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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 令和5年度(2023年度)
- 伊方3号機 非常用ガスタービン発電機燃料油貯油槽Aの配管フランジ部からの油漏れ
- 通報連絡日時:2023年7月27日12時08分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし
異常の内容
7月27日(木曜日)12時8分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 伊方発電機3号機は通常運転中のところ、運転員が非常用ガスタービン発電機の貯油槽A上部に油たまりがあることを確認した。
- その後、保修員が配管からの漏えいを確認した。
- 今後詳細を調査する。
- 本事象によるプラントの運転への影響及び環境への放射能の影響はない。
異常の原因及び復旧状況
7月27日(木曜日)20時45分、四国電力株式会社から、復旧状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 点検の結果、貯油槽A上部に設置している配管のフランジ部から漏えいしていることを確認した。このため、フランジ部のガスケットを取り替えた。
- その後、漏えいがないことを確認し、20時39分、正常状態に復帰した。
- 漏れた油は、当該発電機の燃料約30リットルであり、全量回収した。今後、産業廃棄物として処理する。
- 今後詳細を調査する。
県では、原子力センターの職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認しています。
推定原因等
燃料油の漏えいが発生した箇所は、令和4年12月の冬季に出口電動弁を操作して以降、配管内に燃料油が封じ込め状態となっていた部分が生じたため、夏季の外気温の上昇に伴う燃料油の熱膨張により、配管フランジ部のガスケットが耐えられなくなり一部が破損し、密封性が損なわれ漏えいに至ったものと推定した。
また、過去に四国電力とは別の電力会社で発生した外気温の影響がある液体の封じ込め箇所からの漏えい事象については、既存の設備に対しては検討していたものの、新規に設置予定の設備に対して検討されておらず、非常用ガスタービン発電機の工事図書等には反映できていなかった。
対策
- 油が漏えいした当該フランジ部について、ガスケットの取替えを実施した。
また、非常用ガスタービン発電機の燃料油貯油槽出口から燃料油貯油槽出口電動弁及び燃料油サービスタンクまでの配管のフランジ部(36箇所)のうち、長期間封じ込めとなったフランジ部17箇所についても、念のためガスケットの取替えを実施した。 - 燃料油貯油槽から燃料油移送ポンプまでの配管については、燃料油貯油槽出口逆止弁の下流側に逃し弁を設置し、封じ込め部の圧力が上昇した際に貯油槽側に圧力を逃がす配管を設ける。
なお、設備改良工事が完了するまでの間は、外気温の変動がこれまでの実績より許容できると考えられる1週間に1回の頻度で燃料油貯油槽出口電動弁を開閉し、封じ込めとなる箇所の圧力を抜く。 - 非常用ガスタービン発電機の燃料油系統の燃料油移送ポンプの試運転時などに使用する戻り配管については、大気開放である燃料油貯油槽に繋がる弁を常時「開」として、圧力が逃げるようにした。
- 四国電力とは別の電力会社のトラブルを受けた未然防止処置については、既存の設備だけでなく、新規に設置予定の設備に対しても検討を行うよう、所内周知を行った。
また、本事象を踏まえ、「標準発注仕様書」及び「納入図審査手引き」については、液体の封じ込めに関する注意事項を追記した。 - 水平展開として確認した特定重大事故等対処施設の封じ込め状態となる系統については、ポンプ定期運転後に圧力を下げる手順に変更し、漏えいに至るような破損が生じないようにした。