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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 令和3年度(2021年度)
- 伊方3号機 蓄圧タンクのサンプリング隔離弁の不具合
- 通報連絡日時:2021年10月8日9時21分
- 県の公表区分B
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
10月8日(金曜日)9時21分、四国電力株式会社から、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 伊方発電所3号機は第 15 回定期事業者検査中のところ、蓄圧タンク3Aの器内水を分析するため、蓄圧タンク3Aサンプリング隔離弁を開とし、器内水を採取した。採取後、同弁を閉としたが、シートリークによりサンプル水が完全に止まらないことを確認した。
- このため、保修員により同弁のシート調整等を実施していたが、改善が見られなかったことから、10月8日(金曜日)8時 55 分、当該弁の分解点検を実施することとした。
- シートリークによるサンプル水は、全てサンプルシンク内に回収しており、系外への漏えいはない。
- 今後詳細を調査する。
- なお、本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。
復旧状況
10月11日(月曜日)15時25分、四国電力株式会社から、復旧状況について、次のとおり連絡がありました。
- その後、当該弁の分解点検及び部品取替えを実施し、当該系統に通水した後、シートリークがないことを確認し、10月11日(月曜日)15時10分、通常状態に復帰した。
- 引き続き詳細を調査する。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
伊方発電所3号機第15回定期事業者検査中のところ、蓄圧タンク3Aの器内水を分析するため、蓄圧タンク3Aサンプリング隔離弁を開とし、器内水を採取した。採取後、当該弁を閉としたが、シートリークによりサンプル水が完全に止まらないことを確認した。
調査の結果、当該弁の構成品である弁体の拡大観察において、微小異物付着によるものと思われる横傷及び縦傷が複数確認されたこと並びに蓄圧タンクの器内水はフィルタ等を通して放射性物質や不純物を除去しているため、異物の混入はないと考えることから、当該弁の分解点検の際に微小異物が付着したことによりシート面の当たり不足が生じ、シートリークが発生したと推定する。
当該弁は、弁体側面と弁座側面の隙間が片側あたり20μm であり、微小異物の影響を受けやすい構造であること、詳細調査においてシート面に傷は確認されず、弁体側面に傷が確認されたことから、微小異物は弁体側面と弁座側面の隙間に挟まっていた可能性が高いと考える。
また、当該弁の点検作業では、組立時における異物混入防止として目に見える範囲の異物の有無について確認しているため、今回の微小異物については確認できていなかったと推定する。
対策
- 当該弁について、保有していた予備の弁体等の部品へ取替えを行い、復旧した。今後も引き続き予備品を確保する。
- 当該弁と類似型式の弁について、組立時における目視の異物混入防止の確認に加えて、目視で確認できない微小異物の付着を防止するために、拭き取り作業の手順を作業要領書に追加する。