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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 令和3年度(2021年度)
- 伊方発電所における過去の保安規定不適合
- 通報連絡日時:2021年7月2日9時14分
- 県の公表区分A
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
- 伊方発電所構内に設置している気付事項登録BOXに投函された事案について、四国電力株式会社社内のコンプライアンス推進委員会により調査を実施していたところ、7月2日(金曜日)8時45分、コンプライアンス推進委員会より、調査状況の報告があった。
- この報告にて、伊方発電所において、過去に四国電力株式会社元社員(現在は退職)が、宿直勤務中に無断で発電所外へ出ており、その間、一時的に伊方発電所原子炉施設保安規定(以下「保安規定」という。)に定める必要な要員数を満たしていない時間帯があったことが判明した。
- 今後、詳細を調査する。
- 本事案によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。
県としては、防災安全統括部長から四国電力株式会社原子力本部長に対し、保安規定の遵守を徹底するよう要請しました。
その後の状況等
7月13日(火曜日)10時46分、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- その後、引き続きコンプライアンス推進委員会にて、現在の宿直体制を開始した平成28年4月以降の全宿直者の外出有無の調査及び宿直業務従事者への聞き取り調査並びに発電所全従事者への申告調査が実施され、7月13日(火曜日)10時20分、コンプライアンス推進委員会から、本事案と同様の事案は確認されなかったとの調査報告を受け取った。
- 今後、本報告を踏まえ、実効性のある再発防止策を検討する。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
伊方発電所構内に設置している気付事項登録BOXに投函された事案について、四国電力のコンプライアンス推進委員会により調査を実施していたところ、伊方発電所において、過去に四国電力元社員A(現在は退職)が、宿直勤務中に無断で発電所外へ出ており、その間、一時的に伊方発電所原子炉施設保安規定(以下「保安規定」という。)に定める必要な要員数を満たしていない時間帯があったことが判明した。
調査の結果、以下の原因を推定した。
(1)コンプライアンス意識
- 元社員Aが原子力安全に対する意識やコンプライアンスを徹底するという意識を欠いていた。
- 当該事案の噂の事実確認に向けて上司へ報告する等の能動的な対応がとられていなかった。
(2)保安規定不適合事案を未然に防止する仕組み
- a.宿直当番者の所在の確認面
宿直勤務中を含め宿直の交代(退直)時まで、点呼等の確認を定めておらず、実施していなかった。 - b.発電所退出者の管理面
発電所外への退出にあたっては、特別な管理をしておらず、当番者が不正に発電所外へ出ていないことの確認はしていなかった。 - c.社有車の管理面
社有車の鍵は比較的容易に持ち出せる保管管理状態の部署があった。使用者本人の確認、適正な社有車の使用及び車両運転日誌の記載について、管理が十分にできていなかった。
(3)当番者の交代管理等
- 宿直勤務中に交代する場合や、平日当番者が一時的に短時間交代する場合の連絡手順は社内規程で明確にしていなかった。
- 重大事故等対応時に要員を補充する手順について、明確化していない点があった。
なお、元社員Aの令和2年5月の懲戒処分時の調査は、原子力部門以外の部署が対応したが、一個人の不正に焦点を当てたもので、宿直勤務中かどうか問題視していなかった。
対策
(1)コンプライアンスを徹底させる措置
- a.経営層による訓話、督励
- b.保安規定等の遵守、企業倫理の徹底についての特別教育
- c.コンプライアンス教育
- d.職場内での議論の実施
(2)保安規定不適合事案を未然に防止する仕組みの強化
- a.スマートフォンによる宿直当番者の所在確認
- b.宿直当番者点呼追加
- 定期的な点呼の追加
- スマートフォンによる点呼(抜き打ち)の実施
- c.発電所退出者管理の強化
- d.社有車の管理の強化
(3)重大事故等対応をより一層確実に実施するための措置
- a.当番者の交代管理等の強化
- b.腕章による平日当番者の意識付け
今後、伊方発電所員の懲戒事案については、事案の内容を担当部署から原子力部門に連係し、原子力部門において、原子力安全上の問題がないか確認する。