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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 令和5年度(2023年度)
- 伊方1号機 海水管の圧力検出配管からの海水漏れ
- 通報連絡日時:2023年8月7日2時55分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし
異常の内容
8月7日(月曜日)2時55分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 伊方発電所1号機は廃止措置中のところ、海水管からの海水漏えいを確認した。
- 現在、詳細を調査中である。
- なお、この事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。
異常の原因及び復旧状況
四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 第2報:8月7日(月曜日)6時2分
- A系統の海水管から分岐した圧力検出配管から漏えいしていることを確認した。
- このため、海水を供給するポンプをB系統へ切り替えたのち、A系統の隔離を行い、漏えいは停止した。
- 今後詳細を調査する。
- 第3報:8月10日(木曜日)16時12分
- 調査の結果、漏えいが生じた配管に貫通孔を確認したため、当該配管の取替えが必要と判断した。
- 当該配管の取替えに当たり、同仕様の配管の調達に時間を要することから、代替仕様の配管にて応急復旧することとし、代替仕様の配管への取替え及び通水確認を実施して漏えいのないことを確認した。
- 今後、準備が整い次第、既設と同仕様の配管への取替えを実施するとともに、引き続き原因について詳細を調査する。
- なお、本事象による海水の漏えい量は、約30㎥と推定している。
- 第4報:10月26日(木曜日)11時12分
- その後、当該配管の取替え準備が整ったことから、代替仕様の配管から既設と同仕様の配管への取替えを実施し、10月26日11時1分、通水確認を実施して漏えいのないことを確認し、通常状態に復旧した。
- 引き続き、原因について詳細を調査する。
県では、原子力センターの職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認しています。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
伊方発電所1号機は廃止措置中のところ、廃止作業中においても使用している補機類を冷却するために必要な海水を供給する2系統ある海水管のうち、A系統の海水管から分岐した圧力検出配管(以下「当該検出配管」という。)からの海水漏えいを運転員が確認した。
当該検出配管を確認した結果、貫通孔を確認したため、代替仕様の配管にて応急復旧の後、既設と同仕様の配管に取り替えて復旧した。
なお、本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。
その後の詳細な調査の結果、当該検出配管については、経年使用により配管外面の塗膜が劣化し、腐食が発生、進展することで配管肉厚が減少し、貫通穴が生じたことに伴い、配管内面に施されているゴムライニングが内部流体(海水)の圧力により外側に押し出され、ゴムライニングが損傷し海水が漏えいしたと推定した。
なお、当該検出配管については、必要に応じて塗装することとしていたが、令和元年8月以降、腐食の程度を十分把握できておらず、補修塗装が実施されていなかった。
対策
- 当該検出配管については、既設と同仕様の配管に取り替えを実施した。
また、この他に著しい腐食が確認された海水管A系統およびB系統の圧力検出元弁近傍の配管についても、A系統については令和5年8月、B系統については令和5年11月に既設と同仕様の配管に取り替えを実施した。
なお、1号機については廃止措置作業の進捗に伴い、2号機の海水系統から1号機の補機類へも冷却用海水を供給できるように運用を変更することから、今回の海水漏えい箇所を含む1号機の海水系統については本年1月に使用を停止した。 - 今後、2、3号機については、海水管点検時に海水管から分岐した配管も含めて、配管内面だけでなく、外面からの目視点検を実施する。
- 運転プラントである3号機設備のみを対象としていた腐食管理マニュアルに、2号機について屋外の塩害の影響を受けやすい設備を追加し、腐食が確認された場合は、腐食の程度に応じて「補修が必要な腐食」、「継続監視する腐食」に分類した上で腐食管理を実施する。