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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 令和5年度(2023年度)
- 伊方3号機 発電用窒素ガス封入装置からの窒素ガス漏えい
- 通報連絡日時:2023年5月26日14時07分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
異常の内容
5月26日(金曜日)14時7分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 伊方発電所3号機は第16回定期事業者検査中のところ、発電機用の窒素ガス封入ラインにて、窒素ガスの漏えいを確認し、詳細な点検が必要と判断した。
- 現在、漏えいについては、弁を閉止し、停止している。
- なお、この事象による環境への放射能の影響はない。
異常の原因及び復旧状況
5月26日(金曜日)18時29分に、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 点検の結果、今回の定期事業者検査で取り替えた発電機用窒素ガス封入装置(※)の配管接続部のO(オー)リングが適正に装着されていないことを確認した。このため、当該Oリングを新品に交換した。
- その後、漏れがないことを確認し、18時23分、正常状態に復帰した。
- 今後詳細を調査する。
(※)発電機用窒素ガス封入装置
発電機内の回転子や固定子等の冷却のため、発電機内部には運転中水素ガスが封入され内部を循環しているが、万一当該水素ガスが漏えいする恐れのある場合に、安全のため緊急に窒素ガスを発電機内に封入し、水素ガスと置換するため、窒素ガス封入装置が設置されている。
県では、原子力センターの職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認しています。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
伊方発電所3号機は3-16定検中のところ、発電機用窒素ガス封入装置(当該装置)にて窒素ガスの漏えいを確認し、詳細な点検が必要と判断した。
点検の結果、3-16定検で取り替えた当該装置の接続継手のOリングが適正に装着されていないことを確認した。
このため、当該Oリングを新品に交換し、漏えいがないことを確認して、正常状態に復帰した。
本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はなかった。
その後の詳細な調査の結果、当該装置の入口弁の固定位置のズレにより、圧力調整器側の接続継手部の締め付けが不足するとともに、Oリングの接触面の当たりが不均等になったことで内圧を受けたOリングの一部が押し出され、窒素ガスの漏えいに至ったものと推定した。
入口弁が適正な位置よりも下方向に取り付けられた原因は、以下のことが重畳したことによるものと推定した。
- 入口弁の固定板と架台とを溶接にて取り付ける際に生じた取り付け誤差
- 入口弁の固定板のボルト穴位置の施工誤差
なお、各種試験及び運用開始時においては、かろうじて窒素ガスの密封状態を維持できていたが、気圧の変化など何らかの要因により、7日後にガスが漏えいしたものと推定した。
対策
- 入口弁の固定位置を調整し、圧力調整器-L字配管-入口弁のズレを解消するとともに、Oリングを新品に取り替えた。
- 入口弁は、現状メーカ推奨の固定金具にて固定しているが、当初の設計通りボルトによる固定とすることでより強固に固定できることから、次回定期事業者検査時に現在の位置でボルトにより入口弁を固定できるよう、固定板のボルト穴の位置を調整する。
- 今後、同様な装置を製作する際は、製作時に発生し得る誤差を調整できる設計とすること、また接続継手を締めつける前に、接続継手部に隙間がないことを確認することを標準発注仕様書に反映する。また、製作時において接続継手部に隙間がないことを確認するようメーカへ要請した。
- 圧力調整器点検時などに接続継手の分解・組立を行う際は、接続継手の締め付け前に接続継手部に隙間がないこと、及び締め付け状態を確認する手順を標準作業要領書に記載する。