平成21年度(2009年度) 伊方原子力発電所環境安全管理委員会の開催状況 伊方原子力発電所 環境安全管理委員会(2010年3月25日開催)

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伊方原子力発電所 環境安全管理委員会 開催概要

1 日時

平成22年3月25日(木曜日)14時30分~15時40分

2 場所

愛媛県医師会館 2階 研修室

3 出席者

委員15名(別紙名簿のとおり)

4 議題

(1) 平成22年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について
(2) 平成22年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画について

5 報告事項

伊方3号機プルサーマルの実施状況について

6 審議等の内容(全部公開)

○司会

ただいまから伊方原子力発電所環境安全管理委員会を開催します。はじめに傍聴者の方に傍聴に際しての遵守事項を申し上げます。会議の開催中は静粛に傍聴すること。写真・ビデオ等の撮影、録音等はしないこと。その他会議の秩序を乱す等の行為をしないことなどとなっておりますので、ご協力をお願いいたします。また携帯電話等をお持ちの方は、マナーモード等に設定いただきますようお願いいたします。それでは会長の高浜副知事からごあいさつを申し上げます。

○高浜会長

失礼します。一言ごあいさつを申し上げます。委員の皆様方には大変お忙しい中、そしてまた足元の悪い中、ご出席いただきまして本当にありがとうございます。日頃から本県の原子力安全行政にご協力をいただいておりますことを、あらためて御礼を申し上げます。

本日の議題でございますが、平成22年度の伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画及び温排水影響調査計画についてでございます。いずれも安全協定に基づきまして県と四国電力が調査を実施をしまして、調査結果につきましてはそれぞれ四半期あるいは半期ごとに公表をしているものでございますので、どうかよろしくご審議をお願いいたします。それからまた伊方3号機のプルサーマルにつきましては、前回1月29日でしたが、この環境安全管理委員会において、伊方3号機の耐震安全性評価結果は妥当という取りまとめをいただきました。県といたしてましても3号機の耐震安全性が確認できましたことから、四国電力に対しまして、MOX燃料の装荷を了承いたしました。現在、この30日に予定をされております定期検査、最後の検査でございます、総合負荷性能検査に向けて熱出力100%での調整運転が継続をされているところでございます。本日は今後の予定も含めましてプルサーマルの実施状況などについて報告をさせていただきます。それからまた県の現地におけます安全監視機能を強化するための施設として整備をいたします、伊方原子力発電所安全監視センターでありますが、これは昨年の11月に起工式を行いました。建設工事を開始したところでございます。来年度にかけて2か年計画で建屋の建設、それから機器の移設等を行いまして、今年の10月には開所をする予定でございます。このセンターを安全監視の基幹施設としてさらに県民の安全安心の確保に取り組んでいくことにいたしております。今日の審議にあたりまして、委員の皆様にはどうか忌憚のないご意見を賜りますよう、お願いを申しあげまして、ごあいさつにさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。

○司会

議事の進行につきましては、委員会設置要綱の規程により、会長が務めることとなっておりますので、高浜会長よろしくお願いいたします。

○高浜会長

それでは議事に入らせていただきます。まず最初に、議題(1)の平成22年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画と議題(2)の温排水影響調査計画について、一括して事務局から説明願います。

○山口原子力安全対策推進監

それでは事務局より平成22年度の伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画につきまして、お手元の資料1に基づきまして、ご説明を申しあげます。

この調査は、伊方原子力発電所周辺の環境保全を図るとともに、公衆の安全と健康を守るため、伊方1号機が運転を開始する以前の昭和50年度から愛媛県と四国電力が継続して実施しているものでございます。平成22年度の調査計画は、平成21年度の計画を基本的に継続して実施することといたしておりますが、1部調査地点の追加や、環境試料の採取時期の変更を行ってございます。

調査計画の概要によりまして説明させていただきます。概要の1ページ目をご覧ください。下線を引いている部分は平成21年度計画からの変更点でございます。

まず、1の目的といたしましては、従来どおり原子力安全委員会が策定しております「環境放射線モニタリング指針」に従いまして、4点、次の目的を設定してございます。1番目といたしまして、周辺住民等の線量の推定及び評価、2番目といたしまして、環境におけます放射性物質の蓄積状況の把握、3番目といたしまして、原子力施設からの予期しない放射性物質又は放射線の放出の早期検出及び周辺環境への影響評価、4番目といたしまして、異常事態又は緊急事態が発生した場合における環境放射線モニタリングの実施体制の整備でございます。

続きまして2番の調査機関でございますが、従来どおり愛媛県及び四国電力でございます。

3番の調査期間でございますが、平成22年4月1日から平成23年3月31日の1年間でございます。

4の調査項目、頻度及び地点数でございます。まだ(仮称)ではございますが、伊方原子力発電所安全監視センターが平成22年10月に開所予定のため、放射線測定地点に同センターを追加することとしてございます。愛媛県実施分のこちらの表のうち、放射線の地点数欄で放射線の地点数を記載しております欄におきまして、変更を示す下線を引いている部分がございます。可搬型測定器による定点測定及び蛍光ガラス線量計による積算線量の測定について、それぞれ1地点追加することとしてございます。

計画の本文のほうの7ページをご覧いただけますでしょうか。こちらに放射線の測定地点の一覧表が、県で実施している分の一覧表がございまして、7ページの上から4行目にSE37という点がございます。八幡浜市保内町宮内、伊方原子力発電所安全監視センターを1地点追加ということをさせていただいております。こちらの位置につきましては、同じ資料の15ページをご覧ください。15ページの調査地点図、この中の八幡浜市の中にSE37という点がございますが、こちらが今回の監視センターの位置でございます。伊方原子力発電所の安全監視センターにつきましては、昨年3月の環境安全管理委員会でもご説明いたしましたが、現在環境試料の放射能調査を実施してございます、松山市にございます衛生環境研究所と、環境放射線の常時監視、発電所への立ち入り確認等実施してございます八幡浜支局環境保全課原子力安全室とを統合・集約いたしまして、安全監視と緊急時モニタリングの拠点となります施設を地元に整備しているというものでございます。

この計画の資料の冊子の後に1枚参考という資料をお入れしていますが、参考資料の伊方原子力発電所安全監視センター(仮称)の建設状況についてという資料をご覧ください。現在の建設状況といたしましては、進捗率約20%となってございまして、写真にございますとおり、基礎工事は完了いたしまして、現在1階部分の躯体工事を開始したところでございます。今後本体建設工事は本年9月に完成の予定でございまして、並行いたしまして現在松山市の衛生環境研究所で設置しております分析機器等の移設を行いまして、10月に開所する計画としてございます。

再び資料1の概要の紙のほうにお戻りいただけますでしょうか。この表の下の方の放射能濃度についてでございますけれども、従来と同様陸上試料につきましては大気浮遊じん、河川水、土壌、みかん等。それから海洋試料につきましては海水、海底土、魚類等を継続して調査する計画としてございます。地点、頻度とも変更はございません。また、計画本文のほうでございますが、これの3ページをご覧いただけますでしょうか。3ページ目の表が放射線等の調査計画の県の実施分の環境試料の表でございますけれども、この中で放射能分析の詳細をお示ししておりますが、下線を引いておりますところがいくつかございます。一部試料の採取月を変更してございます。この表で申し上げますと、たとえば1番上の欄に大気浮遊じんとございますが、伊方町、松山市という上から2段目の欄で試料採取月が10月を11月というふうに変更させていただいております。これは伊方原子力発電所安全監視センターの測定機器の移設等を9月から10月に予定いたしておりまして、必要な測定能力は確保しながら移設を進めることとしてございますけれども、この時期に作業が集中するため、一部環境試料の採取時期を前後にずらした計画とさせていただいております。以上が伊方原子力発電所安全監視センター整備に伴います、22年度の環境放射線等調査計画の変更点でございます。

その他の変更点といたしまして、計画の本分6ページをご覧いただけますでしょうか。こちらは放射線測定地点の一覧表となってございますけれども、下から8行目の欄に下線をしてございますが、NE9、八幡浜市の保内町磯崎の測定地点につきまして、従来磯崎小学校跡としてございますが、小学校跡地が民間に他用されることになりまして、測定継続が困難となったことから、新年度から隣接いたします磯津地区公民館に変更することといたしてございます。

再び資料1の概要のほうにお戻りいただきまして、これの2ページでございます。四国電力実施分の調査計画でございますけれども、従来から県は比較的広い範囲を調査対象としていることに対しまして、四国電力では発電所周辺を重点とした調査を実施してございます。四国電力実施分につきましては前年度の計画から変更はございません。

5の調査結果の評価方法でございますが、前年度と変更はなく、モニタリング指針に準じてそれぞれ評価いたしまして、四半期ごとに技術専門部会でご検討いただいた上でその都度公表するとともに、年度を通しての評価を年報として取りまとめまして管理委員会にご報告し、公表することといたしてございます。

次に2番の放射性物質の放出管理状況に基づく線量評価でございますが、前年度と変更はなく、伊方発電所からの放射性物質の放出量及び気象状況の測定結果を基に国の評価指針に基づきまして、発電所に起因する周辺公衆の線量を評価いたします。国の基準では周辺公衆の線量の限度を法令では年間1ミリシーベルト、指針の目標値では年間50マイクロシーベルトとしてございますが、四国電力と県、伊方町の安全協定におきましてはそれよりもさらに低い、年間7マイクロシーベルトを努力目標値としてございまして、その遵守状況を確認することとしてございます。

以上で平成22年度の環境放射線等調査計画の説明を終わらせていただきます。

○阪本水産課長

それでは続きまして平成22年度温排水影響調査計画についてご説明をいたします。お手元の資料2-1をお願いいたします。表の内容の表は調査計画の全体をとりまとめたものでございます。資料の2枚目以降が調査計画(案)となっております。2枚めくっていただいて、下にページを打っておりますが計画案の1ページをお願いいたします。

(1)の目的のところにあるように、伊方原子力発電所から排出されます温排水が周辺海域への環境に与えます影響の有無を調査するもので、愛媛県と四国電力がそれぞれ実施いたしております。

まず愛媛県が実施する調査についてでありますが、調査期間は平成22年4月から平成23年3月までの1年間で、これまでと同様に愛媛大学に調査を委託する予定でございます。2ページの表1をご覧ください。1の水質調査、2の水温調査、4のプランクトン調査、5の付着動植物調査を年4回、3の流動調査と7の拡散調査を年2回実施する計画となっております。6の漁場実態調査は、八幡浜漁協の3つの支所におきまして、周年にわたって実施する計画としています。22年度計画は今年度と全く同じ調査内容、調査方法となっております。それぞれの調査定点につきましては、3ページと4ページの図に示しておりますが、定点につきましても従来どおりで変更はございません。

それでは5ページをお願いいたします。5ページ以降に四国電力分の調査計画を示しております。調査期間は平成22年4月から平成23年3月までの1年間でございます。次の6ページから9ページにかけまして、表2に調査計画の内容を示しております。6ページの1の水温水平分布調査から4の流動調査までと、7ページの5の水質調査と、8ページの6の底質調査から11の海藻調査までと、9ページの13の魚類調査と14の取り込み影響調査のうち卵・稚仔調査の13の項目につきましては年4回実施いたします。9ページの12の藻場分布調査と、14の取り込み影響調査のうちで動・植物プランクトン調査については年2回実施する計画となっております。調査内容につきましては、今年度と同様で変更はございませんが、6ページの4の流動調査におきまして、測定機器に変更がございますので後ほど四国電力のほうから説明させていただきます。そのほかの調査方法につきましては今年度と同様となっております。それぞれの調査定点につきましては、10ページから24ページの図3から図17に示しておりますが、これまでと同様で変更はございませんので後ほどお目通し願います。

以上が平成22年度の温排水影響調査計画でございます。ご審議のほどをよろしくお願いいたします。

○高浜会長

それでは続きまして、温排水影響調査計画に関する、測定器の変更について四国電力のほうから説明をお願いします。

○四国電力 石﨑原子力本部長

四国電力原子力本部長の石﨑でございます。一言ごあいさつをさせていただきます。皆様方には日頃から伊方発電所の運営に関しまして、ご理解ご指導をいただきましてこの場をお借りして厚く御礼を申し上げます。発電所の現在の運転状況でございますけれども、1号機・2号機・3号機とも定格熱出力一定運転を続けております。なお3号機につきましては、点検中ではありますが、プルサーマル計画がおかげさまで順調にすすめられておりまして、先ほど副知事さんからお話がありましたように、今月の30日に国の検査ののち、営業運転に入る予定にしております。また3号機で、通報遅れということがございまして、皆様にご心配をおかけし、大変申し訳ないと思っております。迅速な通報・連絡についてあらためて関係者に指示したところでございます。私どもとしましては信頼される伊方発電所を目指しまして、安全・安定運転の継続と情報公開の徹底に引き続き努力してまいりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

それでは資料に基づきまして、伊方発電所の安全技術グループリーダーの尾形のほうから説明を申し上げます。

○四国電力 尾形伊方発電所安全技術グループリーダー

資料2-2に基づきまして、定点流動調査に使用する測定器の変更につきましてご説明をさせていただきます。座らせていただきます。資料の一番上でございますが、定点流動調査でこれまで使用しておりますアーンデラー流向流速計につきましては、現在製造中止となってございまして、平成22年度より海洋調査等で汎用化されまして、従来のアーンデラー流向流速計と同等以上の性能を有する電磁流速計に変更する計画をしてございます。これを行うにあたりまして、従来のアーンデラー流向流速計との比較調査を行いましたので、以下にその内容をご報告させていただきます。

1番目の調査方法でございますが、伊方発電所の放水口の沖合約1,800m地点にアーンデラー流向流速計及び電磁流速計を設置いたしまして、海面下3m層および25m層におきまして、流向・流速の測定を平成20年度の四半期毎に15日連続で実施いたしまして、流向・流速の分布状況と潮流の解析結果を比較しました。2ページ目に図1、表1がございます。次のページでございます。上が図1でございますが、測定地点ということで伊方発電所の沖、北北西約1,800m地点で測定をしてございます。下側表1測定器の仕様でございますが、左側がこれまで使っておりましたアーンデラー流向流速計、右側が電磁流速計でございます。アーンデラー流向流速計の測定原理は下にございますように、インペラーの回転数を記録いたしまして、回転数により積算、平均流速でございますがこれとベーンと呼ばれる板状の羽根と内蔵コンパスから瞬間流向を測定するというものでございます。上に写真がございますが、丸いところが回転するインペラー、後ろについております羽根のところがベーンと呼ばれるものでございます。右側が電磁流速計でございますが、測定原理は下にございますように、電磁流速センサー部に海水が流れると、その流体には流速に比例した起電力が発生し、本体変換器内で瞬間流速に変換いたします。また、流速とともに得られたセンサー部における直交座標軸上での合成流向と内蔵コンパスから瞬間流向を測定いたします。上にある写真の丸い部分がセンサー部でございます。ここで2段目の測定器の性能を比較していただいたらと思いますが、左側の流向につきまして2つ目の分解能でございますが、これまでのものが0.35度でございましたが、新しいものが0.01度ということで、分解能も向上してございまして、測定精度も±5度から±2度に向上してございます。また流速につきましても、これまでのものが測定範囲が2.5~250cm/sでございましたが、新しいものは0~500cm/sということで、下限も0から測れるようになります。

ということでまた1ページ目に戻っていただきまして、2番目というとこで、調査結果でございますが、(1)流向・流速の分布状況ということで、流向・流速の分布状況につきましては、従来の流速計と新しい流速計でほぼ一致してございました。これにつきましては、図2のほうで記載してございます、3ページ目でございます。これは平成20年度の冬期の測定結果を代表して記載させていただいてございます。左側がアーンデラー流向流速計、右側は電磁流速計で、海面下3mと25mそれぞれのデータにつきまして、横軸が東西、縦軸が南北の速度になってございますが、流速になってございますが、それの座標軸の上に測定データをプロットさせていただいてございます。左右比較していただきまして、ほぼ一致しているところが確認していただけると思います。

それではまた1ページ目に戻っていただきまして、(2)潮流の解析結果でございます。各分潮、M2、S2、K1、O1と書いてございますが、これは詳細は後ほどご説明させていただきます。この各分潮の流向・流速につきましては従来のアーンデラー流向流速計とほぼ一致してございました。なお恒流成分におきましては、アーンデラー流向流速計の測定下限となる低流速付近で差異が認められましたが、伊方発電所前面海域ではM2分潮とS2分潮が支配的となりましたので、これまでの評価結果に影響を与えるものではございませんでした。ということで最後のページ、表2をご覧いただいたらと思います。この表2は先ほどの測定結果を一番上にございますM2からO1というこれを主要4分潮と呼んでおりますが、その成分に分解したもの。さらに一番右の恒流成分に分解したものでございます。ここで分潮という言葉でございますが、下の2)に記載がございますように、潮の干満は主として月と太陽の引力効果によって生じまして、その変動は様々な周期変動の和として表現されます。これら1つ1つの周期変動を潮汐の分潮というふうに呼んでございます。この潮汐の分潮の主なものといたしましては、半日周期のM2分潮、これは月の引力効果によるものとS2分潮、太陽の引力効果によるものでございます。それと1日単位の日周潮流のK1分潮、これは月と太陽の引力効果と、O1分潮、月の引力効果ということで、これが主要4分潮というふうに呼ばれるものでございます。それともう1つ下の3)にございます、恒流成分というものがございまして、周期的な成分以外のもの、たとえば川の流れとか風によって生じるような流れでございます。そういったような成分に分解したのが表2でございます。それぞれアーンデラー流速計が上、電磁流速計が下になってございますのでご覧頂いたらと思いますが、M2分潮からO1分潮、主要4分潮につきましてはほぼ一致しているのがご確認いただけるかと思います。一番右側の恒流成分につきましては、流速の低い側のところ、アンダーラインを引いてございますが、そちらのほうで若干一致していない点がございますが、先ほどご説明させていただきましたように、新しい電磁流速計が0から測れるようになったというところがございますので、そういった流速の小さなところで一致はしていないものの、これまでの温排水影響調査の評価ではM2分潮、S2分潮は支配的という評価結果となってございますので、そういった温排水影響調査には特に影響はないというふうに考えてございます。

また1ページ目に戻っていただきまして、3番目、温排水影響調査計画への反映ということで、平成22年度の温排水影響調査によりまして、アーンデラー流向流速計を用いた定点流動調査から電磁流速計による調査に変更いたします。なお、温排水影響調査計画には測定器名称の記載はございませんが、また調査方法にも変更がないことから、温排水影響調査計画書上での記載には変更は特にございません。以上でございます。

○高浜会長

以上の2つの調査計画につきましては、技術専門部会でご検討いただいておりますので、濱本部会長さんから部会意見の報告をお願いいたします。

○濱本部会長

午前中に技術専門部会を開催いたしまして、この2つについて審議いたしまして意見の集約を見ることができました。ご報告申し上げます。

平成22年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画については、環境試料の採取時期等の一部変更はあるが、監視調査上問題はなく計画全体として、前年度の調査を基本的に継続するもので、適切なものと認められる。また平成22年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画については、一部測定器の最新式機器への変更は問題ないものであり、計画全体も前年度の調査を基本的に継続するもので、適切なものと認められる。以上ご報告申し上げます。

○高浜会長

ありがとうございました。それではこの2つの調査計画について何かご意見ご質問等ございますでしょうか。

○濟川委員

資料ナンバーの2-1、でございますがそれの5ページですけれども、私遅れてきたので失礼なんですけれども、この四国電力さんが行われる調査事業主体及び調査方法のところに実施方法で四国電力さんが直接やる部分と専門会社さんに委託して実施するということでありますが、この専門会社というのは当然信頼のおける、またはそれなりの専門的な分野では十分評価できるところであるのかどうかということですね。それともう1つは今ありました、アーンデラーの流向流速計の関係でございますが、これについてはもう補正係数とか、あるいはまた変動係数とかいうことについてはしないと、このままの数が生きるということなんでしょうか。今までの従来のものに補正を加えるということはしないということなんでしょうか。その2点についてお願いします。

○高浜会長

そうしたらまず、

○四国電力 尾形伊方発電所安全技術グループリーダー

お答えさせていただきます。まず1つ目の温排水影響調査の専門会社と委託ということがございますけれども、こちらのほうは四電技術コンサルタントということで、当社の関係会社でございますが、従来からこういった海洋調査関係をやってございまして、十分専門的な技術員もおりますし、専門家もいるということで従来より委託して実施させていただいております。それともう1点今回の流速器の変更でございますけれども、補正とかそういったようなことはやられるのかということですが、基本的には今回測定結果が一致してございますので、そのまま電磁流速計も測定値を使用させていただきたいと考えてございます。以上でございます。

○高浜会長

よろしいでしょうか。そのほかございませんか。

それでは他にはご質問等ないようですので、議題(1)(2)の両調査計画については、当委員会として適切である旨、意見を取りまとめ知事に報告をさせていただきたいと思いますがご了承いただけますでしょうか。それではそのようにさせていただきます。

それでは今日の審議事項については終了しましたので、報告事項に移らせていただきます。伊方3号機プルサーマルの実施状況についてです。まず四国電力から実施状況について説明をお願いします。

○四国電力 田内原子燃料部技術グループリーダー

資料の3-1に基づきまして、伊方3号機のプルサーマルの実施状況についてご報告させていただきます。当社は本年2月に伊方発電所3号機におきまして、MOX燃料を原子炉に装荷した後、3月に送電を開始し、現在、最終検査の準備を進めているところでございます。これまでの実績ですが、2月12日に燃料装荷が終了しました後、3月1日に原子炉の起動、翌2日に臨界、4日より送電を開始し、6日に定格の電気出力、7日には定格の熱出力に到達してございます。

また、昨年の8月に報告いたしましたMOX燃料の輸入燃料体検査の合格書受領以降の許認可関係の進捗状況は以下のとおりでございます。1点目は、保安規定の変更の認可についてです。平成21年9月9日に当社は経済産業省にMOX燃料装荷に係るほう酸タンクのほう酸水量の増加、燃料取替用水タンク等のほう素濃度の上昇等に係る保安規定変更の認可申請を行いまして、9月15日に認可をいただいております。

もう1点は使用前検査についてです。平成21年12月18日に当社は経済産業省に、MOX燃料装荷に係る使用前検査申請を行っております。これまでに、原子炉内の所定の位置に燃料が配置できていること、原子炉停止余裕が所定の値以上あること等について、経済産業省の確認を受けております。実績でございますが、2月9日に燃料装荷検査といたしまして、燃料集合体と内挿物の組合せについて、2月13日には燃料集合体の炉内配置についての確認を終えております。3月2日に臨界ボロン濃度の測定検査、翌3日に原子炉停止余裕検査、及び減速材温度係数測定検査を行いました。

めくっていただきまして、今後は3月29日及び30日に定格出力時の炉心出力分布等が所定の値を満足していることを確認する検査を受検することとしております。

当社は、今後ともMOX燃料を装荷いたしました伊方3号機の品質保証活動および安全・安定運転を行うとともに、引き続き地域の皆様との対話や各種広報媒体を活用いたしました理解活動を継続してまいります。

参考ですけれども、これまでの主要工程、許認可をまとめたものでございます。実績については黒三角で、今後の予定については白抜きの三角で示してございます。以上でございます。

○高浜会長

はい、それでは続きまして事務局からプルサーマルの実施にあたっている県の安全確認の状況について、説明してください。

○山口原子力安全対策推進監

それでは事務局より、伊方3号機のプルサーマル実施状況に係ります、県の確認状況等につきまして、資料3-2に基づきまして、ご説明を申し上げます。こちらにつきましては昨年8月の当委員会でのご報告と一部重複いたしますが、あらためて昨年以降の状況をご説明させていただきたいと存じます。

四国電力におきましては、フランスのメロックス社でMOX燃料21体を製造いたしまして、昨年5月27日に海上輸送によって伊方発電所へ搬入いたしました。この際、県といたしましては職員が発電所に立ち入り、輸送容器の放射線測定結果が法令の基準値以下であること、搬入作業が安全に実施されたことを確認いたしました。このMOX燃料は電気事業法に基づきまして、国の輸入燃料体検査に合格した後でなければ使用してはならないこととなってございまして、燃料製造前から原子力安全保安院による審査が実施されてきてございましたが、6月29日から30日にかけまして、最終の現地検査でございます、外観検査が実施されました。この際には技術専門部会の委員7名の方と県の職員が立ち会いまして、国の検査の結果、問題のなかったことを確認してございます。その後7月15日には原子力安全・保安院から四国電力に対しまして、輸入燃料体検査の合格証が交付されてございます。また、同日MOX燃料装荷に係る工事計画につきましても、認可となってございます。8月12日には技術専門部会および管理委員会を開催いたしましてここまでの状況についてご報告させていただいております。その後、本年1月29日の技術専門部会および管理委員会では当日を含めまして、計9回にわたって審議を重ねていただいた結果、改訂された耐震設計審査指針に基づきます、伊方3号機の耐震安全性が確認されまして、県といたしましてもプルサーマル計画の事前了解時に四国電力に要請しておりました耐震安全性を確認できたことから、同日四国電力に対しまして、伊方3号機へのMOX燃料の装荷を了承いたしました。また、この際にはプルサーマル実施にあたっては、引き続き安全を最優先に取り組むよう要請をいたしますとともに、伊方3号機で昨年11月に発生いたしました燃料からの放射性ガスの漏えいに関しまして詳細調査を実施し、燃料の装荷までに原因と対策を報告するよう求めたところでございます。その後2月5日でございますが、四国電力から漏えいのございました燃料集合体及び同時期に製造されました燃料集合体は使用しないといった等の報告がございまして、国におきましてもこの対策が適切なものであるということが確認されてございます。2月9日には、法律に基づき、国の検査の一部を行うこととなっております独立行政法人原子力安全基盤機構が燃料装荷前の使用前検査を実施いたしまして、問題がなかったことから同日から12日にかけましてMOX燃料16体を含む計157体の燃料が3号機の原子炉へ装荷されてございます。この使用前検査および燃料装荷の作業につきましては、県の職員が立ち会いまして、問題なく実施されたことを確認してございます。また、燃料装荷後の13日には、原子力安全基盤機構が燃料の炉内配置の検査を実施いたしまして、県も立ち会いし、問題のないことを確認してございます。その後3月1日でございますが、原子炉を起動いたしまして、2日には臨界に達してございます。3日には原子力安全・保安院が臨界に際しての使用前検査として、原子炉停止余裕検査を実施いたしまして、技術専門部会の委員7名の方と県の職員が立会いまして、問題のないことを確認してございます。その後4日には送電を開始いたしまして、徐々に出力を上げ、7日には熱出力100%に到達してございます。現在は熱出力100%一定で調整運転が継続されてございまして、先ほど四国電力から説明がありましたとおり、3月末には最終の国の検査を受けてこれに合格となりますれば、運転状況自体は特に変わるものではございませんが、定期検査を終了いたしまして、営業運転に移ることとなってございます。以上でございます。

○高浜会長

ただいまの説明についてご質問、ご意見等ございますでしょうか。どうぞ。

○渡部委員

ただいまのご説明の中には先日報道されましたトラブルの件については何もなかったんですけれども、やはりプルサーマル発電開始後、もうその直後に3号機でトラブルがあったということが相次いで報道されました。その件についてやはり内容を詳しく説明していただきたいことと、安全性には本当に関わりがないことなのかということ、やはり今まで以上に一般の方々、私たちも含めて安全性ということには不安を抱かないような対応をして欲しいと思っておりますので、綿密な説明をお願いいたします。

○高浜会長

これは事務局ですか。

○山口原子力安全対策推進監

それでは事務局のほうから3号機起動後に起きました、県のほうに異常事象として通報がございました事案につきまして、ご説明させていただきます。

まず3号機につきましては3月1日に原子炉を起動いたしまして、それから現在に至るまで設備の異常等ご連絡があったものが2件ございました。まず1件目でございますけれども、出力上昇中のこれは3月5日でございましたが、2次系にございます湿分分離加熱器という機器がございます。これのドレンタンク、湿分分離加熱器で発生いたしますいらない雑排水のような水を捨てるような系統なのでございますけれども、ここで弁の締りが十分でなかったと、締りが悪くてその蒸気が漏えいしたという事案がございました。こちらの蒸気につきましては、2次系でございますので、放射能を含まない蒸気でございましたので、安全上特に問題となるものではございませんでした。これ自体は県の公表区分といたしましては通常はA・B・Cと3つグレードがあるものの一番軽いC区分というものでございましたけれども、通常C区分ということでございますれば、月に1回定例に県が前月のトラブルを全部集計いたしまして、発表させていただいているものでございまして、発生直後にご報告、公表させていただく事案ではないのですけれども、3号機がプルサーマルが始まり、起動途中であったということに鑑みまして、少しタイミングを早めまして発生直後に県としてそういったことが起きていた、安全上問題はなかったといったことについて公表させていただいたものでございます。そしてもう1件のトラブルでございますけれども、これは15日でございますけれども、1次系、放射性物質を含む原子炉のほうで発生した放射性物質等を含んでいる系統を水質を浄化したりとか、一時冷却材にほう酸を混ぜて運用してございますけれども、その濃度調整等をする別の系統がございます。そこの充てんポンプというその系統を回すためのポンプがございまして、ここのポンプを試験するために通常は開けております弁を閉めようとしたところ、その弁が閉まらなかったと、手動で回したところ回らなかったという事案がございました。こちらにつきましては、国の方の報告の対象になりますと、県といたしましても先ほど申し上げました3つのA・B・Cというグレードのうちの一番高いAというグレードになりまして、県としても即座に公表をする事案なんでございますけれども、当時国のほうで動かなくなった原因等を分解等をして、少し時間をかけて判断したいということでございまして、県としましても、やはり国の判断が出ない中ではございましたが、国の報告対象に該当する可能性があるということで、A事象に準じて即座に公表をいたしたというところでございます。この事案自体は先ほど申し上げました弁は通常常時開いている弁でございまして、ポンプの機能自体には特に問題もなく、この系統も充てんポンプ等含めて3系統ある系統でございまして、その弁の不具合があったということでそこの系統から切り替えて他の2系統で運転をしたというものでございまして、原子炉の運転への影響はなく、もちろん安全上の影響もございませんでした。もちろん外部への放射性物質の漏えい等でございますとか、被ばく、汚染といったものもございませんでした。県といたしましても、2件とも特に安全上の問題はなかったものと考えておりますけれども、先ほど四国電力からもお話がございましたが、2点目のお話につきましては、事象の発生、事象を確認された時から私どもの方にご報告いただいた間にちょっと時間がかかったということから、口頭で注意を申し上げたといった経緯がございました。県といたしましても、引き続き四国電力からは安全協定に基づきましてこういった異常事象の通報をいただきましたら迅速な対応をしてまいりたいと思っております。以上でございます。

○高浜会長

よろしいでしょうか。

○渡部委員

わかりました。それでやはりプルサーマルが稼働するようになりましたら、今までの公表区分を見直すということは考えていないのですか。今日の議題には全くないわけですけれども。もっとやはり迅速に公表する方法、ことが必要ではないかなと思いますが。

○高浜会長

事務局からありますか。先ほど説明したように、本来の区分よりも迅速な対応を今回やったということではあるんですが、何か。

○山口原子力安全対策推進監

はい、今回3号機がプルサーマルを行って、調整運転、現在3月末の最後の検査までの間を調整運転という、言わば試運転のような状態でございますので、この間につきましては先ほど申し上げたとおりCの、3番目のランクのものでも即時に公表させていただくという対応をさせていただいてございました。今後30日までの間でございますが引き続き今のような対応をさせていただきまして、今いただきましたご意見につきましても、今後の運転状況等を見極めながら県としてもしかるべく対応をしていきたいと、検討等してまいりたいというふうに思ってございます。

○高浜会長

はい、他に、どうぞ。

○佐藤委員

今ご担当の方から、迅速な対応ということのお話がございましたので、私も一応安心したんですけれども、実は安全・安心という時、技術的な安全性というのは、これは技術的なもので検討いただいて、確保されていると思うのですが、安心という時にはその担当のほうではこれはたとえば県がA・B・Cとかいろいろあるんだとは思うんですけれども、しかし一般の我々の方ではそれは知らない訳でございます。何かがあったということはわかってもそれがどういうグレードのものかというのは分からないと。そうするとその時にやはり現場の方ではもちろん技術的な目で見て、これはこのレベルだからと油断するのかもしれませんが、やはりたとえば3日遅れたなんて言われると、「これ大丈夫かな」という、これは安心から遠のく訳でございますね。そういう意味でやはり一般の者が安心するためには、やはりああいう通報の遅れというのがないような、そういうシステムを特にすべてのことにおいて、現場と市と県とがそういう危機感を共有するというか、そういうシステムにしていただく必要があると思うんですね。どういう些細なことでもその危機感の共有をしていただくと、そういう上に立っているとやはり県民、市民も安心して見ていられると、特に今後プルサーマルが非常に順調にいっているというのは結構なことでございますけれども、やはりハイレベルの技術が使われる、あるいは国としてはまだ原発は10数基増やさなければいけないということも言っておられる、これは国のエネルギー政策ですから、当然そういうこともあろうかと思いますが、そういう時に我々一般の者が安心してそれを認めていけるように、常にそういう担当者のところで危機感が共有されていると、これはぜひ現場の方、四電さんにもお願いしたい訳でございますけれど、これは規則の上ではこうだけどもやはり全部お伝えしようとか、そういう形で進めていただくと県民としても安心できるのではないか。安心というのはそういう気分的なものが大きいですから。ですからぜひそこら辺を常日頃整えていていただきますようのお願いしたいと存じます。

○高浜会長

大変大事なことだと思っています。先ほど担当からも説明しましたように、今回の件についても報告遅れが今後ないように、厳しく四国電力には申し伝えたところでございます。何か四電のほうからございますか。

○四国電力 石﨑原子力本部長

即、発電所の方に出向きまして、今回のような遅れがないように迅速な情報伝達をするということで、関係者含めて私から、あるいは所長から指示したところであります。今後気をつけていきたいと思います。

○高浜会長

はい、その他何かございますでしょうか。

○菊池委員

四国電力さんに要請いたしたいと思います。プルサーマルが全国的にも注目をされている中で、四国電力にはより一層の安全確保が求められている状況でございますが、我々地元住民といたしましては、プルサーマルに限らず、伊方発電所として安全・安定運転を今まで同様に願っているところでございます。これに加えまして、迅速かつ積極的な情報公開を徹底していただき、住民の安心の情勢に努めていただきたいと願っているところでございます。よろしくお願いします。

○四国電力 石﨑原子力本部長

今、ご意見としていただきましたが、私どもとしましては、このプルサーマルが社会的にも非常に関心が高いということもございますし、今後とも引き続き安全確保を最優先に伊方発電所の運転管理に取り組んでまいりたいというふうに思っております。それからトラブル情報の公開につきましては、ただいまもご説明させていただきましたように、前広に皆さんにご安心いただけるように迅速な通報・連絡に努めてまいりたいと考えておりますのでご理解のほど、よろしくお願いいたします。

○高浜会長

そのほかございますでしょうか。よろしいでしょうか。

それではご質問もございませんようですので、何人かの方からお話が既にございました、このプルサーマルについては、特に県民の関心、社会的関心も高いものがございます。四国電力においては今後とも安全運転の継続をして、県民の安心の醸成に努めていただくように重ねてお願いをいたします。

以上で本日の審議、報告事項はすべて終了いたしました。委員の皆様には熱心なご審議、どうもありがとうございました。

伊方原子力発電所 環境安全管理委員会 次第

日時 平成22年3月25日(木曜日) 14時30分~
場所 愛媛県医師会館2階 研修室

1 開会

2 議題
(1) 平成22年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について
(2) 平成22年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画について

3 報告事項
伊方3号機プルサーマルの実施状況について

4 閉会

資料目次

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