壁内側に今回新たに施工した樹脂系シート型止水工法の健全度判定を追加した内容に改正する。
- 同マニュアルについて、側壁外側の外観点検頻度を現行の1回/2年から1回/1年に改正する。