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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 令和5年度(2023年度)
- 伊方3号機 グランド蒸気復水器排気ファンの不具合
- 通報連絡日時:2023年5月13日17時14分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし
異常の内容
5月13日(土曜日)17時14分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 伊方発電所3号機は第16 回定期事業者検査中のところ、グランド蒸気復水器排気ファン(※)3A及び3Bが運転できないことから、保修員にて確認し、詳細な点検が必要と判断した。
- 今後、詳細を調査する。
- なお、本事象によるプラントへの影響はなく、環境への放射能の影響はない。
異常の原因及び復旧状況
5月14日(日曜日)9時49分、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 原因を調査した結果、本定期事業者検査において取り替えたグランド蒸気復水器排気ファン3A及び3Bの電源ユニットの保護装置が原因であると推定したことから、新しい保護装置に取り替えた。
- その後、グランド蒸気復水器排気ファン3A及び3Bを起動し、運転に問題ないことを確認したことから、5月14日9時37分、正常状態に復帰した。
- 今後、詳細調査を実施する。
(※)グランド蒸気復水器排気ファン
蒸気タービン軸封部からの蒸気漏れを防止するために使用したグランド蒸気の排気中に含まれる非凝縮性ガスを取り出すための機器。
県では、原子力センターの職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認しています。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
伊方発電所3号機は定期事業者検査中のところ、グランド蒸気復水器排気ファン3A及び3Bが運転できないことから、保修員が確認し、詳細な点検が必要と判断した。
原因を調査した結果、本定期事業者検査で取り替えたグランド蒸気復水器排気ファン3A及び3Bの電源ユニットの保護装置が原因であると推定したことから、新しい保護装置に取り替えた。
その後、グランド蒸気復水器排気ファン3A及び3Bを起動し、運転に問題ないことを確認したことから、正常状態に復帰した。
本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はなかった。
その後の詳細な調査の結果、電源ユニット取替えにおけるメーカの設計段階において、保護装置の型式変更により変更されていた動作特性曲線(※)の確認など必要な検証をしないまま保護装置を選定していた。また、四国電力においても型式変更に伴う検証について具体的な指示をしていなかった。このことより、保護装置の取替えに伴う動作特性の変化について検証されぬまま保護装置の取替えを実施し、電動機の起動時に保護装置が不要動作したものと判断した。
(※)動作特性曲線
電動機に流れる電流に応じて保護装置を動作させる曲線
対策
- 電動機の保護が可能な範囲で設定値を変更した保護装置に取り替え、起動電流により不要動作しないように対策を実施した。
- 四国電力は、メーカにおいて、設計段階で保護装置を検討する際に、動作特性曲線と電動機の起動電流など必要な検証を必ず行うよう、チェックシートを作成してルール化したことを確認した。
- 保護装置の型式が変更となる場合には、動作特性曲線と設定値の関係が適切であるか検証することを発注時に要求し、四国電力はその検証結果から、適切な選定がなされていることを確認することとし、この要求事項を標準発注仕様書に反映する。