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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 令和5年度(2023年度)
- 使用済燃料乾式貯蔵施設設置工事に使用する仮設電源ケーブルの損傷
- 通報連絡日時:2023年7月2日19時39分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし
異常の内容
7月2日(日曜日)19時39分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 使用済燃料乾式貯蔵施設設置工事場所において、運転員が電源ケーブルの損傷を確認した。
- 火災感知器は動作しておらず(※)、炎も確認していない。また、現在、発煙はなく、火花も発生していない。
- 今後、詳細を調査する。
- なお、本事象によるプラントへの影響及び環境への影響はない。
※ 当該工事エリアに火災感知器は設置していないが、電源ケーブルの損傷を発見した当時において、中央制御室の火災報知器盤に警報は発信していないことを確認している。
異常の原因及び復旧状況
四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 第2報:7月3日(月曜日)1時24分
- 損傷した電源ケーブルは、工事に使用する仮設の電源ケーブルであり、電源ケーブルの損傷を発見した当時、作業は実施していなかった。
- 損傷した電源ケーブルについては、接続されている工事用の分電盤から取り外すとともに、工事用の分電盤の上流の電源スイッチを更に「切」としている。
- その後、消防署の立ち入りの結果、火災ではないと判断された。
- 今後、工事用の他の電源ケーブルの健全性を確認する。
- 第3報:7月3日(月曜日)15時52分
- その後、工事用の他の電源ケーブルの健全性確認を行い、他の電源ケーブルに異常が無いことを確認した。
- 今後、詳細を調査するとともに、損傷した電源ケーブルの取替えを計画し、納入次第取替えを実施する。
県では、原子力センターの職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認しています。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
伊方発電所3号機は通常運転中のところ、使用済燃料乾式貯蔵施設設置工事場所において、運転員が仮設電源ケーブルの損傷を確認した。
このため、損傷した仮設電源ケーブルを接続している工事用分電盤から取り外し、更に上流にある工事用分電盤内の電源ブレーカのスイッチを「切」とした。
本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はなかった。
その後の詳細な調査の結果、ケーブル敷設状況から工事足場上への型枠材の仮置き時に、当該仮設電源ケーブルと型枠材の接触により外傷が生じ、その後、外傷部分から幾度も雨水が侵入したことで、絶縁体の劣化が進み、上流にある工事用分電盤の電源ブレーカの電源スイッチを作業終了時に「切」としていなかったため、事象発生の前日の降雨で導体間が導通し、短絡損傷したものと推定した。
対策
- 損傷のあった仮設電源ケーブルを新しいケーブルに取り替えた。
- 工事用仮設足場に敷設する仮設電源ケーブルは、型枠材等で損傷を与えない位置に敷設することを徹底するよう作業要領書に反映するとともに、工事関係者に対し周知徹底した。
- 屋外で風雨等に曝される場所で使用する仮設電源ケーブルは、ケーブル内部へ水の侵入を伴う外傷が無いか外観点検(月1回)を実施することを作業要領書に反映するとともに、工事関係者に周知徹底した。
- 工事用分電盤の大元の電源ブレーカは、作業終了時に電源スイッチを切ることを徹底するよう作業要領書に反映するとともに、工事関係者に周知徹底した。
- その他工事の作業要領書の作成、確認の際においても、必要に応じて上記(2)~(4)の対策がとれるよう、社内規定に記載した。