令和5年度(2023年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方3号機 エタノールアミン排水処理装置の電源槽供給ポンプの不具合

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通報連絡日時:2024年2月6日11時04分
県の公表区分C

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:外 国への報告:なし

異常の内容

2月6日(火曜日)11時4分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 伊方発電所3号機は通常運転中のところ、ETA(エタノールアミン)電解槽供給ポンプAのハンドターニングを実施した結果、異常が認められたことから、保修員が当該ポンプの分解点検が必要と判断した。
  2. なお、この事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。
  3. 今後、詳細を調査する。

異常の原因及び復旧状況

四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。

  • 第2報:2月6日(火曜日)17時48分
    1. その後、ETA電解槽供給ポンプAの分解点検を実施したところ、令和5年11月28日に発生した事象(公表済)で取り替えた部品と同じ部品が一部欠損していることを確認した。
    2. また、ETA排水処理装置の配管等を確認し、当該ポンプの欠損している部品を回収した。
    3. 今後、当該ポンプの部品の取替えを計画するとともに、詳細を調査する。
  • 第3報:5月13日(月曜日)10時45分
    1. 調査の結果、一部欠損した部品の材質がETA電解槽供給ポンプの運転に適していない可能性があることを確認したため、部品の材質を変更して試運転を実施し、運転状態に問題がないことを確認したことから、通常状態に復旧した。
    2. 引き続き詳細を調査する。

県では、原子力センターの職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認しています。

推定原因等

伊方発電所3号機は、通常運転中のところ、ETA排水処理装置の当該ポンプの機能に異常があることを保修員が確認した。

このため、当該ポンプの分解点検を実施したところ、当該ポンプのマウスリングが一部欠損していることを確認した。

また、ETA排水処理装置の配管内を確認し、当該ポンプのマウスリングの欠損部分を全て回収した。

その後の調査の結果、マウスリングの材質が電解槽供給ポンプの運転に適していない可能性があることを確認したため、電解槽供給ポンプ2台(A・B)について、マウスリングおよびマウスリングとの摺動部品であるライナーリングの材質を変更し取り替えるとともに、各ポンプの試運転を実施し、運転状態に問題がないことを確認したことから、通常状態に復旧した。

この事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。

その後の詳細な調査の結果、ETAを含む排水を電解処理する際に発生する気体が運転中の電解槽供給ポンプ内へ混入することにより、材質がSiC(シリコンカーバイト)であったマウスリングとライナーリングの摺動面の潤滑不良が発生していた。

その状態で運転を継続することにより、マウスリングとライナーリングの摺動面に荒れが生じて摩擦抵抗が上がり、インペラユニットの回転方向に荷重(力)がかかることでマウスリングの固定部のツメが破損するとともに、インペラユニットの揺動によるスラスト方向の衝撃でマウスリングが脱落し、破損に至ったものと推定した。

マウスリングとライナーリングの摺動面の潤滑不良は、過去の不具合への対策の一環でマウスリングとライナーリングの材質がSiCに変更されていたことにより発生したものと推定した。

対策

  1. 電解槽供給ポンプのマウスリング材質について、自己潤滑性に優れる(自身の摩擦係数が小さい)充てん剤入PTFE(フッ素系樹脂)へ変更するとともに、ライナーリング(マウスリングと摺動する部品)の材質についても、過去に充てん剤入PTFEのマウスリングとの組み合わせで使用実績がある高純度アルミナセラミックスへ変更した。
  2. 電解槽供給ポンプへの気体の混入を低減するため、排水貯槽A内部の吸込管端部にある下向きL字配管を取り外した。
  3. 当面は電解槽供給ポンプを2か月運転する毎に点検を行い、マウスリングの摩耗進展状況など、運転に伴うポンプ構成部品の劣化進展状況のデータ拡充を図り、段階的に点検期間を延ばしながら適切な点検周期を設定する。
  4. 類似機器のうち構造及び構成部品の材質が電解槽供給ポンプと同じ電解液ポンプ(2台)について、念のため、マウスリングの材質を自己潤滑性に優れる充てん剤入PTFEへ変更するとともに、ライナーリングの材質を高純度アルミナセラミックスへ変更する。
  5. 製造中止や不具合に対する是正処置として機器や部品の仕様を変更する場合は、変更箇所の使用環境や系統の運転状態等を十分に考慮した影響検討を行い、仕様変更による不具合の発生を防止する旨を、ノウハウや教訓をまとめた資料に整理し、関係者へ周知した。

県の公表

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