平成19年度(2007年度) 伊方原子力発電所環境安全管理委員会の開催状況 伊方原子力発電所 環境安全管理委員会(2008年3月12日開催)

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伊方原子力発電所 環境安全管理委員会 開催概要

1 日時

平成20年3月12日(水曜日)10時00分~11時50分

2 場所

愛媛県庁第二別館6階大会議室

3 出席者

委員21名(別紙名簿のとおり)

4 議題

(1)平成20年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について
(2)平成20年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画について

5 報告事項

(1)伊方3号機のプルサーマル計画の進捗状況について
(2)伊方発電所の耐震安全性について
(3)伊方1、2号機の中央制御盤等取替工事について
(4)伊方2号機湿分分離加熱器の天板の割れについて

6 審議等の内容(全部公開)

(開会、傍聴者への遵守事項の説明)

吉野内会長

おはようございます。きょうは年度末、しかも早朝から会議にご出席いただきまして、ありがとうございます。また、日ごろからいろいろと本県の原子力安全行政につきまして、数々のお力添えを賜っておりますことを、厚くお礼申し上げたいと思います。

ご案内のとおり、伊方発電所につきましては、3号機へのプルサーマルの導入、さらには1号機では高経年化対策、あるいは耐震の問題等々いろいろ課題がございます。これらにつきましては、委員のみなさんにいろいろと慎重にご審議をいただきまして、県の取るべき対応、あるいは四国電力の取るべき対応につきまして、いろいろとご指導いただいておりますことを厚くお礼申し上げたいと思います。

なお、伊方、八幡浜地域の安全性をさらに確保するということから、県におきましても、この4月から地方局の再編ということがございますが、その中で八幡浜支局につきましては、原子力関係の強化をしますため、原子力安全室を設置したいと考えております。そして、さらに23年の4月には、伊方の原子力発電所安全監視センター、これを整備してさらに安全性の監視強化に努めて参りたいと思います。

皆さんには、引き続きいろいろとまたご指導をお願いしたいと思います。

本日の議題でございますが、今日は放射線の調査計画、そして温排水の調査計画、この2つが議題でございます。そのほか4点ほど報告事項もございます。いずれも大切な事項でございますので、慎重にご審議いただきますようお願い申し上げます。

以上で終わります。どうもありがとうございました。

事務局

それでは、吉野内会長に議事進行をお願いいたします。

吉野内会長

それでは、議事に入らせていただきます。

はじめに、本日の議題の平成20年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画及び温排水影響調査計画につきまして、事務局から一括して説明をお願いします。

門野原子力安全対策推進監

放射線の調査につきまして、ご説明を申し上げます。

お手元の資料の1をご覧いただきたいと思います。1と、その後ろには調査計画の案を添付してございます。平成20年度の伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画につきましては、昨年度と同様の計画を今回は立ててございます。具体的には調査の計画の案のところを簡単にご説明をしたいと思いますので、案の1ページをお開きください。1ページのところに放射線監視の調査の目的等が書いてございますが、今年も周辺住民等の線量について評価することなどの目的のもとに、調査をしたいと考えてございます。調査は、愛媛県と四国電力、この2者が行います。調査の期間は、20年の4月から21年の3月、1年間行うこととしてございます。2ページ、3ページでございますが、今までと同じ放射線量率や積算線量などを測定することといたしておりまして、この表の中で、松山市のところに、括弧として対照地点ということを、今回明示してございますが、これは、放射線のモニタリング指針の中で、原子力発電所の影響を直接受けないけれども、比較対照となる地点を測定することということが、過去も書いてありました。それを今回明示、きちんと明確にするために括弧書きで、松山市につきましては、(対照地点)ということで明確化したところでございます。そのほかにつきましては、変更はございません。次の4ページでございますけれども、これは四国電力が実施をする調査の地点と内容でございます。このところにつきましては、特に変更がございません。19年度と全く同じ地点、同じ測定方法等で行いたいと思っております。5ページ以降が具体的な測定の地点等が書いてございますが、6ページ、7ページですけれども、先ほど申し上げました対照地点、松山市の衛生環境研究所を外出しにしましたものですから、地点数が若干変動してございますが、これは外出しをしたことによる地点数の変更でございまして、合計数は変わってございません。以上が環境放射線の測定でございます。

次の8ページ、9ページのところは、環境試料でございまして、大気の浮遊じんでありますとか、河川の水でありますとか、土壌、それから、みかんなどの環境試料につきましても、19年度と同じように、同じ場所で継続的に測定調査をしていきたいと思います。なお、8ページのこの数値、下のほうにあります数値につきましても、先ほどと同様でございます。9ページ、10ページも特に変更はございません。具体的な地図11ページ以降をご覧いただきたいと思いますけれども、11ページは放射線の測定の、特に原子力発電所周辺地域の測定地点でございます。四国電力のモニタリングポストが4局。それから、ここでは県のモニタリングステーションが1局、それから、四電のモニタリングステーションが1局が記載してございます。これも昨年度と同様の地点で行います。同じく12ページ、13ページをお開きいただきたいと思いますが、12ページにつきましては、環境環境試料といたしまして、海産生物や海水、海底の土などを、昨年と同様採取をいたしまして、調査をするのと同時に、発電所周辺のみかんでありますとか、スギの葉なども採取をいたしまして、分析を行いたいと考えてございます。13ページは、空間放射線の発電所から少し出た伊方町の周辺地域での測定でございまして、県のモニタリングポスト、あるいは四電のモニタリングポストなどが記載されてございます。それから、14ページと15ページでございますけれども、14ページは伊方町の周辺地域の環境試料の採取の場所を示してございます。それから、右側の15ページにつきましては、空間放射線の特に広域の測定を行うこととしてございまして、伊方町だけではなくて、八幡浜市、あるいは大洲市、西予市などでも空間放射線の調査をするということでございます。それから最後、16ページには、空間放射線の走行測定をやってございまして、モニタリングカーを使いまして、自動的に測定を行っておるわけでございますが、16ページに書かせていただいた3つのルートを今年も調査を継続してやっていきたいと考えてございます。それから、17ページ以降で若干測定器の型番とかが変わってございますが、これは測定機器を更新したりしてございまして、それによる型番の変更でございまして、測定の範囲でありますとか、そういったものは今回変わってございません。それから、ちょっと飛びます。20ページと21ページでございますが、調査結果の評価の方法でございます。これは例年と同じでございまして、モニタリング指針に準じた方式で測定を行うということでございます。この結果につきましては、四半期ごとには技術専門部会でご検討をいただいた上、その都度公表いたしたいと思います。それから、年度を通しての評価につきましては、年報を作成いたしまして、この管理委員会にご報告をして、ご審議いただいた後に、公表をいたしたいと考えてございます。以上が、放射線関連の測定の調査の計画でございましたが、最後に22ページをお開きいただきたいと思います。

22ページは、大きなⅡ番といたしまして、放射性物質の放出管理の状況に基づく線量評価の計画でございます。原子力発電所からは、ごく微量の放射線、放射能が出ておりますけれども、この7マイクロシーベルトという基準は、安全協定に基づく、四国電力の努力目標値でございますけれども、一般公衆が受ける国の基準で言いますと、1,000マイクロシーベルトが国の基準でございますが、四国電力との協定ではそれよりも非常に低い7マイクロシーベルトということで努力目標を設定していただいておりまして、20年度もこの数値、努力目標値が合致しているかどうか調査をしたいと考えてございます。

それから、この調査の最後でございますが、平成18年に導入しましたモニタリングカー、これが走行中にGPSを使って位置も把握をしながら測定が可能になりましたものですから、今年度でございますが、愛媛県の全域を調査して、調査結果を取りまとめているところでございます。四国中央市でありますとか、今治でありますとか、松山もそうですが、南は宇和島まで今年は主要な国道をモニタリングカーで走行調査をいたしました。今年度は、伊方町の旧瀬戸町、それから、旧三崎町、そして八幡浜市を中心に、平常時の自然放射線の分布を測定をいたしたいと思います。

これが今回の環境放射線の調査の計画でございまして、一番最後のページをお開きいただきたいと思いますが、37ページでございます。これは、県が測定しておりますこのような放射線の測定の結果につきましては、主要な箇所で表示をしておるわけでございますが、三崎の総合支所にもこの表示装置、モニターを置かせていただいておりまして、それを記載してございます。

今回の20年度の計画につきましては、昨年19年度と同じ地点、同じ測定方法で行いたいと思っておりますので、ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

以上で、放射線等の調査計画についてのご説明を終わらせていただきます。

阪本水産課長

引き続きまして、温排水影響調査計画についてご説明させていただきます。座らせていただきますので、お許し願います。

資料は、右肩のナンバー2の1でございます。本調査は、発電所から排出されます温排水が周辺海域に与える影響の有無を判断することを目的に、愛媛県と四国電力がそれぞれ実施しているものでございます。表紙のところには両者の調査計画の概要を取りまとめておりますので、お目通し願えたらと思います。

お手数ですが、資料5枚めくっていただきますと、平成20年度調査計画案がございますので、その1ページ、下のほうにページを振っておりますけども、調査計画案の1ページをお開き願います。そこに愛媛県調査分の計画の概要をお示ししております。調査期間は、平成20年4月から1年間ということで、今年と同様に愛媛大学のほうに調査を委託する予定でございます。次のページ、2ページをお願いいたします。2ページの表1をご覧ください。1の水質調査、2の水温調査、4のプランクトン調査、5の付着動植物調査は年4回実施する計画になっております。3の流動調査、7の拡散調査につきましては、年2回の計画としております。6の漁業実態調査につきましては、八幡浜漁協の3支所において周年実施する計画といたしております。各調査とも19年度と同様の内容、回数となっております。それぞれの調査測点につきましては、3ページと4ページの図に示しております。

次に、四国電力の調査計画の概要を5ページにお示ししておりますので、お開き願います。調査期間は、平成20年4月からの1年間でございます。調査は今年度と同様に、四国電力が直接または専門会社に委託して実施する計画でございます。 次のページをお願いいたします。調査計画を6から9ページの表にお示ししております。調査内容としまして、1と2の水温調査、3の塩分の調査、4の流動調査、5の水質調査など、9ページにかけまして、前年度と同様に14の調査を行うこととしております。次に調査回数につきましては、9ページにお示ししております12の藻場分布調査、それと14の取り込み影響調査のうち動・植物プランクトン調査は年2回といたしておりまして、この、今申し上げました2つの調査以外につきましては、年4回実施することとなっております。10ページ以降につきましては、各調査の調査測点をお示ししておりますので、後ほどお目通し願います。

20年度調査におきましては、変更点がございますので、それにつきまして、ご説明させていただきます。恐れ入りますけども、資料の表紙のほうに戻っていただいて、1枚めくっていただきますと、横長の資料となりますけども、調査計画に関する比較表がございますので、ご覧ください。変更前と変更後として19年度と20年度の調査内容等をお示ししております。5の水質調査、次のページの6の底質調査、7のプランクトン調査、9の底生生物調査、10の潮間帯生物調査、11の海藻調査、13の魚類調査においては、調査内容に変更はございませんが、調査測点が減少しております。8の魚卵・稚仔魚調査と12の藻場分布調査につきましては、調査測点の減少に加えまして、調査方法の変更がございます。魚卵・稚仔魚調査では、遺伝子解析による調査を、藻場分布調査では超音波法によります調査を、新たに追加しております。詳細につきましては、後ほど四国電力から説明していただきます。

以上が平成20年度の温排水調査計画でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

吉野内会長

続きまして、先ほど話がありましたように、温排水調査の中で、20年度計画では魚卵調査及び藻場調査、これの高度化や調査地点の見直しを実施することにしております。四国電力のほうから見直しに当たっての検討結果のご説明をお願いいたします。

四国電力 石崎常務取締役原子力本部長

当社からの説明に先立ちまして、一言ごあいさつさせていただきます。

皆様方には、日ごろから伊方発電所の運営につきまして、ご理解、ご指導賜りまして、まことにありがとうございます。この場をお借りして厚くお礼申し上げます。伊方発電所の状況ですけども、現在1号機と3号機、これは安定して運転を続けております。2号機は、定期検査中ですが、今回発見しました湿分分離加熱器Bの天板の割れの件につきまして、皆様に大変ご心配をおかけしました。今回の事象を真摯に受けとめまして、当該箇所の詳細な調査と原因究明を徹底的に実施するとともに、再発防止に万全を期すべく対策を実施いたしました。また、現在、プルサーマル計画、また、新潟県中越地震を踏まえました地震時の対応、さらに中央制御盤取替工事につきましても着実に進めておりますので、これらの状況について後ほど報告させていただきます。今後とも信頼される伊方発電所を目指しまして、安全、安定運転の継続と情報公開の徹底に全力を挙げて取り組んでまいりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

それでは、資料に基づきまして、伊方発電所安全技術グループリーダーの岡崎から説明させていただきます。

四国電力 岡崎安全技術グループリーダー

資料2-2に基づきまして、温排水影響調査のさらなる高度化について着席して説明させていただきます。

発電所前面海域におきます温排水影響調査につきましては、これまで、この環境安全管理委員会におきまして、最新技術の積極的な導入等、高度化の取り組みにつきまして、ご報告させていただいておりますが、平成19年度の超音波法を用いた海面上からの海藻調査及び遺伝子解析を用いました魚卵調査の試運用を行いました結果、非常に良好な実績が確認されましたことから、平成20年度よりこれらを本格的に導入し、調査内容を見直す計画といたしてございます。まず1番目の、超音波法を用いた海面上からの海藻調査でございますが、本調査は、船から発信した超音波を、海底からの反射強度をもとに必要に応じまして、CCDカメラを併用いたしまして、藻場分布状況を把握するものでございます。3ページ目をお開きいただきます。図1に示しています上の写真を見ていただきますと、調査船にデータの解析、表示部、パソコンでございますが、それを載せまして、右脇の船縁に、下にありますような超音波送受信部を載せています。そこから出ました音波を海底に当てまして、跳ね返ったものを一次反射、それで海底の荒さ、さらには海底で反射しましたものが海面に当たりまして、さらに海底に当たりまして返ってくると。この二次反射、これが海底の硬さをあらわすと、こういう測定原理を用いまして測る装置でございます。1ページ本文に戻っていただきまして、春、夏に調査を行いました代替藻場、有寿来マウンドと町見マウンドでございますが、その周辺におきましては、クロメの三次元の分布パターンがリアルに確認できてございます。これまでの潜水調査に比べまして、海上から容易、かつ安全に藻場分布に関する詳細情報を把握することができてございます。また、広域調査結果におきましては、調査範囲全域の岸に沿いまして、クロメの帯状の分布が確認できますとともに、代替藻場周辺につきましては、クロメの塊状の分布が確認できてございます。これらの分布範囲は、目視調査による藻場分布調査結果に比較するとほぼ合致してございます。4ページを開けていただきます。図2に示してございますが、上側にございます代替藻場、有寿来マウンド、町見マウンドにつきましては、図の緑色がクロメの生育状況でございますが、いずれも三次元分布パターンがリアルに確認できてございます。下の広域調査結果でございますが、岸に沿いまして、帯状のクロメが確認されてございます。また、町見マウンドにつきましても塊状の分布が確認されてございます。なお、この範囲におきまして、従前の目視による監視におきます範囲に比べまして、緑色が若干少なく見えますけれども、これは、目視におきましては、外挿した部分がございますとともに、超音波法によりますと、余り岸まで寄れないので若干少なくなっているということでございます。

1ページ目本文に戻っていただきまして、2、遺伝子解析を用いた魚卵調査でございますが、今年度実施しました魚卵調査におきましては、従来の顕微鏡によります外観観察では、これまで同様に種不明卵が多数出現してございます。これを遺伝子解析を実施することによりまして、種不明卵として扱われておりました魚卵の一部につきまして、魚種を特定できてございます。それによりまして、データの充実化を図ることができてございます。具体的に申しますと、春、種不明卵10個体を解析しまして、1個体がシロギス、夏では、種不明卵16個体を解析しまして、3個体がイサキ、3個体がササノハベラ、1個体がマトウダイと評価されてございます。また、秋につきましては、種不明卵のうち、出現個体数の多いタイプから10個体を抜き出しまして、種不明卵約2万個のうちの6割を占めてございましたが、その10個体のうち半分がササノハベラと評価されてございます。5ページ目を開けていただきますと、図3におきまして、19年度の前面海域におきます種不明卵の出現状況でございます。これは従来の顕微鏡による外観観察によりますものでございますが、ブルーで示しますように、いずれの時期におきましても、80%以上の種不明卵がございます。図4の種不明卵の遺伝子パターンの一例でございますが、これを平成19年度夏の状況でございますが、写真にありますように、これは魚卵から取り出しましたDNAを増幅処理いたしまして、DNAの断片の魚の違いを、わかっております魚種パターンと比較して、どういう魚かを決定するものでございますが、それでいきますと、1、2、3、この配列によりますと、イサキだということがわかります。また、4のパターンですと、マトウダイだと、5のようになりますと不明だということでございます。こういうことで夏におきましては、不明卵16個体のうち、7個体を魚種の特定ができてございます。図5でございますが、19年度の秋の調査で種不明卵や2万個のうち、タイプ別に分けまして、タイプ別にわけますのは卵の大きさによりまして分けるのでございますが、その粒径の一番多いタイプ、約6割を占めていますものから抜き取りました個体のうち、半数がササノハベラということが評価できてございます。

本文のほう、1ページ目に戻っていただきまして、3番の高度化に伴う従来の調査内容の見直しでございます。先ほどから述べました超音波法を用いました海面上からの海藻調査並びに遺伝子解析を用いました魚卵調査によりまして、海藻や魚といった生物項目の高度化が可能となってございます。それにあわせまして、ドップラー流向流速計、水質連続自動測定装置といいます物理、化学項目の高度化とあわせまして、従来より詳細かつ大量のデータを得ることができるようになってございます。それによりまして、前面海域の環境をこれまで以上に詳細に把握でるようになってございます。そういうことから、従来の温排水影響調査の測点・測線を調査範囲内の代表的な測点・測線に変更する計画でございます。これにつきましては、6ページ目、7ページ目に変更案をお示ししてございます。6ページ目の上の図でご紹介いたしますと、水質調査でいきますと、従来18点ございましたのが、8点と変更を考えてございます。これは、赤で示してございます代表6地点、これは温排水の調査範囲でございます発電所を中心に東西2キロ、沖合2キロ、それと発電所前面海域というところの6カ所プラス12番、一番西のほうの端、左の端になりますが、これにつきましては、鳥津の漁協がございますので、そこ。それから、発電所沖合の真ん中の23を入れました8ポイントというような考えのもとに、変更は考えてございます。同じように、6、7、8と、6ページ、7ページに示してございます。1ページ目本文に戻っていただきまして、6、7ページのように測線、測点を変更しました折りに、どうなるかということを、過去7年間の調査データをもとに検証してみますと、1番の水質調査、魚卵、稚仔魚から始まりまして、各調査におきまして、代表的な測点、測線に変更いたしましても、季節的変化等をこれまで同様に把握できること、また、それぞれの優占種や貴重種につきましては、四季を通じて把握できることを確認してございます。これにつきましては、8ページから12ページに図示してございますので、後でご覧いただけたらと思います。

2ページ目でございますけれども、今後の予定でございますが、平成20年度計画といたしまして、超音波を用いた海面上からの海藻調査及び遺伝子解析を用いた魚卵調査を導入するとともに、従来の温排水影響調査測点・測線を代表的な測点・測線に変更する。2番、その他といたしまして、今後とも熱赤外撮影装置による温排水拡散状況調査の適用可能性を含め、最新技術の導入による調査の高度化について、更に検討を進めていくこととしてございます。

以上でございます。

吉野内会長

ありがとうございました。ただいま、説明が2つの調査につきましてございました。どなたかご質問、ご意見等ございましたら、お願いします。

それでは、この両調査計画につきましては、技術専門部会のほうでご検討をいただいております。濱本部会長さんから、部会の意見を報告お願いいたします。

濱本技術専門部会長

それでは、部会の意見を申し述べます。

1番目に、平成20年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画については、前年度の調査を基本的に継続するもので、適切なものと認められる。

また、第2番目、温排水についてですが、平成20年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画については、県の調査分は前年度を継続するものであり、四国電力調査分は、高度化及びそれに伴う調査範囲の見直し等を図ったものとなっており、19年度の試験運用結果からも適切なものと認められる。

以上でございます。

吉野内会長

ありがとうございました。ただいま部会長さんのほうからもご報告がございましたが、この調査計画等につきまして、何かございませんか。

内容的にも昨年の継続がほとんどで、あと四国電力新たな分につきましても、今、部会長さんからありましたように、19年度のを踏まえての話ということでございます。

それでは、議題(1)の平成20年度伊方発電所の環境放射線等の調査と、議題(2)の温排水影響調査、これにつきましては、この委員会としまして、適切であるということで意見を取りまとめ、知事に報告させていただいてよろしゅうございましょうか。

(異議なし)

吉野内会長

はい、ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。以上で、議題につきましては終了いたします。

続いて、伊方発電所の安全対策等につきまして、4件の報告事項があります。

まず、伊方発電所3号機のプルサーマル計画につきましては、四国電力ではMOX燃料製造に関します輸入燃料体検査申請書を、昨年9月10日、国に提出しております。四国電力からその概要と、その後の進捗状況の説明をお願いします。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

資料3、伊方3号機プルサーマルの進捗状況について、ご説明させていただきます。

当社は、2010年までに伊方発電所3号機においてプルサーマルを導入するということで、現在、フランスのメロックス工場において、MOX燃料製造等の準備を進めております。今までに、平成18年3月28日に原子炉設置変更許可を取得いたしまして、同年11月28日、三菱重工とMOX燃料の加工契約を締結いたしました。その後、製造に万全を期すという観点から、三菱重工、メロックス等の品質保証システム監査を実施いたしまして、同年9月10日には電気事業法に基づきまして、製造するMOX燃料の設計、試験の計画、品質保証活動計画の説明書を添付いたしました輸入燃料体検査申請を行いました。同申請の内容については、昨年11月1日の環境安全管理委員会の技術専門部会にご報告させていただいており、その内容が別添につけてございます。この別添に基づいて概要をご説明させていただきます。別添は、目次にありますように、燃料の概要、健全性、製造の工程、試験検査計画、品質保証活動計画等になっております。

まず、MOX燃料の概要ですが、4ページをご覧ください。左側にMOX燃料の概要図を書いています。右側が従来使っておりますウラン型の燃料の組立図。見ていただいたらおわかりになるように、ほとんど同じようなものになっております。左側の図で言いますと、左の右側の棒のようなものが燃料棒でございます。この燃料棒が264本束ねたものが左側の燃料集合体ということになります。その燃料棒の中にペレットというようなかたちのもので、燃料本体が入っております。このペレットの中身がプルトニウムを含みますMOXとウランで違う、ここだけが違う。基本的には同じようなものでございます。これの安全性につきましては、7ページにその結果を表で書いてございますが、1番上は、燃料の中心温度、これは燃料の中心の温度が高くなり過ぎますと、ペレットが熱で壊れるというようなこと等が起こりますので、右側に設計基準に対しまして、左側に評価値というような形で書いてございます。これらの結果につきましては、国の審査を受けて問題ないという確認を受けておりますが、その結果を表にしております。下側のところで、設計比というような表示をしておりますが、これ設計の値が1でございます。これより下回る数字であれば余裕があるというふうに考えていただいたらよろしいかと思います。考えられるいろんな観点からのものの評価を実施しております。8ページには、下側の表の3-6に地震時の強度についても確認しております。

次に10ページをご覧ください。燃料の製造の工程でございます。右側に国内メーカーで実施するもの、左側に海外、フランスのメロックス工場で実施するものを書いてございますが、基本的には国内でいろんな部材をつくります。その部材をチェックして左側の海外メーカーでつくる、それぞれの工程でその部材を組み込んでいくというようなつくり方でございます。大きな流れで上から下へ来ておりますが、二酸化ウランの粉末と二酸化プルトニウムの粉末をまず一度混ぜます。混ぜて混合した後、もう一度二酸化ウランの粉末を混ぜて、二次混合という2回の段階で必要な混合を実施します。その後ペレットという円筒形のものに成型いたしまして、焼き固めます。これによってMOXのペレットができます。これを燃料棒の中に入れて、燃料棒の上を溶接して熱伝導をよくするためにヘリウムを加圧しておりますが、加圧した状態で上をふたをして、MOX燃料棒をつくります。このMOX燃料棒を全体として束ねてMOXの燃料集合体という形にいたします。このつくる過程におきまして、次の12、13ページに表記しておりますが、当社といたしましては、種々の記録確認、それから、現地での抜き取り検査を実施いたします。その内容をこの表に書いてございます。右側にはウラン燃料で実施してきましたものを書いてございますが、MOX燃料については、それ以上に厳密に実施いたします。

次の14ページに、このMOX燃料製造に係る品質保証活動の計画を14、15ページに書いてございます。品質保証活動としては(1)の(1)監査の実施を書いてございますが、まず、システム監査、つくる工場のシステムが十分かというような監査をいたします。それから、bで工程を監査いたします。それから、(2)では、当社がフランスの工場に駐在いたします。社員が駐在いたしまして、その製造状況の確認を実施いたします。製造の工程ごとに検査を実施いたします。それから、工場の巡視点検も実施いたします。それから、15ページの上の2段目の段の、なおのところに書いてありますが、当社の品質保証活動が適切に実施されているということにつきましては、別途第三者監査機関にお願いいたしまして、それを確認します。フランスのビューロベリタス社というところにお願いをしております。過去には異常事態を含んで不適合がありましたが、うちは確実にそれを把握できるような体制も取っており、規制当局等へご連絡するということにしております。

元へ戻ります。表紙に戻りまして、下から2つ目でございますが、先ほどのような形で指示したMOX燃料をつくるという計画でございますが、九州電力が先行して同じメロックスの工場でMOX燃料を製造しておりますが、その過程で、九州電力が検査していない製造管理用部品というのがございまして、それを本体の製品に組み込んだということが起こりました。九州電力ではそのために、これをすべてつくり直すというような発表を2月1日にしております。当社といたしましては、この事態を受けて、当社は製品に使用する部品と同一仕様である当社未検査の製造管理用部品、これは使用を禁止しますということで、確実にメロックスの工場、三菱重工に通知をいたしまして、そういう事態が起こらないように万全を期してまいりたいと思っております。

今後とも、MOX燃料の製造や輸送の各段階において、品質保証活動を着実に進め、引き続き地域の皆様との対話や各種広報媒体を活用をした理解活動も継続してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

私からの説明は、以上でございます。

吉野内会長

はい、ありがとうございました。この検査申請書につきましては、先ほども四国電力からお話がありましたように、昨年11月に技術専門部会において、国、四国電力から説明を受けまして、確認をいただいております。これにつきましても濱本部会長さんから部会意見の報告をお願いいたします。

濱本技術専門部会長

それでは、ご報告を申し上げます。

伊方3号機のMOX燃料に係る輸入燃料体検査申請については、MOX燃料の設計及び加工時における品質保証計画は妥当であり、健全性は確保されているものと認められる。製造に当たっては、四国電力は確実に検査や監査を実施するとともに、国には厳格な検査をお願いする。

以上でございます。

吉野内会長

ありがとうございました。ただいまのプルサーマル計画に関しまして、何かご質問等はございませんか。はい、どうぞ。

有吉委員

今ご説明いただきました九州電力のMOX燃料製造中に未検査部品が使用されたと、混入したという件について、3点ほどお聞きしたいんですが。

四国電力のMOX燃料製造について九州電力と契約内容は同じなのかどうかということ。

それから、同じように未検査部品が混入した場合に、それを発見できるような管理体制が取られているのかということ。

それから、もう1点はですね、こういった九州電力のような事象が起こらないような万全の防止対策は取られているのかどうか。以上、3点でございますが。

吉野内会長

はい、ありがとうございました。四国電力お願いします。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

契約は基本的なところは同じでございますが、今回の事態が起こりました九州電力の技術仕様書、工場に対する明確な指示の中に、製造管理用部品、九州電力が確認していない部品をですね、製品に使用してはいけない意向が明確に書いてなかったということがわかりました。ヨーロッパでは、そういうものは特別同じものであれば通常に使っていいというふうに扱われているようです。したがいまして、こういうところが問題であろうということで、私どもは、これは使ってはいけないということを明確に指示いたしました。その点では結果としては違う状況で物をつくるようになります。したがいまして、この事態は発生するというようなことはないと考えておりますが、今回の事態の九州電力が作っている過程の中で発見したのでございます。私どもとしましても、まあ工場の中で確実に物ができていくかというようなものは、駐在を通じてですね、確認していきたいというふうに考えております。したがって、当社の要求できる品質が確保できるというふうに考えております。

吉野内会長

有吉委員、よろしゅうございますか。

有吉委員

よろしいです。ありがとうございました。

吉野内会長

そのほかございませんか。

それでは、このプルサーマル計画につきましては、技術専門部会におかれまして、各段階での確認を引き続きよろしくお願いしたらと思います。

続きまして、耐震安全性の確認についての現状を四国電力から報告願います。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

それでは、資料4に基づきまして、新潟県中越沖地震を踏まえた対応状況について、ご説明させていただきます。

国の検討状況と当社の対応状況からご説明させていただきたいと思います。表紙の1ページの1の(1)に、国のほうで進めております自衛消防や情報連絡・提供にかかる対応状況についてまとめます。保安院、東京大学の大橋教授が主査をしておりますワーキングにおいて、この検討がなされております。ここの中で、2月20日、どういうことを考えるべきかというような報告がなされました。当社では、その報告を踏まえまして、丸の2つ目の点で書いてあるところでございますが、自衛消防の強化策として、初期消火体制の充実、消火関連設備の信頼性の向上、実践的な訓練などを実施すること。それから、情報連絡・提供の強化策として、情報提供手段の整備、情報収集装置の信頼性向上、情報提供体制の強化などを図ることとしております。具体的には以下の対策を実施済みでございまして、引き続き継続中でございます。具体的なものの、主なものといたしましては、夜間、休日の常駐の自衛消防隊の要員を従来の6名から10名に増強しております。それから、化学消防ポンプ自動車1台を導入いたしました。それから、専用回線電話、これは消防に対する専用回線電話ですが、これの地震対策、すなわち固定を実施しております。それから、中央制御室から消防への専用回線電話は設置済みでございます。それから、消防の訓練の見直しをいたしました。引き続いて定期的なことも含めて消防に当たる者の訓練を続けていきたいと考えております。それから、放射能が一部、管理区域外に漏れた時の分析が、新潟県中越沖地震時に要員が足らなくて非常に混乱し問題があったということを踏まえまして、放射能分析要員は、夜間、休日も含め、常時3名を確保するということを実施しております。それから、緊急時対策所、これは事故時の情報等をここで収集して所外等へ発信するものでございますが、これが新潟県中越沖地震時には、地震で扉が開かなくなって使えなかったということが起こりました。これを踏まえまして、地震に強い丁番を採用して、既に取り替えております。それから、同じく対策所内の機器につきましては、地震対策、これ固定ですが、これを実施いたしました。詳細は、次の別紙-1のA3の2枚ものに書いてございますが、内容は今のような内容ですので省略いたします。

2ページをご説明させていただきます。もう1つ、地震時の運営管理に関する対応に関してで、これは保安院で、関村先生を主査とするワーキングで検討を続けております。この評価結果を取りまとめて、電力に対して対策を講じることを国の方では求めてまいりました。その取り組みにおいては、当社として順次実施しております。国の保安検査の中で確認されるということになっております。それから、国との指示とは別の観点ですが、民間側で日本原子力技術協会という協会がございますが、ここの協会の協力を得ながら、東京電力からの情報を収集して、また、電力会社間でいろいろ情報を共有し合う。それから、いい方法を情報提供し合うと、そういうような形で民間側としても順次地震に強い発電所に向けて、実施していきたいと考えております。

2のその他に関連いたしまして、耐震安全性評価でございます。昨年の12月27日、保安院から、新潟県中越沖地震に関して、現時点までの知見を耐震安全性評価の中間報告に反映するように通知文書を出されております。主な知見は、そこにある(1)(2)と書いてございますが、地震動の評価に当たって、活断層の地下深部への広がりを考慮するとともに、地盤の増幅特性を適切に評価すること。これは、地表面では短い活断層でも、地下ではかなり大きな活断層がある場合がある。それから、表面では活断層が幾つか小さなものがばらばらに見えるんだけれども、地下ではそれが1つとしてつながっている場合がある。それから、地盤が軟らかい地盤の上なんかでは増幅する可能性があると。こういうようなところをよく適切に考慮しなさいと。それから、摺曲構造が見られるようなところ、柏崎原子力発電所はこの摺曲構造の大きな摺曲構造が見られておりますが、こういうところでは活断層との関連に十分留意しながら、その下の活断層を評価しなさい。こういうような話が来ております。この耐震安全性評価については、現在、評価に必要な設計データの整備や基準地震動の検討などを進めております。先ほどの保安院からの通知内容などを取り込んだ検討を進めておりまして、3月下旬を目途に3号機を代表して伊方発電所として考慮すべき地震動を、それから、3号機の主要な設備の耐震安全性の評価結果等を報告する予定にしております。

2番が、伊方発電所で敷地内の埋立地を中心としてボーリング調査を実施している、その状況でございます。柏崎の原子力発電所で、埋立地で不等沈下というか、大きな沈下が起こって、それが設備の損傷につながったというようなところから、当社におきましても、埋立地の状況をボーリングすることによって把握しようと考えております。昨年12月に14カ所の現地ボーリング作業を実施しまして、現在採取した試料の材料試験を実施して物性値を確認しているところでございます。引き続き、地盤や構造物の安定性について検討していく予定でございます。ただ、原子炉や放射線に関連する主要設備は、これは埋立地には置かず、直接岩盤に実施しております。したがいまして、この埋立地の評価の対象といたしましては、事務所や防災時の所外へ情報提供する、そういう活動の拠点、それから、当社は電力供給というインフラを支える企業でございますので、電力供給の安定確保というような観点から、必要な設備、構造物、建屋、こういうものを対象として検討することになる予定でございます。

3でございます。宇和海において、1月までに調査を実施しました。音波探査を実施して、現在、宇和海の海域での現地調査で得られたデータを確認しているところでございます。引き続き地質総合解析のためのデータを整備していく予定としております。宇和海、佐田岬半島の南側でございますけども、北側には中央構造線関連断層群がありまして、これが伊方発電所の耐震について非常に大きな影響を与えるということで考えておりますが、宇和海のほうについては、伊方3号機の建設時に調査していた以降、主要な大規模な調査をしておりませんでした。今回そのデータを補充するという意味合いで実施したものでございます。

以上でございます。

吉野内会長

ありがとうございました。ただいまの説明に対してご質問等ございましょうか。はい、どうぞ。

高橋委員

夜間、休日の常駐の自衛消防隊要員6名から10名になっていますが、1日24時間ですから、実質的には10名が24時間常駐することはできませんが、実際何名か。それと、消防隊員は職員なのか、また別に雇っているのか。3番目、化学消防車を運転するのは特別な資格が要るのか。もし要るとしたら何人ぐらい運転できるのか、お尋ねします。

吉野内会長

四国電力お願いします。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

先ほどの消防に係る10名でございますが、10名の中でリーダーは社員でございます。別紙-1のA3の横長の資料の1枚目、3ページの一番上側のところ、これまでの取り組みと後の取り組み方針という、左から2つ目の欄の一番上に(1)って書いてございますが、この(1)の中にその構成を書いてございます。自衛消防隊の班長は1名、社員でございます。それから、公設消防への情報提供に当たる者も社員でございます。それから、消防の自動車に乗って、直接所管する者は、8名考えておりますが、それは社員と委託の組み合わせということです。そういうことで考えております。これが24時間ですので、これは交代勤務をする中から、この者がいつもおるような形で考えておりますので、実際の頭数としてはもっと多いと。常にこれだけの者が確保できるような体制を組んでおります。

消防自動車の運転とか、それから、消防の取り扱い、これについては十分訓練をしてですね、必要なことができるというようなことで、訓練計画を立てて実施しておりますが、さらにですね、(2)、今の説明したやつの下側に書いてございますが、消火体制の中核的なリーダーになる者は、さらにもっと高度な訓練を考えておりまして、これは平成20年度からになりますけれども、そういう訓練をして十分習熟したものにさせていきたいというふうに考えております。

高橋委員

わからないんだけれど、10名のうち24時間いるのは、それは10名が24時間務められるわけないんだから、実際は。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

交代勤務の中からと言っていますが、これは守衛から行きます。守衛そのものは、10名以上守衛がおると思いますが、そのうちの2名がですね、この消火にいざという時に当たるという形で考えております。したがいまして、個人を専任で置くわけじゃなくて、すべて仕事をしておる中から抜いていい数を考えて、その者をこういういざという時に当てると、そういう考えでございます。

吉野内会長

ちょっと、夜間、実際何人。

高橋委員

そうなんですよ。だから3班にしたら30名要るからね、だからその中がわかりにくいですね。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

ちょっとすみません。専任じゃないんでですね、ちょっとわかりにくいんですが。

吉野内会長

常駐と書いておるからね。実際何人夜間に対応できる人間が常駐しとるんかということなんです。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

だから、そういう意味では10名です。

吉野内会長

10名。24時間ずうっと同じ人がおるわけですか。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

そうじゃありません。交代で代わりますけども、その10名のうちの2名が社員なんです。これ守衛さんから来ますが、この方は代わります。それと、6名が委託員ですから、これも代わります。そういう形で常に10名は発電所の中にいると、そういうことでございまして。

吉野内会長

総員はその3倍ぐらいおるわけ。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

そういうことになりますね。もっとおると思います。

高橋委員

30人から40人。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

はい。それを訓練してやっていくという計画でございます。

高橋委員

何となくわかりました。私、消防の組合長だから、ちょっとその点が気になりました。

吉野内会長

ありがとうございました。そのほか、今の点についてご質問ございませんか。よろしいですか。

それでは、次の議題でございます。四国電力では平成21年3月から1、2号機の中央制御盤のアナログ式から最新のデジタル式への取替工事を実施すると聞いております。その概要についてご説明を願います。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

資料5、伊方1、2号機の中央制御盤等取替工事について、お話しさせていただきたいと思います。

右の上にページを打っております。1ページをご覧ください。

工事の目的です。従来使っておりますアナログ式計器が製造中止等になりまして、部品調達が困難という事態が出てまいりました。そうすると、設備の信頼性に問題が起こる場合もあるということで、制御盤等の一括取り替えの必要性が出てくるというふうに考えます。一方、一般産業や原子力プラントでは、デジタル装置が非常に発展普及しておりますので、そのデジタル化を今回計画して実施しようということでございます。それによって、ねらいといたしましては、下に3つございますが、一般的にはデジタル式に変えることによって、合理的なプラント情報表示ができますので、プラント状態把握や操作性が向上すると考えております。デジタル式安全保護・制御装置ということは、故障時の保守性が非常に向上するということになります。それから、後で説明しますが、光ケーブルによりまして、多重データ伝送ができますので、プラント状態データの伝送増大化に対応するような設備になります。

次のページ、2ページをご覧ください。左側が現状のものでございます。真ん中に取り替え後の状況があります。右側に特徴とか改善の項目を表記しております。現状のところで全体の概要をご説明いたしますと、各所から来た信号を整理をして制御装置室というところにあります安全保護・制御装置に入ります、ここでいろいろデータを加工いたしまして、それを1つ1つのケーブルにつけて、ケーブル処理室という中二階の部屋を通して中央制御室のそれぞれの盤の指示計とか警報装置、それから操作スイッチにつなげるというような基本的なつくり方でございます。取り替え後はどういうことになりますかといいますと、それぞれの基本の構成は同じでございますが、安全保護・制御装置がデジタルに替わります。したがいまして、そこから送られるデータが光ファイバーを中心にして大量のデータを中央制御室に送れるようになります。今後いろいろ改良工事等で大きなデータを取り扱う時には非常に余裕が出てまいります。右側に特徴・改善項目を書いておりますが、下からご説明しますと、デジタル式安全保護・制御装置では、保守性や信頼性の確保をして、自己診断機能の充実、これはコンピュータですので、自分自身で常に自分自身のデータがおかしくなってないかを常に見ているわけです。そういうことができる機能をコンピュータは基本的に持っております。そういうことでデータがおかしいというのが直ぐわかるということでございます。

それから、伝送は先ほどいいましたような話です。それから表示や操作を中心とした中央制御盤本体でございますが、運転員の情報の共有化やプラント全体設備の状態把握の容易化を可能としております。それから、監視や操作の集約化を図っております。

次のページの3ページ、中央制御室の配置の状況です。従来1、2号は左側にありますように、鏡対象、ちょうど真ん中で鏡に写したような形で1、2号を配置しておりましたが、取り替え後はコンパクトになりまして、右左それぞれこういう形で配置が行われています。

4ページをご覧ください。これは1号、2号同じでございますが、1つのものを写真に撮っております。奥側の高いところに大型表示盤というような形で表示されます。固定画面が左から3つ続きまして、プラント全体の状態をわかりやすく簡潔に表示します。運転員間の情報を共有してコミュニケーションを支援します。一番右側は可変の画面で、その時々に運転員が一番必要とするようなものに変えれるようになっております。手前側にあるCRTを中心にしたものが運転コンソールでございます。監視操作に関する情報を集約して操作ができますので、運転員の負担が軽減されるというふうに考えております。操作や監視の具体例を下側の右に2つ書いておりますが、監視操作盤のこういうようなもので、左側のところに時間的にどういうふうにある情報が変わってきたか、今上がっているかとか落ち着いているかとか、そういうことが非常にわかりやすくなる。左下にあるのが操作スイッチにかわるものでございます。それから、警報もコンピュータを使っておりますので、非常に識別が簡単にできますので、警報の重要度に応じて赤、黄、緑に識別して警報表示を行います。したがいまして、運転員は赤が非常に重要ですので、自分で余り判断せずにでも重要な警報が出たということが非常にわかりやすく表示されるようになっております。左側の下側にハードウェア機器って書いてございますが、ここにコンピュータは使いますが、原子炉の緊急停止とか、そういう安全系の最後の手段につきましては、従来型のスイッチも残して、非常に緊急時には従来型のスイッチによって操作ができるというようなところも残して安全には万全を期すというような形で考えております。5ページに国内外の新型中央制御盤の導入実績を書いてございます。国内ではBWRは既にこういうデジタル化が進んでおります。PWRは北海道の泊3号で進んでおります。それから、海外ではスウェーデンのプラントで、そこにありますように、もう既にこれができております。

6ページでございます。製作や工事、それから、今後の訓練の予定でございますが、平成18年以降、設計、製作、工場でつくって試験をずっと実施してまいりました。現在その取り替える間ですね、中央制御室、運転員がどうしても監視しないといけないようなものもございますので、それができるような仮設というふうにここで書いてございますが、必要な情報や操作ができるようにするためのものを先行して取りつける工事をしております。これは取りつけて機能確認したら、次の取り替え工事までは、元どおり従前の操作器で操作します。これは先行で準備しておくだけというようなことでございます。それで、20年度末から実施します定期検査において、取り替えを実施いたします。それに関連して、運転員の操作等が随分変わりますので、習熟の問題もございますので、現在保安研修所にシミュレーターの取りつけを進めて、もう物は入っております。入って動作試験を順次しているような状態でございます。来年度に入りましたら、運転員の訓練を実施し、習熟訓練から故障時の対応訓練、それから、我々は各種の運転の要領を持っておりますが、この要領が新しいこの操作のやり方と矛盾しないかと、それから、注意事項がプラスアルファとして必要なものがないかというような観点から、運転要領を確認するということも同時に実施する計画でございます。

以上でございます。

吉野内会長

今の説明、何かご質問ございましょうか。はい、どうぞ。

岡崎委員

中央制御盤の取り替えで全部替わるというんですけど、単純なミスとか、取り替える時の工事の時に、よくデジタルで安全とはいいながら、機械なので、単純なミスで大きなのが起こっておる事故が多いじゃないですか。そういうところにちょっと不安を感じるので、工事の時に気をつけて。やっぱり本当にそういうことがないのか、ものがやっぱり原子力のということなので。それから、最後に訓練なんですけど、これも多分、実際運転して、その合間に運転の訓練をしてということなんですけど、全然やり方が変わるっていうのが、この期間で十分に訓練ができて、本当に瞬時の判断が要るような時にもちゃんと対応ができるのかなという不安な面もあるんですけど、本当に最後は人が扱うものだと思うので、その辺、十分気をつけて。やっぱり傍で私たちが見ている分では、何かちょっとこんなに全面的に変わるということについて不安やなという思いがちょっとあったので、気をつけていただきたいと思います。

吉野内会長

はい、いろいろご心配な点ございますが。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

十分気をつけてやらしていただきたいと思います。例えばですが、ケーブルはですね、1、2号機合わせて12,000本。だから、約12,000本の信号がやり取りすることになり、したがいまして、もう既に設計段階では設計図面等を十分に入念にチェックしておりますが、実際の工事に当たっても、このすべてについて導通確認や機能検査を実施してですね、間違いなくその機能が発揮できることを確認いたします。

それから、訓練ですが、今先ほどお話ししましたように、松山の原子力保安研修所にこの設備を置き、間もなく訓練を開始いたします。1、2号の運転員全員についてですね、1回2日間、少なくとも7回は訓練をしてですね、問題がないという状態にまで持っていきたいというふうに考えております。

吉野内会長

よろしゅうございますか。3号機はどうなるんですか。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

3号機は、今までのとおりでございます。

吉野内会長

はい、どうぞ。

宮本委員

私は先般、柏崎原発の視察に行きました。確かにこういった立派な中央制御盤、また耐震性のところに原発の施設が載っているということのようですが、この中央制御盤が設置されているところの下は、岩盤になっているのかどうか。私ら視察に行った時にですね、やっぱり一番の問題点は、岩盤の上に乗っているのか乗っていないか。乗ってない施設というのは、やっぱりいろんな面で管が破損をしたり、入り口を先ほどドアの、耐震性のドアをつけたとかいうことでございますけれども、この中央制御盤が設置されているところは岩盤の上に乗っているのかどうか。

それともう1つは、先ほどの耐震性のところでも私話したらよかったと思うんですけども、実際、柏崎のですね、火災が起きた、皆さんもテレビで、私もテレビで見ましたが、火災が実際起きますとですね、自衛消防といえどもですね、火災の現場にですね、なかなか人間ですから、自ら行く、消火をする。これは自衛消防で大切なことですけども、そういうことが本当にできるのかどうか。私らは素人ですけども、例えばそういう事態になれば、まあゴルフ場に行けば自動で車がずうっとこう動くやつがございますが、そういったもので、消火するとかですね、恐らく岩盤の上に乗ってない施設の場合は、相当の地震があればですね、機能を発するってなかなか難しいんじゃないかと。そうなるとですね、もしも万が一そういう災害があった場合ですね、やはりヘリコプターのような物で、上から消火をするとかですね、やっぱりそういうことも全体的に原発っていうのは考えていかないと。過去、世界でもいろんな火災が起きていますけども、初期消防の段階でかなり時間がかかったり、例えば極端な話、ソ連なんかの場合だったら逃げたという話も聞きますから、火災が起きますとですね。やはりそういった施設がとにかく岩盤の上に乗っているのかどうか。そういう消火施設についてですね、新たなそういうヘリコプターも使えるようなものもやはり置くべきじゃないかと思いますし、もう1つは、総合的な問題なんですが、もしも事故が起きた場合には病院がこれ大切なわけですから、その分が八幡浜市しかないわけですから、電力さんとですね、やはりその公営企業体のような病院施設というのは大切なんじゃないかと思いますが、そこらも含めてご回答をいただけたらと思います。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

まず岩盤の問題ですが、原子力の重要な設備はすべて岩盤に乗せている設計でやっておりますので、中央制御室があります建物も、完全な岩盤に乗っております。それから、耐震のチェックも実施しております。したがいまして、地震に強い設備、建物になっていると、それは間違いございません。

それから、火災の問題ですが、新潟県中越沖地震で燃えました変圧器、これと同じ変圧器、伊方にも同じような機能を持ったものがございますが、これにつきましては、当社のものはこの基礎を岩盤にとってですね、きちっとするような、できるようなものにしております。当社としてはそういう形で実施しております。

消防の関連につきましては、できるだけまあ自動という形がいいということは考えております。先ほどの変圧器につきましては、当社はもう既にスプリンクラーのようなものをこの設備には持っております。したがいまして、事故が起こったら自動的に消火栓で消火できると、基本的にはそれが一番最初に働くと。ところが、柏崎の場合は、構内の消火の配管が壊れたという問題がありますので、その状況の検討は今しておりまして、地震に強い消火システムというのをどう考えるかということを今検討しております。したがいまして、まあヘリコプターによる消火というような形までは考えておりません。どちらかと言えば、原子力発電所はそういう重量物が上を飛んで、それが落下すると、それによって火事が起こったり、物をこわしたりする、そっちのほうがむしろ心配するような状況もございます。原子力発電所の上空につきましては、飛行制限をかけるということまでやっておりますので、ヘリコプターによる消火っていうのは、防災という観点から、まあいざという時にどうするかという問題があろうかと思いますが、一般的な考え方としては、そこまでは必要ないんじゃないかというふうに考えております。

その他の問題については、どこまで考えるかっていう問題がございますので、また検討をさせていただきたいと思います。

吉野内会長

よろしいですか。宮本委員、いいですか。そのほかございませんか。どうぞ。

渡邊委員

ケーブルの劣化あるいは高経年化という現象があると思うんですけども、今回のその取り替え工事に関連しては、高経年化に伴うものではないというふうにお考えなんでしょうか。アナログ式機器のこの製造中止というのが微妙なんですけども、それはどうお考えなんでしょうか。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

各機器の交換周期というのがございますので、それによって交換しております。したがいまして、その部品が少なくなるということでございますので、高経年化対策といえば、そういう意味では高経年化対策と。ケーブルの問題につきましては、ケーブルの劣化そのものは、高温でかつ大きな中性子を受けるような、原子炉格納容器の内部の一部の部分にそういう心配で、要検討のケーブルがあるというふうに言われており、我々もその検討をしております。中央制御室の関連の部分では、ケーブルの劣化という問題はないんじゃないか、心配ないんじゃないかと、こういうふうに見ております。一般的に取り替え周期を今10年から12年で実はやってきているものが、部品の供給の問題が出てくるというふうな問題として考えると、まあ高経年化の関連もあるというふうなことでございます。

吉野内会長

よろしゅうございますか。

渡邊委員

はい。

吉野内会長

そのほかありませんか。

それでは、この件はこのぐらいにしまして、最後の報告事項でございます2月1日に定期検査中の伊方2号機の湿分分離加熱器天板部分にひび割れが発見されております。2次系の機器でありまして、周辺環境や原子炉に影響はありませんでしたが、これにつきましては、1号機の同様の部位で平成18年6月及び19年の4月の二度にわたって割れが発生しております。その都度再発防止の徹底を指示していたにもかかわらず、再び2号機において同様な割れが発生しました。即日公表しますとともに、二度と同様の事象が発生しないよう原因究明と対策の実施を四国電力に指示しております。その顛末を四国電力が取りまとめておりますので、ご説明をしていただきたいと思います。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

資料6-1になります。伊方発電所2号機湿分分離加熱器B天板の割れについて、ご説明させていただきます。

ページは、右下にページを振ってございます。

湿分分離加熱器で割れがありまして、非常にご心配をおかけして申しわけなかったと思っておりますが、この湿分分離加熱器がどういう機能のものかということは、そのページの左側の図にありますが、高圧タービンを回した蒸気を、もう一度低圧タービンに送るまでに、この加熱器で再度加熱いたしまして、送る蒸気を温度を上げまして、低圧タービンが回りやすくするようなものでございまして、これがないからといって原子力の安全性が発電所施設の運営に基本的には問題ございません。効率をよくする設備でございます。右側にその湿分分離加熱器の全体図を書いてございます。伊方1、2号機がこういうものが4つついております。A、B、C、Dというふうに4つついてございます。問題になったのはBでございます。どういうところで割れが起こったかというのは2ページに書いてございます。右下の図にございますが、左側から黄色が蒸気の流れでございます。この蒸気の流れで下から上へ行く過程で湿分を取りまして、かつ加熱して温度の上がった蒸気を送るものでございますが、この左の丸でついているところに、蒸気の流れをうまくするための蒸気整流板というものがついております。Bには2つついております。この蒸気整流板の仕切板と天板というところの間の赤で書いておるところ、ここに割れがあったというものでございます。写真は左側にあるようなものでございます。

3ページに移らせていただきます。この割れのところの断面を見てみるとですね、右の真ん中ぐらいの写真ですが、板のところで割れが出ております。これをポンチ絵に描いたらその左側のものになっておりますが、天板と仕切板を溶接したところに非常に薄いところができたということで、この薄いところが力が弱くてですね、ここで割れが発生した。割れは右の図にありますように、横ぐらいに少し右下下がりの筋がありますが、これが疲労をあらわす、疲労によって物がこわれたことをあらわすストライエーション状模様というのが見えております。具体的な原因のイメージを次の4ページで書いてございます。先ほどの溶接部がですね、非常にのど厚が短かった。この溶接部で蒸気整流板の振動をうまく制御できずに割れたということでございますが、左下にありますように当初の設計要求は、その溶接の板の角を切ってですね、溶接が深く入り込むようなレ型開先ですみ肉溶接をすると、こういうようなのが設計の要求でございます。で、実際行われたのは、この開先を取らずにやったすみ肉溶接、そういうことで弱い部分があって疲労が起こったというふうに考えております。

5ページに、なぜ設計の要求と違ったものが行われたかというのを書いてございますが、これ設計会社がアメリカの会社ですが、設計会社は設計図面の中で先ほどのような設計要求をします。で、製作が国内のメーカーで製作しましたが、国内のメーカーの設計部門が、その海外の設計会社の図面を書き写す時に、自分たちの設計図をつくる時に、溶接指示の記載忘れをしました。製造部門では、自分の会社の製作図面と設計会社からの設計図面が両方記されておりました。溶接士は、2つが違っているので上級の溶接技術者に確認をしました。上級の溶接者は、自分の判断で通常まあ特別の要求がない場合にそれでいい、すみ肉溶接でいいということで、設計部門に確認せずに、そのまま溶接者に指示実施しました。したがって、差異が発生してそういうものが入ってきたということになります。これがこわれないようにする対策といたしましては、6ページにありますように、きっちりした溶接をするということで、左側にありますように、両側から溶接をきっちりいたします。この壊れたところ以外の場所、同じような場所につきましても、これと同じような溶接形状にして、修理いたします。それから、溶接部が1号に引き続いて問題があったということで、すべての溶接部の点検を実施いたしました。その結果、健全性が確保されるということは確認されましたが、念のために流体加振力が作用する箇所等のうち7つの部位については、溶接部の強度に余裕を持たせるというような観点から補強工事を実施いたします。それから、長期的な観点では、設計の一部を別の会社に実施させる場合における調達管理を強化するということを考えております。7ページにちょっと別の観点の点検の考え方を書いてございますが、伊方の1、2、3号機の、ここは2次系で運転や安全に関係ないというような設備でございましたので、こういうこと、ちょっとチェックが甘かったところがありますが、1次系の重要な機器についてはどういうふうにしているかということをちょっといたします。 重要な機器は、設計と製作が同じ会社であるか、もしくはそれが混在することがないようなものを使っていくということは確認いたします。1号機は運転続けておりますが、これにつきましては、音響監視装置を設置したり巡視点検頻度を増しております。監視強化を行っておりますが、次回定期検査時に2号機と同様の対応を実施いたします。3号機の湿分分離加熱器は、製造会社と異なる会社が単独で設計・製造をしておりますので、問題はないと見ております。

以上でございます。

吉野内会長

はい、ありがとうございました。この件につきましては、渡邉委員さんが金属材料のご専門でございますが、何かコメントございましたら。

渡邉委員

ただいま説明がありました対応ですけども、これは十分な対応策ができているというふうに感じています。それと、やっぱりお願いしたいのは、伊方1号機への対応でして、そこにも書いているんですけども、その監視強化というものをしっかりやってもらいたいということ。それと、やっぱりこれが3回目とお聞きしているので、もうこういうことが起きないような方策ということで、やはりメーカーあるいは電力会社の管理強化、それとその技術力の強化、できれば地元の方も巻き込んだようなですね、監視体制というものを少し強化してもらいたいというふうに考えております。以上です。

吉野内会長

はい、ありがとうございました。この件に関するご質問等ございませんか。

池田委員

今の電力のお話も聞いておると、石原知事が東京新銀行で、自分の責任を流して、設計会社が悪いとか製作会社が悪いとかに聞こえていけんのですのよね。もうちょっとこういう、それも今度初めてではなかったと思うとんですよね、あの新聞記事から言っても。そういうことに対して責任をお感じにならないで、ただ、これ設計会社が悪いとか製作会社が悪いとか、こういうことに責任を転嫁されておるように私どもは聞こえてならんのですけれども、もう少し電力そのものがそういった調整役が目を通すとか、こういうことについて、以後は努力しますという決意がなければ、こんな人におねまかしたような話ばっかりじゃどうにもならんじゃないですか。

吉野内会長

はい。四国電力から、何か。

四国電力 石崎原子力本部長

責任がどうのこうのと言うのではなくて、原因をやっぱりきちんと究明しようというのがベースでありまして、まあ最初の1回目、2回目、これは溶接の部分の話。3回目は、調達の管理あるいは我々の監査の指摘の点が抜けたということで、我々もこういうことを十分反省いたしまして、品質管理のシステムを改善するとか、先ほどいいましたような、体制を強化すると、あるいはそういうことに対する技術力を向上させるということを続けていきたいというふうに考えております。また、今回の分については、こういうことがまた起こらないようにということで、溶接線を全部点検いたしまして、余裕を持たせるということで、二度と起こさないということで補強もやりました。ということで今後進めていきたいというふうに考えております。どうもご心配おかけしました。

吉野内会長

はい、どうぞ。

池田委員

あなたのおっしゃり方は何でしょう。その原因を究明することがまず先であって、あなたのように開き直ったような物の言い方がどこにありますか。電力が悪うございましたと言うことを、製作会社が悪いとか設計会社が悪いとかで、責任を転嫁したような話ばかりで、私は承知できません。

四国電力 石崎原子力本部長

言い方が悪くて申しわけありませんでした。我々もこれから努力してしっかりと見ていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

池田委員

はい、それならいい。

吉野内会長

そのほか。はい、どうぞ。

山本委員

渡邉委員のご説明等もございましたので、ある程度わかったんですけれども、一般の方にとりましては、1次系、2次系といった区別とか、そういった言葉ではなかなかわからない部分がありますので、十分な、1次系でないからとか、そういう表現というのは何とかもう少し適切な言葉でよくわかるようなご説明が必要かと思いました。

それと、もう1点としまして、社内でその調達部品ですとか、あるいは関連の業者等の選択・選定、あるいはその後の作業なんかの内部評価、内部監査、あるいは外部的な監査等ができるような、今後こういったことが起こらないようにするための仕組みっていうのは、つくられておられるんでしょうか。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

今回の分につきましてでもですね、当然初めて採用する時は、そういう技術力、それから、その実績がどうかということで監査、審査をいたします。今回の場合も、海外プラントでは13プラント、それも最大で25年以上の良好な運転されているという確認をしています。ただ、つくったところ、神戸製鋼所ですけども、そこも監査しました。それで、今回その監査が調達という設計者と違うところというところの監査が我々甘かったという反省があります。これにつきましても、今後はそういうところもメスを入れるということにしたいと思います。それで、こういうことをしたという内部監査的なことは、当社の原子力部門とは別なところが、そういう設計の承諾に関する監査というものを、我々がやっている内容をダブルチェックするということをやっています。まあそこも今回の事情を踏まえて新たな観点から監査を強化するということも今後出てきます。そういうことで、こういうことが起こらないように気をつけていきたいと思っております。

吉野内会長

今の四国電力からの報告でございますが、これはいずれも伊方発電所の安全対策から重要な問題だと思います。特に今回の加熱器の事象、これはメーカーの施工体制、これもよろしくない、そして、四国電力自体が調達管理や品質保証体制、安全管理に対する一層の充実強化を実施し、二度と今回のような事象が生じないようにしなければ県民の信頼関係が失われてしまいます。先ほど来、渡邉委員、池田委員、山本委員も言われましたが、これらのことを社内全体で肝に銘じていただきまして、トラブルの発生防止に努めるよう強く要請をいたしておきます。

そのほかございませんか、全体的なことで。はい、どうぞ。

岡崎委員

私は八幡浜市なんですけど、住んでいる者にしたら、技術的なこととかいうものは、言われましたように、1次系、2次系、もろもろあるのもわかりますけど、やはりこういうのが本当に単純なミスで起きるというのがあると、先ほどの制御盤ではないですけど、機械が監視してくれるとか、そういう分についても本当に単純なところで大丈夫なのかなあっていう思いがあって、先ほども言わしていただきました。実際30年経っておるという不安もあるし、前聞いた時は新しいものに順次取り替えているというお話も聞いて、まあ安全に運転いうか、ちゃんとしていただいていると思っているんですが、やはり住んでいる者にとっては、30年経ったところ、それから、それにプルサーマルが入ってくる。そういう中でこういう単純なミスが続いて、今度は制御盤が変わるって、だから、どうしても何か一歩不安なっていう分があるんで、ぜひ情報公開はもちろんちゃんとしていただきたいのと、そういう面では伊方原発が必要というのも十分わかっておりますので、本当に人が最後は運転していくものだと思いますので、その点は十分お願いしたいと思います。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

冒頭申し上げましたように、信頼性を損なわないように、慎重に進めていきたいと思っております。当然情報公開につきましても、いろいろな情報については積極的に公開していくといことで続けていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

吉野内会長

よろしゅうございますか。そのほか何かございましょうか。どうぞ。

渡部委員

はい、先ほどですね、医療体制の充実っていうご意見が出ておりましたけれども、私も以前委員会でそのことについては非常に力を入れて意見を出させていただいたことがあるんですけれども、やはり先日のニュースにありましたように、高橋市長さんもいらっしゃいますけれども、やはり八幡浜が財政困難だとか、あるいは医療、医師不足のために体制づくりがなかなか今現状のところでは困難だって、やはり八幡浜だけに委ねていたんではいけないので、やはりもっとここの医療体制を充実させるためには、やはり四国電力さんのご協力が大いに必要なんではないかなと思います。それと、やはり県だとか国とか、これは非常にこの安全管理委員会でも非常に関係のある問題ではないかな思いますので、その件については今後検討していただきたいなと思うところです。

吉野内会長

この件につきましては、今後検討させていただきたいと思います。そのほかございませんか。

そしたら、いろいろ議論も出尽くしたようでございますので、以上をもちまして、終了したいと思います。

最後に、私ごとでございますが、この3月で副知事を退任させていただくことになりました。5年2カ月間この会長を務めさせていただきまして、皆様方の温かいご支援とご協力で、何とか会の運営ができましたことを、厚くお礼申し上げます。どうもお世話になりました。ありがとうございました。

(閉会)

伊方原子力発電所 環境安全管理委員会 次第

日時 平成20年3月12日(水曜日)10時00分~
場所 県庁第二別館6階大会議室

1 開会

2 議題
(1) 平成20年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について
(2) 平成20年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画について

3 報告事項
(1)伊方3号機のプルサーマル計画の進捗状況について
(2)伊方発電所の耐震安全性について
(3)伊方1、2号機の中央制御盤等取替工事について
(4)伊方2号機湿分分離加熱器の天板の割れについて

4 閉会

資料目次

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