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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 令和6年度(2024年度)
- 伊方3号機 1次冷却材ポンプ3C封水注入系統配管フランジ部からの水漏れ
- 通報連絡日時:2024年8月1日15時48分
- 県の公表区分B
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:無
異常の内容
8月1日(木曜日)15時48分、四国電力株式会社から、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 伊方発電所3号機は定期検査中のところ、本日15時15分、原子炉格納容器2階に水たまりがあることを運転員が確認した。
- なお、この事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。
- 今後、詳細を調査する。
その後の状況
8月1日(木曜日)21時47分、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
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- 現地を確認したところ、水たまりについては、1次冷却材ポンプ3C点検のために開放した封水注入系統配管フランジからの漏水であることを確認した。
- また、当該配管フランジより漏水が継続していたため、当該配管フランジに閉止蓋を取り付け、漏水は停止している。
- 水たまりは原子炉格納容器内の1次冷却材ポンプ3C付近に留まっており、外部への漏えいはなかった。
- 水たまりについては、全量ふき取りを行った。
- 漏水量は約14リットルで、分析の結果、放射能量は約2.7×105ベクレルと推定した。
- 今後、詳細を調査する。
県では、原子力センターの職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認しています。
推定原因等
以下の原因により、1次冷却材ポンプ3C封水注入系統配管フランジの開放が適切ではない時期に実施され、水漏れに至ったと推定した。
- 作業要領書の記載や作業許可の手続等に以下の問題があり、それぞれの確認作業において適切ではない時期に当該フランジの開放が予定されていたことに気付くことができなかった。
- 作業責任者が1次冷却材ポンプ分解点検の作業要領書の工程表に、当該フランジ開放を記載していなかった。
- 保修員が準備・片付け作業と当該フランジ開放を含む点検作業を一つの作業許可により実施し、隔離が必要な当該フランジ開放のタイミングで改めて作業許可申請を行わなかった。また、当直長への当該フランジ開放についての説明が十分でなかった。
- 作業責任者が1次冷却材ポンプ分解点検の作業指示書に、当該フランジ開放を「小配管切り離し」と記載し、封水注入系統配管と具体的に記載していなかった。
- 保修員、保修員の上長、作業責任者は、以下の思い込みがあり、適切ではない時期に当該フランジの開放が予定されていたが、気付くことができなかった。
- 作業責任者は自ら工程表を確認していなかったため、全ブロー期間だと思い込んでいた。
- 保修員は過去の点検実績から、今回の定検においても当該フランジ開放は全ブロー期間に実施すると思い込んでいた。
- 保修員の上長は作業指示書の「小配管」という記載が、原子炉補機冷却水系統のフランジ開放と思い込んでいた。
対策
- 作業要領書の記載や作業許可の手続等の問題に対する対策
- 作業責任者が作成する、1次冷却材ポンプ点検の作業要領書の工程表に1次冷却材ポンプの附属配管の対象(系統の名称)及び開放時期を明記する。また、複数の系統で構成される設備に関係する工事、点検においては、作業要領書に対象と作業時期を明記することを社内規定に反映した。
- 工事、点検作業に伴い、保修員が当直長から作業許可を受ける際は、作業内容や許可を受けたい内容、必要な隔離状態について、隔離操作票を用いて当直長を含む関係者へ確実に説明を行うよう、ヒューマンファクター教訓シートに整理し、発電所員に対して周知による注意喚起を行った。また、隔離の必要のない準備・片付け作業に伴う作業許可申請を行う際は、フランジ開放のような隔離が必要な作業に伴う作業許可申請とは別に申請することを社内規定に反映する。
- 作業責任者が作成する、1次冷却材ポンプ点検の作業指示書に記載する作業対象には系統の名称を具体的に記載する。また、複数の系統で構成される設備に関係する工事、点検においては、作業指示書に作業対象を具体的に記載するよう社内規定に反映した。
- 保修員、保修員の上長、作業責任者のそれぞれの思い込みに対する対策
- 作業指示書作成の際には作業責任者が自ら工程表を確認し、1次冷却材ポンプの附属配管が開放可能か確認するよう、関係協力会社に周知による注意喚起を行った。また、実際のプラント状態と作業時期について、問いかける姿勢を持ち確実な確認を行うよう、ヒューマンファクター教訓シートに整理し、発電所員に対して周知による注意喚起を行った。