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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 令和5年度(2023年度)
- 伊方1,2号機 タービン建家天井クレーンの照明用ケーブルの焦げ跡
- 通報連絡日時:2023年9月20日20時09分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
異常の内容
9月20日(水曜日)20時9分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 伊方発電所1,2号機は廃止措置中のところ、タービン建家天井クレーンの照明用ケーブルに焦げ跡があることを確認した。
- 現在、詳細を調査中である。
- なお、この事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。
異常の原因及び復旧状況
9月21日(木曜日)0時17分、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 本事象については、タービン建家天井クレーンの定期点検を実施している際に確認したものである。
- 当該ケーブルについては、コンセントから取り外すとともに、上流の分電盤の電源スイッチを「切」とした。
- その後、消防署の立ち入りの結果、9月20日23時30分に火災ではないと判断された。
- 今後、詳細を調査する。
県では、原子力センターの職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認しています。
推定原因等
伊方発電所1、2号機は廃止措置中のところ、タービン建家天井クレーン1号機の照明用ケーブルに焦げ跡があることを確認した。
その後、当該照明用ケーブルプラグをコンセントから引き抜くとともに、上流にある分電盤にて照明用の電源ブレーカのスイッチを「切」とした。
なお、本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。
調査の結果、他の照明には不具合は確認されておらず、外部影響のみが本事象の直接的な原因になったとは考えにくいことから、当該照明用ケーブルは、過去の照明器具の取替え施工時に傷等の何らかの不具合が発生していたことで、外部影響により当該照明用ケーブルの絶縁体が劣化し、さらに照明器具の使用時に流れる漏れ電流によるジュール熱の発生に伴い絶縁体の劣化が進行したことにより、白黒2種のケーブルの導体間で導通し短絡による過電流が発生し、シース及び導体の焼損に至ったものと推定した。
また、当該照明用ケーブルは、クレーン運転に伴う照明器具の使用中のみ電流が流れることから、短絡状態は断続的に繰り返され、導体の焼損により電流が流れなくなったことで損傷の拡大が損傷箇所の範囲で収まったものと推定した。
対策
- 当該クレーンと同様の吊り下げ照明器具を有し照明用ケーブルの接続状態が類似しているクレーンの点検に使用する作業要領書において、照明用ケーブルの外観確認を点検項目として明確に記載するとともに、点検要領として引き込み電線管の内部確認及び境界部の確認を行うことを記載する。
- 本事象の概要と推定原因を関係者へ周知するとともに、作業要領書の作成、確認の際に、ケーブル施工時にケーブルの損傷等を発生させない施工とすること、及び施工後はケーブルに傷等がないことを確認することを社内規定に記載する。
あわせて、ケーブルの敷設作業においてはケーブル設置場所の外部影響を踏まえケーブル本体や接続箇所に過度な荷重がかからない施工とすることを社内規定に記載する。 - 現在のプラントの運転状況により立入りが禁止されており、直接確認できなかったクレーンについては、次回定期検査時に現地確認を実施する。
なお、当該照明用ケーブルが接続されていた照明器具については撤去済みであり、当該クレーンの照明に使用している水銀灯は製造が終了していることから、当該クレーンの照明4台(撤去済みの照明1台を含む。)については、今後、ケーブルの構造・仕様について十分に留意した上で、LED照明等への取替えを計画する。