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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 令和3年度(2021年度)
- 伊方3号機 エタノールアミン含有排水生物処理装置からの苛性ソーダの漏えい
- 通報連絡日時:2022年3月23日12時09分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし
異常の内容
3月23日(水曜日)12 時9分、四国電力株式会社から、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 伊方発電所3号機は通常運転中のところ、3月23日(水曜日)11時40分、エタノールアミン(ETA)含有排水生物処理装置(現在運用停止中)の苛性ソーダ貯槽付近から苛性ソーダが漏えいしていることを運転員が確認した。
- 漏えいした苛性ソーダは全量防液堤内に留まっており、環境への影響はない。
- 本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。
その後の状況等
3月24日(木曜日)13時29分に、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- その後、苛性ソーダ貯槽に直接接続されている弁からの漏えいを確認したため、当該貯槽の苛性ソーダの抜き取りを行い、3月24日(木曜日)9時30分に漏えいは停止した。漏えいした苛性ソーダは約2.1立方メートル(雨水含む)と推定した。
- 苛性ソーダ貯槽は、今後使用予定が無いことから、漏えいを確認した弁を取り外し、3月24日(木曜日)13時10分に配管部への閉止板の取り付けを完了した。
- また、漏えいした苛性ソーダは全量防液堤内に留まっており、全量を回収した。今後、総合排水処理装置で処理する。
- 今後、詳細を調査する。
県では、原子力センターの職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認しています。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
調査の結果、当該弁のゴム製ダイヤフラムに変形や微小な貫通孔が確認されたこと、弁蓋の割れ部及び表面塗装のひび割れ部以外の弁蓋外面に有意な異常はなく、局所的な外力が加わったような形跡もなかったことから、
- 弁納入時からの弁蓋の局所的な締め付け等により、ゴム製ダイヤフラムに局所的な負荷がかかる状態となっていた。
- 1の状態での長期使用等により、ゴム製ダイヤフラムが劣化し、貫通穴が発生したことで、弁蓋内に苛性ソーダが侵入した。
- 侵入した苛性ソーダにより、弁蓋の腐食が進み、割れが発生したことで、苛性ソーダの漏えいに至った。
と推定した。
対策
- 当該弁については、今後、装置の使用予定がないことから、弁を取り外し、閉止板を取り付けた。エタノールアミン含有排水生物処理装置の当該弁以外の苛性ソーダ系統のダイヤフラム弁18台については、今後、装置の使用予定がないことから、系統内の苛性ソーダの抜き取りを実施した。
- 本事象は、貯槽に直接接続されている弁からの漏えいであり、早期に系統隔離が困難な状況であったことを踏まえ、エタノールアミン含有排水生物処理装置以外の苛性ソーダを内包する系統のダイヤフラム弁のうち、点検計画がなく、系統構成上、早期の系統隔離が困難なダイヤフラム弁について、定期的なダイヤフラムの取替えを伴う分解点検を計画する。