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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 令和5年度(2023年度)
- 伊方3号機 制御棒クラスタ駆動装置空調系統への養生袋の吸い込み
- 通報連絡日時:2023年5月19日12時46分
- 県の公表区分B
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
異常の内容
5月19日(金曜日)12時46分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 5月19日12時38分、作業員が所持していた養生袋が制御棒クラスタ駆動装置空調系統に吸い込まれたことを確認した。
- このため、同時刻に、詳細な点検が必要と判断した。
- なお、この事象による環境への放射能の影響はない。
異常の原因及び復旧状況
5月19日(金曜日)17時13分に、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 1次冷却材系統の耐圧・漏えい検査において、制御棒クラスタ駆動装置空調系統の点検口を開けた際に、当該空調系統に養生袋が吸い込まれたことを確認したことから、養生袋の回収作業が必要と判断し、当該検査を中止した。
- その後、1次冷却材系統の降温・降圧を行い、制御棒クラスタ駆動装置冷却ファンを停止し、本日16時56分、吸い込まれた養生袋を回収し、当該空調系統に異常がないことを確認した。
- 今後、準備が整い次第、当該検査を改めて実施する。
- なお、現在、制御棒クラスタ駆動装置は使用しておらず、制御棒は全挿入状態を維持しており、プラントの安全性に影響はない。
県では、原子力センターの職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認しています。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
伊方発電所3号機は定期事業者検査中の1次冷却材系統の耐圧・漏えい検査(以下「RCS耐圧・漏えい検査」という。)において、制御棒クラスタ駆動装置空調系統(以下「CRDM空調系統」という。)につながる点検口(以下「CRDM空調系統の点検口」という。)を開けた際に、CRDM空調系統に養生袋が吸い込まれたことを確認したことから、養生袋の回収作業が必要と判断し、当該検査を中止した。
その後、1次冷却材系統の降温・降圧を行い、制御棒クラスタ駆動装置冷却ファン(以下「CRDM冷却ファン」という。)を停止し、吸い込まれた養生袋を回収し、CRDM空調系統に異常がないことを確認した。
なお、RCS耐圧・漏えい検査時には制御棒クラスタ駆動装置は使用しておらず、制御棒は全挿入状態を維持していた。
本事象によるプラントの安全性への影響及び環境への放射能の影響はなかった。
その後の詳細な調査の結果、本事象は、作業員が、点検に不要な養生袋をCRDM空調系統の点検口付近まで持ち込み、また点検に不要となった用具等の資機材をCRDM空調系統の点検口付近に仮置きしたこと、それら資機材の片付けを完了せず不要な資機材を所持したまま負圧環境となるCRDM空調系統の点検口に近接したことが原因であると推定した。
また、作業要領書には負圧環境での作業となることの注意喚起の記載はなく、周知も行われていなかった。
対策
- 作業要領書に負圧箇所付近には不要な資機材を持ち込まないこと、使用後に不要となった資機材は速やかに持ち出すことを記載した。また、負圧箇所の開放前には近傍に吸い込まれるおそれのある残留物がないことの確認も合わせて記載した。
- 本事象の発生原因、再発防止対策の内容を関係者へ周知するとともに、作業要領書の作成、確認の際に負圧環境での異物混入への対策が取られるよう、社内規定に記載した。