令和6年度(2024年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方3号機 原子炉補助建屋における消火設備の動作(セメント固化装置混練機の不具合)

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通報連絡日時:2024年6月27日11時04分
県の公表区分B

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:内 国への報告:なし

異常の内容

6月27日(木曜日)11時4分、四国電力株式会社から、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 伊方3号機原子炉補助建屋内のセメント固化装置エリアに設置する火災報知器が作動し、3号中央制御室に火災発生を示す信号が発信したことから、消防署へ連絡した。
  2. また、当該エリアにて、ハロン消火設備が動作していることを確認した。
  3. 今後、公設消防により現場を確認する予定。
  4. 本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。

その後の状況

四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。

  • 第2報:6月27日(木曜日)17時22分
  1. 当該エリアを確認したところ、作動した火災報知器と同じエリアに設置されているセメント固化装置混練機において、モータと撹拌機を連結しているベルト4本のうち、1本が切れていることを確認した。
  2. また、公設消防が当該エリアを確認し、15時55分、本事象は火災ではないことを確認した。
  3. なお、本事象に伴う負傷者はいない。
  4. 今後、詳細を調査する。
  • 第3報:8月29日(木曜日)13時22分
  1. セメント固化装置混練機について調査した結果、撹拌機の主軸がセメントで固着していることを確認した。そのため、当該混練機の点検を実施し、固着したセメントの除去及びベルト4本の取替えを行った。
  2. その後、セメント固化装置混練機が正常に動作することを確認し、通常状態に復旧した。
  3. なお、ハロン消火設備が動作した原因としては、撹拌機の主軸が固着した状態でモータを起動したことで、モータの回転力をベルトに伝える部品が空回りし、摩擦によってベルトから煙が発生して火災感知器が動作したものと推定した。放出したハロンボンベは予備品に取り替えた。
  4. 今後、詳細を調査する。

県では、原子力センターの職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認します。

推定原因等

​​セメント固化装置の弁や配管の定期清掃の直前においては、弁や配管に一定程度のセメントが付着しており、通常時と比較して洗浄運転によりセメントが排出されにくい状況であったと推測される。

この状態で通常の混練充てんよりセメント投入量が多い洗浄排水濃縮廃液の混練充てんを実施したことで、混合槽内のセメントが十分に排出されず、混合槽内に残留したセメントが下羽根とVリングに付着・固化し、その状態で混練充てんを実施したことで、Vリングが下羽根の回転により引っ張られ破損したと推定した。

また、Vリングの破損によって撹拌機の回転部に浸入したセメントが、定期清掃の間に固化したことで主軸が固着し、定期清掃後にこの状態で混練機を起動した際、攪拌機側プーリ及びVベルトが回転せず、モータ側プーリとVベルト間で空回りしたことで発生した過度な摩擦によりVベルトが摩耗・損耗し、発煙したことで、火災感知器の作動及びハロン消火設備が動作したと推定した。

対策

  1. 当該混練機について、固着したセメントの除去を行い、破損したVリング及び破断した1本を含む4本全てのVベルトについて、取替えを実施した。
  2. 通常の混練充てんよりセメント投入量が多い洗浄排水濃縮廃液を混練充てんする場合は、混合槽内にセメントが残留しないように、混練充てん後に自動で実施される洗浄運転に加え、手動にて洗浄運転を実施する手順を社内規定に明記する。
  3. 混練機の洗浄運転を実施する際には、混合槽に附属した重量計により、洗浄運転によって混合槽内のセメントが除去されていることを確認する。混合槽内のセメントが除去されていないと判断される場合は、追加で洗浄運転を実施する手順を社内規定に明記する。

県の公表

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