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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 令和6年度(2024年度)
- 伊方3号機 原子炉コントロールセンタ3Aのケーブル接続端子の焦げ跡
- 通報連絡日時:2024年8月5日11時24分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:無
異常の内容
8月5日(月曜日)11時24分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 伊方発電所3号機は定期検査中のところ、原子炉補助建屋1階にある原子炉コントロールセンタ3Aの解線されたケーブルの接続端子に焦げがあることを保修員が確認した。
- このため、消防署へ連絡した。
- なお、この事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。
- 今後、詳細を調査する。
その後の状況
四国電力株式会社から、その後の状況について、次のとおり連絡がありました。
- 第2報:8月5日(月曜日)14時18分
- その後、消防署が現場にて火災ではないことを確認した
- 調査の結果、原子炉コントロールセンタ3Aは停電中であり、点検のため解線していたケーブルの下流側にある海水ピット回転バースクリーン3Aを運転するために、仮設電源である海水淡水化装置コントロールセンタ3Aのスイッチを「入」としたが、その後、誤って海水ピット回転バースクリーン3A用スイッチを「入」としたことにより、解線していたケーブルに電流が流れ、接続端子が焦げたものと推定した
- 現在、各スイッチは「切」としている。
- 今後、詳細を調査する。
- 第3報:8月6日(火曜日)10時20分
- その後、焦げていた接続端子を取り替え、ケーブル等の健全性確認を行い、通常状態に復旧した。
- 今後、詳細を調査する。
県では、原子力センターの職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認しています。
推定原因等
以下の原因により、運転員Dが本来操作する必要のない電源スイッチ(以下「当該スイッチ」という。)を入とし、停電中の海水ピットコントロールセンタ3Aに電源が供給され、点検に伴い解線し束ねて養生していたケーブルの金属部分が接触している状態で、原子炉コントロールセンタ3Aに電流が流れたことにより、ケーブル接続端子に焦げが生じたものと推定した。
- 運転員Dは保修員から提出のあった隔離操作票の誤りに気が付かず、仮設ケーブルは電源スイッチの上流に接続されているという思い込みがあり、一方運転員Bは、仮設ケーブルは電源スイッチの下流に接続する方法しかないという先入観があった。また、運転員Bと運転員Dの間で行われた仮設ケーブル敷設についての情報共有は口頭でしか行われていなかったため、仮設ケーブルの接続箇所において認識の相違が生じた。
- 当直管理者は運転員Bから仮設ケーブル敷設に関する説明を、運転員Dからは海水ピット回転バースクリーン3A運転に関する説明を受けたが、運転員Dに対し作業内容に関する十分な説明を求めなかったこと、及び隔離操作票の記載内容が不足していたことから、海水ピット回転バースクリーン3Aの電源が仮設側からの供給になっていることに気付かなかった。
- 運転員Dは当該スイッチ操作時に、切状態を要求する隔離タグ及び操作禁止の表示が取り付けられており、操作する際に少し疑問に感じたものの、隔離タグは自分の作業管理下のもので、操作禁止表示は仮設ケーブルを敷設・撤去する際の作業員に対する注意喚起の表示であったこと、加えて仮設ケーブルは当該スイッチの上流に敷設していると思い込んでいたことから、隔離票の記載が適切でないことに気付かず当該スイッチの入操作に問題はないと考えた。
対策
- 今回の事象について、ヒューマンファクター教訓シートに整理し、所内へ周知した。
- 仮設ケーブル敷設時は、通常と異なる系統状態となることから、情報伝達不足や先入観による思い込みを防止するため、図面を使用して関係者間(当直管理者、運転員等)で認識を共有するとともに、電源スイッチへ仮設ケーブル接続状況を示す注意表示を取り付けることを社内規定に明記し、所内へ周知すると共に運転員及び当直管理者に対して教育を行う。
- 仮設電源より電源を供給している機器の運転や停止操作を実施する場合は、本設の電源と仮設電源両方の隔離要求状態を隔離操作票に記載するよう社内規定に明記し、所内へ周知すると共に、運転員及び当直管理者に対して教育を行った。
- 仮設電源より電源を供給する場合は、電源スイッチの誤投入防止のため、本設の電源スイッチを切状態でロックしたピンに新たに南京錠を取り付け、容易に取外しができないよう南京錠の取外しの鍵管理は当直管理者にて行うことを社内規定に明記し、所内へ周知すると共に、運転員及び当直管理者に対して教育を行った。
- 他の作業で隔離されている機器(電源スイッチ等)の状態を変更する際は、関係者と協議するとともに、当直管理者に相談・報告するよう運転員及び当直管理者に対し再教育を行う。
- 当直管理者に対して、作業を許可する際には現状のプラント状態でいつもと異なる点はないか、運転員に問いかけを行うよう周知した。また、当直管理者は、作業を許可する前には現状のプラント状況と異なる点に関して、関係する運転員への問いかけを実践し、適切かつ確実な操作を実施するよう運転員の安全に対する意識の醸成を図る。