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- 伊方原子力発電所 環境安全管理委員会技術専門部会(2011年5月10日開催)
伊方原子力発電所 環境安全管理委員会技術専門部会 開催概要
1 日時
平成23年5月10日(火曜日) 10時00分~13時20分
2 場所
リジェール松山 8階 クリスタルホール
3 出席者
委員9名(別紙名簿のとおり)
4 議題
(1) 平成23年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について
(2) 平成23年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画について
5 報告事項
(1) 伊方3号機プルサーマルの運転状況について
(2) 福島第一原子力発電所の事故の状況及び対応について
6 審議等の内容(全部公開)
○司会
ただ今から、「伊方原子力発電所環境安全管理委員会技術専門部会」を開催します。
はじめに、傍聴者の方に傍聴に際しての遵守事項を申し上げます。
会議の開催中は静粛に傍聴すること。写真、ビデオ等の撮影、録音等はしないこと。その他会議の秩序を乱す等の行為をしないこと。等となっておりますので、ご協力をお願いします。
また、携帯電話等をお持ちの方は、マナーモード等に設定いただきますようお願いいたします。
それでは、上甲県民環境部長からごあいさつを申し上げます。
○上甲県民環境部長
皆さま、おはようございます。愛媛県の県民環境部長の上甲でございます。
伊方原子力発電所環境安全管理委員会技術専門部会の開会にあたりまして、一言ごあいさつを申し上げます。
委員の皆さまには、大変お忙しい中をこの部会に出席いただきまして、誠にありがとうございます。また、本日は原子力安全・保安院の石垣高経年化対策室長に遠路、またご多忙の中をお越しいただきまして、厚くお礼を申し上げます。
また、今回の部会につきましては、毎年3月に定期的に開催し、次年度の調査計画についてご審議いただいているものでございますが、今回の福島第一原発の事故の発生にあたりまして、まず情報収集や現地支援に集中するという判断から延期させていただいたものでございます。各委員におかれましては、ご心配、ご迷惑をおかけしましたことをまずはおわび申し上げたいと思います。
本日の議題は、安全協定に基づきまして、県、及び四国電力が実施しております平成23年度の伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画、及び温排水影響調査計画についてでございます。福島原発事故の影響によりまして、愛媛県内でも放射性物質が検出されておりますことから、伊方発電所からの影響を調査しておりますこれらの調査計画についても県民の関心が高まっておりますので、ご審議のほどよろしくお願いいたします。
続きまして、報告事項として、伊方3号機プルサーマルの運転状況と、福島第一原子力発電所の事故の状況、及び対応を予定しております。伊方3号機につきましては、昨年3月からの約1年間の運転を経まして、4月29日から定期検査のため運転を停止しております。昨年9月に実施しました前回の当部会で、運転状況につきましては中間的に報告を受けたところでございますが、本日はその後の運転状況について報告を受けることとしております。また、福島原発事故に関しましては、県や四国電力の対応状況、緊急安全対策に対する国の確認結果等についてご報告をいたします。
いずれも伊方発電所の安全性にかかわる重要事項でございますので、技術的、専門的観点からご意見をいただき、活発な部会としていただきますようお願いを申し上げまして、ごあいさつといたします。
本日は、よろしくお願いいたします。
○司会
本日は、ご都合により、濱本部会長、藤川委員、吉田委員が欠席されています。濱本部会長が欠席されておりますので、本日の議事進行につきましては、有吉部会長代理にお願いいたします。
では、よろしくお願いいたします。
1 議題
(1)平成23年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について
○有吉部会長代理
おはようございます。本日はお忙しい中ご出席いただき、ありがとうございます。濱本部会長がお休みですので、有吉が代わって議事進行を務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、議事に入らせていただきます。
まず、議題1の平成23年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について。すでに、資料については委員の皆さまにお送りしたところでございますけども、事務局のほうからご説明をお願いいたします。
○事務局
はい。
原子力安全対策推進監の山口と申します。
それでは、事務局より議題の1番目でございます平成23年度の調査計画につきましてご説明させていただきます。
座らせていただきます。
23年度の調査計画につきましては、すでに委員各位にはお知らせしましたとおり、本計画案に基づきまして暫定的に開始させていただいてございます。また、愛媛県では、福島原発の事故の影響を監視するため、伊方発電所からの影響を監視する通常の調査とは別に、資料4-2にお示ししております強化いたしましたモニタリングを別途実施してございます。この強化した調査につきましては、伊方発電所からの影響を監視している本調査とは趣旨が異なることから、まずは概要をご説明させていただき、後ほど報告事項の中で、これまで得られてございます結果も含めてご説明させていただきます。
それでは、資料1をご覧ください。この調査は、伊方原子力発電所周辺の環境保全を図りますとともに、公衆の安全と健康を守るため、伊方1号機が運転を開始する以前の昭和50年度から愛媛県と四国電力が継続して実施してるものでございます。
平成23年度の調査計画は、平成22年度の計画を基本的に継続して実施することとしてございますが、一部調査地点の変更や環境試料の採取時期の変更を行っております。調査計画の概要により説明させていただきますので、資料1の概要の1ページをご覧ください。
下線を引いております部分は、平成22年度計画からの変更点でございます。
まず、1の目的といたしましては、原子力安全委員会が作成しております環境放射線モニタリング指針に従いまして、従来どおり周辺住民等の線量の推定、及び評価、環境における放射性物質の蓄積状況の把握、原子力施設からの予期しない放射性物質、または放射線の放出の早期検出、及び周辺環境への影響評価、異常状態、または緊急事態が発生した場合における環境放射線モニタリングの実施体制の整備の4つとしております。
2の調査機関は、従来どおり愛媛県、及び四国電力でございます。
3の調査期間は、平成23年4月1日~平成24年3月31日の1年間でございます。
4の調査項目、頻度、及び地点数でございますが、まず愛媛県実施分をご説明いたします。固定局によります空間放射線の測定につきましては、伊方町内に県が設置しているモニタリングステーション1局、及びモニタリングポスト7局の計8局の測定局において引き続き連続測定を実施いたします。
次に、定点での線量率測定でございますが、前年度と同様に可搬型のスペクトロメータ等の各種測定器により集落等で測定を実施し、平常値の継続的な把握等を図ることとしています。また、サーベイメータによる緊急時モニタリング候補地点69地点での定期測定につきましても、前年度と同様に年2回測定を実施し、平常値、及び現地状況の把握を行うとともに、緊急時の対応に備えることとしております。走行測定につきましても、前年度と同様に伊方町内の3ルートで測定を実施いたしまして、平常値、及び現地状況の把握を行うとともに、緊急時の対応に備えることとしております。
次に、定点での積算線量につきましては、計画本文の7ページをお開きください。県実施の放射線積算線量につきましては、現在、昨年10月から追加した原子力センターを含めまして31カ所で実施していますが、地点番号SE36の西予市役所では、新庁舎建設に伴って、継続しての測定が困難であることから、近隣で変更場所を検討した結果、近くの宇和文化会館に変更してございます。なお、変更にあたり、22年度第1四半期から並行測定を行いまして、宇和文化会館でのデータを収集しております。また、地点番号SE37の原子力センターにつきましては、22年度計画策定時点では正式名称が決まっておらず、仮称で記載しておりましたが、23年度計画では正式名称を記載しております。
次に、環境放射能の測定でございますが、3ページをご覧ください。県実施分につきましては、22年度は原子力センターへの移転等の作業が9月から10月に集中いたしますため、一部環境資料の採取時期をずらしておりましたが、23年度計画では21年度計画の採取時期に戻しております。
それでは、資料1の概要にお戻りください。概要の2ページでございますが、四国電力実施分の調査計画でございます。従来から、県は比較的広い範囲を調査対象としておりますのに対しまして、四国電力は発電所周辺を重点とした調査を実施しています。四国電力実施分につきましては、前年度の計画から変更はなく、引き続き発電所周辺に設置していますモニタリングステーション1局、及びモニタリングポスト4局の計5局での線量率の連続測定、サーベイメータによる定点での線量率測定、伊方町等の25地点における積算線量測定、陸上試料、及び海洋試料の核種分析を実施する計画としてございます。
次に、5の調査結果の評価方法でございますが、23年度は四国電力実施分の積算線量の評価方法を変更してございます。四国電力では、平成18年度の並行測定を経て、平成19年度から熱ルミネセンス線量計から蛍光ガラス線量計に測定機器を変更していますが、測定結果の評価にあたりましては、蛍光ガラス線量計のデータ数が不足していたため、平成22年度までは主に熱ルミネセンス線量計の測定結果と比較してございましたが、22年度末時点では5年分のデータが蓄積されますことから、23年度調査計画では原則蛍光ガラス線量計の過去の測定値と比較するよう評価方法を変更しております。
なお、次ページの参考にございますとおり、測定結果の評価にあたりましては、原子力施設からの予期しない放射性物質、または放射線を迅速、かつ適切に検出するために、平常の変動幅と比較してございまして、旧環境モニタリング指針によれば、評価に用います平常の変動幅はよく管理された条件の下で有意な測定値が多数得られる場合には、これを統計処理して、その結果が正規分布と見なせるようであれば、平均値±3×標準偏差を平常の変動幅とすることができるとされておりますことから、四国電力におきましては、有意水準5%でダゴスティーノ・パーソン検定を行った結果、測定地点25地点中24地点で棄却されず、正規分布と見なせることから、過去5年分の測定結果でも適切な評価ができると考えてございます。
そのほかの評価方法につきましては、前年度と変更なくモニタリング指針に準じてそれぞれ評価いたしまして、四半期ごとに専門部会でご検討いただいた上でその都度公表するとともに、年度を通しての評価を年報として取りまとめまして、技術専門部会、及び管理委員会にご報告し、公表することといたしております。
次に、ローマ数字のⅡ番、放射性物質の放出管理状況に基づく線量評価でございますが、前年度と変更はなく、伊方発電所からの放射性物質の放出量、及び気象状況の測定結果を基に、国の評価指針に基づいて、発電所に起因いたします周辺公衆の線量を評価いたします。国の基準では、周辺公衆の線量の限度を法令で年間1mSv、指針の目標値では年間50μSvとしておりますが、四国電力と県、伊方町の安全協定ではそれより低い年間7μSvを努力目標値としており、その遵守状況を確認することとしております。
以上で平成23年度の環境放射線等調査計画の説明を終わらしていただきますが、引き続きまして資料4-2に基づきまして、福島第一原発事故の県内影響に係る監視調査計画の概要につきまして説明をさせていただきます。
お手元の資料の4-2をご覧ください。
愛媛県では、福島原発の事故発生直後から、伊方発電所周辺環境放射線監視のために設置しております測定局におきまして空間線量率のモニタリング評価を開始いたしましたが、伊方発電所からの影響ではなく、福島原発からの県内への影響を広く把握し、県民の安全、安心を確保するためには、通常調査とは別に監視強化する必要があると考えまして、資料4-2にお示ししているように、福島第一原発からの放出放射能の影響が迅速に検出される可能性のある調査項目を中心に監視調査計画を作成してございます。
陸上試料につきましては、大幅に頻度を上げまして、空間線量率につきましては、毎正時、または連続、これら以外は基本的には毎日。海洋試料につきましては、伊方発電所沖に加えまして新たに3海域で追加調査を行い、海藻類につきまして四半期ごとに拡大等をしてございます。
以上でご説明を終わります。
<質疑応答>
○有吉部会長代理
それでは、ただ今説明のありました23年度の放射線等調査計画につきましてご意見、ご質問ございましたら、どうぞ。
辻本委員さん、ご専門の立場からいかがでしょうか。
○辻本委員
辻本でございます。
一応、全般的には前年度からの継続をしておられまして、一部現状を踏まえて修正がしておられます。それに対しては、特に問題はないと思います。これは継続ということが大事でございまして、そしてまた十分見直すときは見直さないといけないということもございますが、追加とか一部変更がございますが、それは十分問題ないと思っております。
それから、4-2の福島の件につきましても、すぐさま対応されまして、日頃のルーティン以外に対応されておりまして、測定結果も非常に精度高くやっておられまして、非常に安心できる測定技術じゃないかと思ったりしております。
ということで、一応特に問題ございませんで、このまま23年度継続されても異常はないと思っております。
○有吉部会長代理
はい、ありがとうございました。
資料4-2に関しては、またあらためてそのときにお話していただくということで。
それでは、議題1について部会としての意見を取りまとめたいと思います。
○森委員
質問いいですか。
○有吉部会長代理
どうぞ、ございましたら。
○森委員
基本的なことお聞きしたいんですけれども、この固定局っていうのはいわゆる固定されていて、それから定点っていうのは移動していつも同じところで測るという意味での定点ですよね。
○事務局
はい。固定というのはモニタリングポスト、モニタリングステーションとあらかじめ設置してあるもう決まった場所、それから定点というのはご指摘のようにある決まったところで機材等用いて測定するというふうな定義で使い分けをしております。
○森委員
4回っていう頻度は、頻度は時間に対して回がないとよく分からないんですけど、これは年4回。
○事務局
はい、そのとおりでございます。
○森委員
可搬型っていうのは何台あるのですか。
○事務局
3台ございます。
○森委員
もし、この計画が、目的のところに緊急事態が発生した場合におけるモニタリングっていうときに、今までの国で合意されてるいわゆるモニタリング指針というのにのっとってるっていうことで、それはそれで決まりごとに対しては全く問題ないんじゃないかと思いますが、緊急事態が発生したとき、緊急事態っていうのが、ついああいう本物を見てしまうと、あれを緊急事態だっていうふうにやっぱ考えてしまうんですが、そのときに3台でどれくらいの頻度で測れるんでしょう。
○事務局
3台とも基本的には連続測定でございますので、連続測定、ずっと機材を置いておいて、連続でデータを収集しますので、頻度という意味では連続ということになると思います、緊急時ということになればですね。
○森委員
つまり、3台は連続で測定できるということですね。そうすると、いくら定点が100近くあったとしても、3点でしか測れないですね。そういう意味ではないんですか。本当に基本的なことで申し訳ありません。
○事務局
放射線、線量率のモニタリングについては、固定のモニタリングポストと、それから可搬型のポスト、それからさらにサーベイメータというのも持っておりますので、サーベイメータをもって例えばモニタリングが必要な地点っていうのを決めて、そこへ持っていって測るということも可能ですので、モニタリングポストとしては固定局と可搬型ポスト3台しか今のところありませんけれども、サーベイメータを併用することで、必要な地点でモニタリングはできるような体制をとっております。
○森委員
そうすると、能力として、今現実に例えば行われているような毎日の線量、公表されているように、そういうふうに公表しようとすると、現有のもので毎日の値を採ることができるんですよね。
○事務局
はい。また後でご報告させていただきますけども、福島にもうちの原子力センターの者が応援にまいりまして、同じようなサーベイメータ等を使って測定をした結果が今福島のほうでも当日公表されておりますので、そういう対応は可能でございます。
○森委員
じゃあ、質問の最後で確認ですけども、ここに書いてある地点数は、毎日のモニタリングができるっていうことですか。
○事務局
例えば、今69地点、緊急時モニタリング候補地点というのが計画に書いてございますけれども、名前のとおり、緊急時にこの69地点すべてで測るわけではなくて、候補地点ということで、例えば風向きによってこの方向のこういう地点でモニタリングをすべきということがございますので、この候補地点の中からどの地点でモニタリングをするという計画を立てて、指示をして、そこのデータを連絡させるという形になります。
○森委員
私の質問は、ですから何点で、例えば毎日モニターをしようとすると、何点でできるのですか。
○事務局
必要に応じて応援要員等を拡充するようになると思いますけれども、通常の訓練ですと、例えば10数地点で測定をして、そのデータを災害対策のほうに常時そのデータを送るという形になります。
○森委員
そうすると、現有の機器と体制で毎日のモニターをしようとすると、10数地点ができるっていうか、しかできない、そういうふうに思っててよろしいんでしょうか。
○事務局
そうですね。それは必要に応じて当然応援要員を増やすということで対応できると思います。
○森委員
はい、分かりました。
○有吉部会長代理
よろしいでしょうか。
ほかにございますか。
はい、どうぞ。
○古賀委員
年度計画に関しましては、今辻本先生のほうからお話がありましたので、それで充分だと思いますし、それから今資料のほうでも説明がありましたけれども、福島原発事故の影響というか、そういうふうなものを加味してこういうふうな修正を行ったということですので、そのことを盛り込んで修正を行ったということを、明記しても良いのではないかと思います。
○有吉部会長代理
はい、どうもありがとうございました。
それでは、ほかにございますか。
どうぞ、はい。
○辻本委員
私もよく分かりませんけど、通常のモニタリングはこれでええと思っておりますが、この中に緊急時何か異常、緊急じゃございませんが、何か異常とみたときにはその体制を整えてやっておられると。しかし、福島が収束しましたら、これはもういらないだろうと思っておりまして、何か一応異常がありそうと思ったのでこういう体制にしておかれるということでいいのではないかと思ったんです。この中へ盛り込んでしまいますと、ちょっとややこしくなるんじゃないかとも思ったんですが。
○有吉部会長代理
はい。
○森委員
よろしいですか。
考え方の基本をお聞きしたいのですけれども、後で福島対応についてはご説明があるということで、これはあの事故が、あの事故っていうか、あの影響のことを考えない場合のということですよね。そのときのここの緊急事態っていうのは、福島のことを想定するのではなく、伊方にもし緊急事態があったらというふうに今ずっと私自身は読んでいたんですけれども、そういう場合でも。
○辻本委員
伊方の場合は、緊急時モニタリング別にございます。だから、これとは別だと思います。モニタリングの指針には、緊急時モニタリング指針でやっております。
○森委員
分かりました。
○辻本委員
これは今やっております平常モニタリングの話じゃないかと思っております。緊急時が起こりましたときには、緊急時モニタリングに切り替えないといけません。それは別に緊急時モニタリング指針ございますから、それに基づいて切り替えられるだろうと。これは日常の、しかし日常でも福島みたいなことが起こりますと、やはりもう一度やっぱチェックしてみとく必要があるだろうから、ルーティン以外にこういうことをやられてると僕は解釈してるんでございます。
○有吉部会長代理
事務局。
○森委員
よろしいですか。
じゃあ、最後に確認したいんですが、この資料1の最初にある目的のところにある○の4つ目がございますね。じゃあ、ここでは緊急事態が発生した場合における環境放射線モニタリングの実施体制の整備というのは、ここでは考えないということ。
○有吉部会長代理
事務局何か。
○森委員
基本的なことで申し訳ございません。
○事務局
事務局からご説明します。
目的のその4番目に異常事態、または緊急事態が発生した場合における環境放射線モニタリングの実施体制の整備っていうふうにございまして、基本的には今回の通常調査の中でも趣旨としては入ってございますが、先ほど4-1のほうでご説明申し上げましたのは、あくまで福島第一原子力発電所由来と思われるものに対する対応ということで、通常の今回の伊方発電所由来、由来と申していいかあれなんですけども、からのものとはそこは区別して考えていくのがよろしいのかなという趣旨で資料自体も分けてご説明をさせていただいたという次第でございます。
○森委員
私、福島の影響っていうこといっさい申しておりませんが、つまりこの目的の○4のところの基本的な理解を教えていただきたいということです。これは、この審議事項は、資料1の審議だと思ってよろしいですか。
○有吉部会長代理
ええ、そうですね、はい。
○事務局
はい、基本的にはそういう形でお願いできればと。
○森委員
資料1の審議。
○事務局
はい。
○森委員
もし、資料1の審議であれば、目的の4番目っていうのが、この異常事態、緊急事態というのは、何を想定したもんなんでしょう。
○事務局
伊方発電所で発生いたしました異常事態、緊急事態ということです。
○森委員
私もそういう質問をしてるつもりなんです。
○事務局
はい、この資料1の目的としては、伊方発電所からの影響ということを考えてございます。
○森委員
じゃあ、そういう文脈で、緊急、あるいは異常が起きた場合の毎日のモニタリングが10数地点でしかできないというようなお答えではないんですか。
○事務局
今ご審議いただいてる調査計画は、通常時のモニタリング計画でございまして、この目的の4番にあります緊急事態が発生した場合に備えてというところは、通常のバックグラウンドのデータっていうのを継続して把握しておかないと、異常時に異常の検知とか、異常の影響とかっていうのが評価できないということで、そういう趣旨でこの4番は入っております。もし異常時になれば、別途定めた実施要領に基づいて、緊急時の対応はするようになっております。
○森委員
もし、今のご説明であれば、この文章はそういうふうに読めないと思いますので、文章のほうの変更が必要だと思います。つまり、異常の場合に参照すべき値を求めるのがこの69地点っていう、そういうことですね。
○事務局
そうです。事前に、例えば69地点ですと、緊急時のモニタリング候補地点ということですから、普段からバックグラウンドデータを把握して、平常値を把握しておく必要があるということで、通常から調査やっておくと。
○森委員
そうしますと、やはり1の目的の4番目の○というのは、そういうようには読み取れませんので、異常時、あるいは緊急事態が発生した場合に、参照することができるように、環境モニタリングの実施体制の整備っていうんであれば、もしものときのための参照値を取るっていうふうに読めて、それはそれでご説明のとおりのように私は納得できるんですが、今のこの文章のままですと、どう読んでも異常時が発生した場合の実施体制っていうふうにしか読めないと思うんですけど、日本語だと。ですから、もしご説明の内容が正しければ、文章を直す必要があるなという、そういう意味です、私の申すのは。
○辻本委員
僕は読めると思たんでございます。一応、平常時モニタリングやっておりまして、緊急時起こりましたら、緊急時モニタリングに切り替えないきません。だから、緊急時モニタリングに切り替えるまでにすぐ役立つような、日頃から緊急時モニタリングと連携がなければいけないだろうと。だから、平常時モニタリングやっておりますけど、その環境モニタリングも、異常時の場合には、この環境モニタリングの実施体制がそのまま緊急時のほうにも生かされるような、そこ生かされるように、日頃から体制を整えないけないだろうということで、測定データにしましても、測定値にしましても、測定ポイントにしましても、平常時を踏まえて緊急モニタリングが入っていかないといけないから、こういう日頃から緊急時も想定しながら、その測定値を整備しときなさいと。しかし、平常時モニタリングだけでは緊急時はできませんので、これ以上のモニタリングはたくさんやらないけません。しかし、平常時でやってるのを基本になるから整備という意味で、実施体制の整備という意味で、そういう念頭に置いてやりなさいということだと思いますんで、意味はいいんじゃないかとも思うんですが。これは緊急時も起こらないで、何もないのにモニタリングやってるわけじゃございませんでして、やはりこのバックデータが非常に役に立つんじゃないかなと思います、緊急時の場合には。ただ、そういう役に立つような、すぐ通常の環境モニタリングから緊急モニタリングに切り替えますけど、そのときに全くゼロから緊急時モニタリングをやるんじゃなくて、通常のモニタリングも十分役立つような体制にしときなさいという意味で解釈したんでございます。
○有吉部会長代理
はい、ほかの委員さん誰かありますか。
○岡村委員
お2人の委員の意見、どっちでも読めるといえば読めるんでしょうけども、明らかに誤解のないように書けばいいだけの話であって、こういう実施体制の整備と書いたら、実施体制を整えることに。実施体制の整備に資するデータをするというんであれば、森委員のような書き方になって、誤解のないように書き直せばいいだけの話ではないでしょうか。
○有吉部会長代理
ほかにありますか。
どうぞ、はい。
○事務局
今の4番目の目的のこの趣旨につきましては、先ほど来ご説明したとおりでございますが、表現につきましては、委員各位からご指摘もございましたので、事務局でちょっと明確化ができるかどうか修正の作業をさせていただきまして、また別途提示させていただくということとさせていただければと思います。
○有吉部会長代理
はい、分かりました。
はい、どうぞ。
○辻本委員
私、環境放射線のモニタリングの指針を作ったときの一番初め作った原案を作りましたので、お手伝いさせてもらって作ったんですが、それから30年、40年たってしまっておりますが、元の原案を作ったとき、そういう気持ちが作ったときに入っておったということなんでございます。
○有吉部会長代理
いいですか。
では、文言の問題が1つペンディングという形になりますけれども、23年度の調査計画につきまして一応まとめさせていただきます。
平成23年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画については、前年度の調査を基本的に継続するもので、積算線量の評価法の見直し等、必要な見直しが図られていることから、適切なものと認められるというふうにまとめたいと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは、そのようにさせていただきます。
(2)平成23年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画について
○有吉部会長代理
次に、議題の2、23年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画について審議をお願いいたします。
まず、事務局から説明をしてください。
○事務局
はい。
平成23年度の温排水影響調査計画案につきまして、水産課のほうからご説明いたします。
座って説明をさせていただきます。
まず、資料の2をご覧ください。
この調査は、伊方原子力発電所から排出されます冷却用の温排水が周囲の環境や漁業に与える影響の有無を判断することを目的としとります。愛媛県と四国電力がそれぞれ実施しているものでございます。表紙は、両機関の調査計画案を概要として取りまとめております。
資料を3枚めくっていただきまして、平成23年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画案の1ページをお開きください。はじめに、愛媛県が実施します調査計画を示しております。調査期間につきましては、平成23年4月から24年3月までの1年間で、昨年度と同様に調査の一部を愛媛大学に委託する予定としております。
2ページ目の表1をご覧ください。調査内容につきましては、連続水温の測定を行うほか、水質、水温、プランクトン調査を年4回、流動、拡散調査を年2回、付着動植物調査を年4回実施する計画であります。
各調査測点につきましては、資料の3、及び4ページに図示をして示しております。
また、温排水が漁業に与えます影響を見るために、八幡浜漁協の町見・瀬戸・有寿来の3支所で漁業実態調査を9年実施する計画であります。なお、調査測点、調査方法とも、昨年と変更はございません。
続きまして、5ページをご覧ください。四国電力の平成23年度の調査計画を示しております。調査期間は、県と同様に平成23年4月から24年3月までの1年間でございます。
6ページから9ページの表2をご覧ください。調査内容は、水温、塩分、流動、そして水質、底質、生物等の調査、それに加えまして卵・稚仔の取り込み影響調査を年4回、藻場分布、及びプランクトンの取り込み影響調査を年2回実施する計画であります。
各調査測点につきましては、資料10ページ以降の図に示しております。
なお、四国電力におきましても、調査測点、調査方法とも、昨年度と変更はございません。
以上が平成23年度の温排水影響調査計画案でございます。
よろしく審議のほどお願いします。
<質疑応答>
○有吉部会長代理
ただ今ご説明いただきました23年度の温排水影響調査計画につきまして何かご質問、ご意見ございましたら、どうぞ。
それでは、武岡委員さん、ご専門の立場からお願いします。
○武岡委員
温排水影響調査に関しましては、今もご説明ありましたけど、これまでどおりの内容となっており、特に問題はないと思います。
○有吉部会長代理
はい、ありがとうございました。
それでは、この議題2につきまして、部会としての意見を取りまとめさせていただきたいと思います。
平成23年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画については、前年度の調査を基本的に継続するもので、適切なものと認められると、とりまとめたいと思いますが、よろしいでしょうか。
はい、それでは、この両調査計画とも、部会の意見を午後の管理委員会に報告させていただきます。
以上でこの議題につきましては終わらせていただきまして、次報告事項へ移らせていただきます。
はい。
○森委員
先ほどの資料1の4の文言の修正付きということなんですけど、私自身は管理委員の皆さまの、あるいは事務局のほうからのご説明のあった内容が技術的な問題を言っているわけではありません。あくまで、技術的なものが確保できるのは、安全という概念であって、午後の一般の方が入ってくるとなると、安全は技術にいくら任しても、安心できるかどうかっていう問題になってきます。そうすると、やはり誰が読んでも同じ解釈ができるような文言というのは、とても大事なことだと思いますので、ぜひ午後の会議のときまでに、この文言の修正をできれば、暫定的で構いませんので、お願いできたらと思います。
○有吉部会長代理
はい、どうもご意見ありがとうございました。
事務局のほう、よろしゅうございますか。
○事務局
はい、それでは、至急ちょっと中身を確認いたしまして、この会終わりますまでの間にお示しできるようにいたします。
○有吉部会長代理
はい、よろしくお願いします。
2 報告事項
(1)伊方3号機プルサーマルの運転状況について
○有吉部会長代理
それでは、報告事項の1番目ですが、伊方3号機プルサーマルの運転状況について、資料3でございますが、伊方3号機では、昨年3月初めからプルサーマルによる運転を開始されているところです。当委員会におきましては、昨年9月、プルサーマルの状況につきまして説明していただき、従来のウラン燃料での運転と同様で安全に運転をされているということを確認したところです。
本日は、その後のプルサーマルの運転のデータについてご報告いただきます。
それでは、四国電力から説明お願いします。
○四国電力
四国電力原子力本部長の石﨑でございます。一言ごあいさつさせていただきます。
日頃は、伊方発電所の運営につきましてご指導いただきまして、この席をお借りして厚く御礼を申し上げます。
この度の東北地方を襲いました巨大地震に関しましては、被害に遭われた方々に対し、心よりお見舞いを申し上げます。
また、東京電力福島第一原子力発電所の事故につきましては、収束に向けた懸命な努力が関係者により続けられておりますが、多くの方々に大変なご不安をおかけしております。
今回の事象は、当社としましても同じ原子力に携わる事業者として極めて重く受け止めております。福島第一原子力発電所における一連の事象の詳しい内容というものは、今なお明らかになっておりませんが、今後も必要な対策を速やかに講じていきたいと考えております。
本日は、東日本大震災での福島第一原子力発電所の状況、及び今回の地震や津波を踏まえました伊方発電所で実施しております安全強化対策についてご報告させていただきます。また、昨年より順調に運転を重ねております伊方3号機のプルサーマルの状況につきましてもご報告させていただきます。
私どもといたしましては、今後とも信頼される伊方発電所を目指しまして、安全、安定運転の継続と情報公開の徹底に全力を上げて取り組んでまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
それでは、議事次第に従いまして原子燃料部の武田からご説明申し上げます。
○四国電力
武田でございます。
それでは、お手元の資料3に基づきまして、伊方3号機プルサーマルの運転実績についてということでご報告させていただきます。
座らせていただきます。
当社は、昨年2月、伊方3号機にMOX燃料を装荷した後、定格熱出力で問題なく運転しておりましたが、本年4月29日に定期検査のため運転を停止いたしました。
昨年8月までの運転状況につきましては、MOX燃料炉心の安全性に問題ないこと、及びMOX燃料炉心は適切に設計できていることを昨年9月にご報告させていただきました。
今回報告させていただく内容につきましては、その後の運転状況ということで、以下のとおりとなっております。なお、別紙に具体的なデータを示しておりますが、先に結論のほうから申し上げたいと思います。
まず、定格熱出力運転におけます保安規定に基づく毎月の確認項目の結果が、運転上の制限を満足しているとともに、設計値と測定値に有意な差はないことから、MOX燃料炉心の安全性に問題はありません。
確認項目につきましては、下に記載しております3つの項目でございます。また、MOX燃料炉心におけます当該確認項目の設計値と測定値の差は、過去のウラン燃料炉心と同等であることから、MOX燃料炉心は適切に設計できているものと考えております。
これらの結論につきましては、前回のご報告内容と同じでございます。
それでは、別紙ということで次のページをお願いいたします。1番目のグラフは、熱流束熱水路係数でございます。定義につきましては、グラフの下に記載しておりまして、炉心内におけます局所的な最大出力と平均出力の比です。今回追加させていただいたデータは、薄い灰色の丸で示してありまして、その他の白い丸、それから黒い丸、黒三角は、前回報告させていただいたデータでございます。この後で出てきますグラフも、同様な記載になっております。で、縦軸に設計値、横軸に測定値を取って、斜めの直線が設計値と測定値が一致するところとなっておりまして、判定基準も併せて記載しております。今回追加させていただいたデータにつきましては、前回報告させていただいたデータと同様に、判定基準の2.32以下を満足してるとともに、設計値と測定値に有意な差はなく、また前回のウラン燃料炉心と同等となっております。
下のグラフは、核的エンタルピ上昇熱水路係数でございまして、炉心内におけます燃料棒の最大出力と平均出力の比です。このグラフにつきましても、判定基準の1.64以下を満足しているとともに、設計値と測定値に有意な差はなく、また前回のウラン燃料炉心と同等となっております。
次のページをお願いします。このグラフは臨界ボロン濃度でして、原子炉が臨界を保っているときのボロン濃度でございます。運転に伴いまして徐々にボロン濃度の値は小さくなりまして、グラフでは右上から左下に下がってまいりますが、このデータにつきましても、判定基準の設計値±100ppmを満足し、設計値と測定値に有意な差はなく、また前回のウラン炉心と同等となっております。
以上で伊方3号機プルサーマルの運転状況についての報告を終わらせていただきます。
<質疑応答>
○有吉部会長代理
はい、どうもありがとうございました。
それでは、今のご説明に対して質問、ご意見等ございますでしょうか。
はい、どうぞ。
○宇根崎委員
すいません、貴重なデータありがとうございます。
ちょっと質問、今の時点のMOXの集合体の燃焼度というのはいくらぐらいになってましょう。だいたいで結構でございます。
○四国電力
1サイクルしか燃えておりませんので、1万数千だと思います。それぐらいにはなってると思います。
○有吉部会長代理
よろしいでしょうか。
ほかに。
はい、どうぞ。
○渡邉委員
定期点検中だとお聞きしてますけども、今回の定期点検中にMOX燃料の場所は変わるわけですか。
○四国電力
次のサイクルにMOX燃料をどこに入れるかというところでございますよね。これにつきましては、燃料の今後行います外観検査というのを行いまして、それに踏まえて炉心の安全性を評価します。その中で、どこの場所に置くのがいいかっていうことを決めますので、これから決定されるというふうになってます。
○渡邉委員
その場合に、1サイクル分燃えた燃料のスペクトルの効果というのは、どのくらい入ってくるんですか。それを考慮したようなものを考えるのか、それともこれまでのステップ1なりステップ2と同じようなサイクル、あるいはパターンでもってやられますかという質問なんですけども。
○四国電力
多分、MOX燃料につきまして先生方がご心配されてるのは、高エネルギー側のスペクトルが多分通常のウラン燃料よりも高いんじゃないかということだと思うんですけれど、これにつきましては、われわれとしてみれば通常の装荷パターンでもいろいろ差がございまして、そういった意味でいくと、MOXだからといってスペクトルを全面的に考慮しての装荷パターンの検討ということは基本的には考えなくて、通常のウラン燃料ステップ1、ステップ2と同じ考え方で炉心の安全性を考慮した格好で配置していく考え方です。
○渡邉委員
どれだけ影響があるかというのは、われわれも分からないんですけども、それが本当に通常のパターンでいいか悪いかというのは、非常に難しいと思うんですよね。
○四国電力
実際には原子炉への照射回数に対する影響ということになろうかと思いますけれど、従来と4分の1までのMOXを装荷することについては、大きな差がないという理解をしておりますし、実際には照射試験片というものをきちんと確認することで、原子炉への影響というのを評価をしていきたいというふうに考えておりますので、基本的には通常のウラン燃料と同じような考え方で設計したいというふうに考えております。
○渡邉委員
分かりました。
○有吉部会長代理
よろしいですか。
ほかにございますでしょうか。
それでは、意見も出尽くしたようですので。
はい、どうぞ。
○宇根崎委員
これから次のサイクル以降もこういうMOXを装荷した炉心での運転を継続するということなんですが、今回1サイクル目のデータが出そろったということで、9月の前回委員会のときにこういうデータというのは、もうぜひ積極的に公表して、それでその安全性というのはやっぱり公開して、透明性を確保するというのは、やはり重要であるということを踏まえますと、今回出てきたデータは、ご説明あったとおりに、工学的に見て本当に特に設計値と測定値の有意な差がないということ、それからウラン炉心とほぼ同等の傾向があるということで、まず第1サイクル面に関してはもう安全性は十分保っているというか、適切に設計できているというふうに考えます。ですから、先ほど渡邊委員さんのほうからもご指摘あったように、次のサイクル以降もぜひこういうデータというのは非常に貴重なデータでありますので、ぜひ引き続きこういう場で公表していって、透明性の確保、それから安全、安心の確保に努めていっていただきたいと思います。
○有吉部会長代理
はい、どうもありがとうございました。
ほかにございませんでしょうか。
それでは、四国電力のほうにお願いをしときたいんですが、こういったデータの公開というのは、県民の安心、安全の向上ということで大変重要だと思いますので、今後とも積極的に情報を出していただいてと思いますので、よろしくお願いします。
○四国電力
こういう場がありましたら、積極的に出していきたいと思っています。よろしくお願いします。
(2)福島第一原子力発電所の事故の状況及び対応について
○有吉部会長代理
それでは、次の報告事項の2番目に入りますが、資料がたくさんございますけども、東北地方の太平洋沖地震と、これに伴う大津波による福島第一原子力発電所の事故の状況と対応についてであります。
まず、地震発生後、県の対応の概要、これは資料の4-1になりますが、それから続きまして、資料の4-2になりますが、福島第一原発事故の県内影響に係る監視、これの監視の強化、モニタリングの強化、4-2、4-3になりますか。それと、福島県派遣モニタリング支援チームの活動状況、資料の4-4ですか、について事務局からまず報告させていただきます。
そのご質問の後、引き続いて福島原発の事故の状況と伊方発電所に係る緊急安全対策について、これは資料5になりますが、四国電力から説明していただきます。
それでは、事務局、よろしくお願いします。
a.県の対応の概要、モニタリング監視強化及び福島への支援状況について
○事務局
はい、それでは、事務局から今回の東北地方太平洋沖地震発生後の県の対応状況等につきましてご説明いたします。
まず、資料4-1をご覧ください。経緯でございますけれども、まず地震、及び福島第一原発事故の経緯でございます。3月11日にM9の地震が発生いたしました。翌12日、第一原発1号機で水素爆発。14日、同3号機で水素爆発。15日、同4号機で火災が発生といった経緯がございます。
これに対しまして、県の四国電力への対応でございますけれども、この中、いくつか県の立ち会い等もちょっと交えて入っておりますね。まずは、県として四国電力さんに直接対応したものといたしまして、まず15日、3月15日でございますけども、知事から四国電力社長に対しまして、今回の事故の情報収集と分析、及び国の基準を上回る安全対策の早期実施につきまして要請をいたしました。翌16日でございます。知事が伊方発電所を訪問いたしまして、非常用ディーゼル発電機等を現地確認をしてございます。併せて、伊方町、及び八幡浜市を訪問いたしまして、四国電力への要請を伝達してございます。30日でございますが、四国電力社長から15日要請いたしました安全対策につきまして報告を受けてございます。知事から同社社長に対しまして、原子力本部を愛媛県内に移転するよう要請をいたしました。4月13日でございます。四国電力社長から、30日に要請した原子力本部移転につきまして、松山市へ移転する旨報告を受けてございます。1つ飛びまして26日でございますが、伊方3号機の定期検査計画の報告を受けまして、福島第一原子力発電所事故を踏まえ、安全確保に万全を期すよう要請をいたしてございます。このほか14日、16日、それから4月の26、27、28、5月6日といった形で、伊方発電所現地で行われております訓練等に県職員が現地確認で立ち会いをさせていただいております。
続きまして、3番目の安全協定に基づきます対応でございます。これは具体的には、協定に基づきまして、四国電力のほうから報告のあったものにつきまして列記をさせていただいてございます。大まかなものといたしましては、3月30日、福島第一・第二原子力発電所事故を踏まえたほかの発電所の緊急安全対策に関します国からの指示がございまして、この指示があった旨報告を受けてございます。そして、この指示に対しまして、4月25日でございます。緊急安全対策の報告を取りまとめ、これを県のほうにも報告をいたしまして、受理してございます。
次のページでございますけれども、4番の環境モニタリングでございます。3月の11日地震発生以降、八幡浜市の原子力センターにおきまして、環境放射線等のモニタリングの監視を強化いたしてございますが、18日までの間、逐次強化をしてきてございます。そして、この3月25日以降でございますが、また後ほどデータを交えまして詳細にご説明いたしますが、監視強化後、大気浮遊じん等から放射性のヨウ素等が検出されてございます。そして、これらにつきましては、検出後、速やかに検討いたしまして、記者会見等におきまして公表をさせていただいているところでございます。
そして最後に、5番の現地への支援でございますけれども、まず福島県へスクリーニングチームを派遣してございます。3月21~27で1班、28~4月3日で第2班いうことで計8名、災害対策本部から指示のございました避難場所におきまして、住民に対しますスクリーニングを実施してございます。そして、続きましてモニタリングチームも福島県の方に派遣してございます。3月23日~29日までを4名、31日~4月5日までを第2班として3名、計7名を派遣してございまして、この際モニタリングカーも現地へ搬入いたしまして、災害対策本部から指示のありました福島原発周辺地点での放射線測定、及び環境試料の採取を実施してございます。そして、このほか要請に基づきまして、資機材等も多数提供してございまして、防護衣、活性炭フィルター等を適宜提供して支援に努めてきているところでございます。
続きまして、資料4-2に基づきまして、福島第一原発事故の県内影響に係る監視の調査計画につきまして、先ほど概要をご説明いたしましたが、もう少し細かくご説明いたしますと、福島第一原発からの放出放射能の影響が迅速に検出される可能性があります調査項目を中心に、陸上試料と海洋試料から選定してございます。
まず、陸上試料といたしましては、空間線量率、大気浮遊じん、降下物・降水、及び水道水、これらを調査項目としてございます。空間線量率につきましては、伊方発電所周辺は通常調査で測定しておりますので、中予地区では松山市に設置しておりますモニタリングポストのデータの公表頻度を向上させております。また、東予地区におきましては、県の四国中央庁舎に伝送式の可搬型ポストを新たに設置いたしまして、測定を開始してございます。大気浮遊じん、降下物・降水、及び水道水につきましては、八幡浜市保内町の原子力センターにおきまして試料を採取いたしまして、ゲルマニウム半導体検出器によりまして毎日測定を行っております。
次に、海洋試料でございますが、海水と指標生物2種を測定することといたしております。海水につきましては、通常調査では伊方発電所沖で年4回測定してございますが、東、中、南予各1地点を追加いたしまして、年4回測定することとしてございます。指標生物といたしましては、海藻類のホンダワラと、無脊椎動物のムラサキイガイを四半期ごとに1回ずつ測定する計画でございます。
以上が、福島原発事故の県内影響に係ります監視調査計画でございます。なお、この監視調査計画につきましては、福島第一原発の状況や調査結果の推移等を踏まえまして、適宜見直すこととしてございます。
引き続いて、資料4-3につきましてご説明いたします。
申し遅れましたが、原子力センターの二宮と申します。
県の原子力センターでは、福島第一原発事故発生以降、ただ今ご説明しました4-2の監視強化計画に基づきまして県内への影響の監視を強化しておりますので、これまでの測定結果につきましてご報告させていただきます。
まず、1の概要ですけれども、これまでに大気浮遊じん等の環境試料から、福島第一原発事故の影響とみられる人工放射性核種が検出されておりますけれども、いずれも微量でございまして、本県内では人体に影響があるような放射線線量率、及び放射性物質等は認められておりません。
2に各項目ごとの調査結果を記載してございます。
まず、(1)の空間線量率でございますが、表にありますとおり、松山市1局、伊方町8局のこれは常設局、それから四国中央市の仮設のポストにおきまして、いずれも空間線量率は、降雨に伴う自然放射性物質の増加による上昇は見られましたけれども、福島第一原発事故の影響と考えられる上昇は認められておりません。表中測定日が、資料の準備の都合で4月28日までとなっておりますけれども、この結果は昨日までの結果でも同様でございます。
次に、(2)の環境試料中の放射性物質濃度でございますけれども、アの大気浮遊じんです。表の濃度の測定値の欄を、右から3番目ですけれども、測定値の欄をご覧いただきますと、近年検出されておりませんでしたヨウ素-131等が検出されておりますけれども、濃度はごく微量でございます。1番右端の欄に、法令で定められております一般の地域の空気中の濃度限度基準を記載しておりますけれども、これに比べましてはるかに低い値でございまして、人体への影響はございません。伊方原発に異常等ありませんことから、福島第一原発事故によって大気中に放出された放射性物質の影響と考えられます。
少し飛びますけれども、3ページに参考としまして大気中の放射性核種濃度の時間推移を実施してございます。真ん中の図が、横軸が採取日時で、縦軸が濃度になってございます。黒で示しておりますのが本県の各核種のデータ、黄緑で示しておりますのが岡山県の塵状のヨウ素-131、水色で示しておりますのが島根県での塵状のヨウ素-131でございます。いずれも本県と同様の傾向を示しておりまして、気象条件によって広域的に濃度が増減するものと推察されます。右下に一番高いピークのときの天気図を記載しておりますけれども、基本的に日本は西風が卓越してございますが、このような気象条件によって東風がときどき卓越することございまして、そういうとこにこのピークが対応しております。左下の図に、原子力安全委員会が公表しました大気中への福島第一原発からの放出量の積算値を記載しておりますけれども、3月15日に放射性物質の大量の大気放出があった後、放出量は減出しておりますけれども、完全に収束しているわけではございませんので、今後も福島原発の状況や気象条件によって検出される可能性がありますことから、引き続き監視強化を継続していく必要があると考えております。
1ページにお帰りいただきまして、(2)イの降下物・降水でございます。これにつきましても、近年検出されておりませんでしたヨウ素-131が降雨時に検出されておりますけれども、濃度はごく微量でございまして、人体への影響はございません。これにつきましても、福島第一原発事故の影響と判断しております。
2ページにまいりまして、ウの水道水でございますが、水道水からは人工放射性核種は検出しておらず、福島第一原発の影響は認められておりません。
次に3でございますが、従来から継続して実施しております伊方原発の監視調査結果でございます。この調査結果につきましては、通常は四半期ごとに取りまとめて、当部会の先生方のご意見を聞いた上で公表しておるものでございますけれども、福島第一原発事故踏まえて、人工放射性核種が検出された際には、速報値として公表してきてございます。
次の表に記載しておりますとおり、人工放射性核種が検出されておりますが、いずれも濃度はごく微量であり、人体への影響はございません。近年検出されていないヨウ素-131等の検出につきましては、福島原発の影響というふうに考えております。
以上で資料4-3の説明を終わらせていただきます。
○事務局
それでは引き続きまして、福島県に派遣をいたしましたモニタリング支援チームの活動状況についてご説明をいたします。
環境技術専門監の徳山でございます。よろしくお願いします。
座って説明させていただきます。
お手元の資料4-4をご覧ください。今回の災害に愛媛県から派遣をいたしました環境モニタリングチームでございますが、第1班としまして3月23日~29日まで、現地では24日~29日に活動してございます。第2班が3月31日~4月6日、現地は3月31日~4月5日でございます。新潟県経由で車両を搬送いたしましたために、第1班の往路と第2班の復路は移動日を要してございます。
派遣の経緯でございますが、3月12日、福島県から原子力発電関係団体協議会の幹事県でございます石川県を通じまして、原子力災害時の相互応援に関する協定に基づき、緊急時モニタリング要員派遣が可能であるかどうか調査がございました。愛媛県としましては、直ちに環境放射能測定機器を積載したモニタリングカー、並びに要員を派遣する方向で検討いたし、派遣の準備を整えまして待機をいたしました。3月21日に、文部科学省から正式な派遣要請がございまして、福島第一発電所から30キロメートル以遠であればモニタリングに行こうということで、そういうことを条件に派遣をいたしました。
次に、モニタリングの場所でございますが、資料の下に小さな地図を付けてございます。ちょっと見にくうございますが、2ページ目に少し拡大した地図を載せてございます。当時、福島県では、第一原子力発電所から20キロメートル以内、ここのモニタリングを文部科学省と東京電力が担当してございました。20キロメートルの外側を福島県が担当しているという状況でございました。福島県では、20キロメートル以遠を7つのエリアに分けて、それぞれ班分けで実施してございます。本県は、その中で30キロメートル以遠となります第3班のエリアを担当いたしました。現地モニタリングを開始した時点では、他県からの応援はございませんで、愛媛県のみでございました。
2ページ目、測定場所の詳細図のとおり、福島市内にございます原子力センターの支所から毎日出発をいたしまして、(1)から(5)の測定箇所をルートを追って毎日モニタリングをし、支所に帰るという任務でございます。走行距離にいたしまして170、ないし200キロメートル程度の走行距離でございます。
モニタリングの内容でございますが、福島県災害対策本部の指示の項目といたしまして、1日のヨウ化ナトリウムシンチレーションサーベイメータ、これを用いました空間線量測定、それからローボリュームエアサンプラーを用いましたヨウ素をモニタリングするための大気中浮遊じんの採取、葉菜、及び土壌、それから水道水、これらのサンプリング、これが対策本部指示項目でございます。で、私ども愛媛県独自の項目といたしまして、モニタリングカーを用いました走行サーベイを実施してございます。モニタリングカーでは、測定位置情報、緯度経度の情報を含めまして、ルート上の空間線量をずっと測定して走ることができますので、毎日そのデータを福島県に提供をいたしました。
モニタリングチームの班員が、現地で活動した際の被ばく積算線量でございますが、第1班4名の最小48~最大55μSvでございました。第2班は3名でございますが、35ないし37μSvでございました。
モニタリングしました結果につきましては、3ページ目の最後に折れ線グラフで表示をしてございます。3月25日の数値から4月4日の数値まで、若干下がり傾向であるということがお分かりいただけようかと思います。
以上でございます。
<質疑応答>
○有吉部会長代理
どうもありがとうございました。
ただ今の説明につきましてご質問、ご意見ございますでしょうか。
辻本委員さん、先ほどお話いただきました後、何か付け加えることはございますか。
○辻本委員
被ばくはどのぐらいされたのか、それから内ばくが測られておったかということをちょっとお聞きしたいんですが。
○事務局
モニタリングチームの積算線量につきましては、積算線量計を新潟県から福島県の県境を越えた時点から携行いたしまして、福島県を出るまでの間ずっと積算線量を毎日記録をいたしまして、その数値をこちらに載せさせていただきました。内部被ばくにつきましては、特段測定等いたしてございませんが、マスクの着用、手袋の着用、そういったこと用心をいたしまして健康管理をしたつもりでございます。
以上でございます。
○有吉部会長代理
はい、よろしいでしょうか。
ほかにございますでしょうか。
はい、どうぞ。
○渡邉委員
この積算線量を測定するときは、作業中だけですか。それとも、寝ている間というか、作業してない間も。
○事務局
福島県に入る時点で、各班員に積算線量計を配りまして、それをずっと携行します。ですから、寝ているときも枕元に置いて、ずっとそれを個人1台管理するという方法でございます。
○有吉部会長代理
よろしいでしょうか。
ほかにありますでしょうか。
どうぞ。
○辻本委員
環境モニタリングの測定ですが、こういう事態起こったときに即対応されたということは非常にいいことだと思っております。逐次測っておられます。非常に希少な線量でございますが、われわれの仲間いろいろおりますが、愛媛がテルルとかテクネチウム等を全部測ってるということで、非常に驚嘆しておりまして、非常に技術的にも立派じゃないかなと思っておりますし、対応も非常に良かったんじゃないかと考えております。
それで、今先ほども被ばく線量と言いましたけど、これは県から行かれますから、一般人としての線量限度でございますよね。作業従事者じゃございませんですね。この頃、非常に線量限度がややこしくなりまして、一般人をだんだん増やしていったり、20にしたり、暫定と言って250にしたりいろいろと変わっていきますんですが、こういうときに県から出ていかれるのは一般人だろうと思いますので、一般の線量限度に従って、被ばくしないように心がけていただきたいと思います。
○有吉部会長代理
よろしいでしょうか。
ほかにございませんでしょうか。
はい、それでは、ご意見も出尽くしたようですので、県のほうにお願いしたいんですが、この福島の事故っていうのは、もうすべての人が早く収束してほしいと願ってるわけなので、そういう県民の不安を解消するというためにも、こういうモニタリング、その実施とその結果、適切に周知していただくようお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
b.事故の状況及び伊方発電所の緊急安全対策について
○有吉部会長代理
それでは続きまして、四国電力のほうから、福島第一原子力発電所の事故の状況、それから緊急の対策等について説明いただきたいと思います。
○四国電力
それでは、あらためまして原子力部長の玉川でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、前にありますプロジェクターを用いまして、今回の福島第一原子力発電所の事故の状況、それとわれわれのとりました対応につきましてご説明をさせていただきます。
着席させていただきます。
まずはじめに、この度の東日本大震災に伴います福島第一原子力発電所の事故につきましては、私たち自身想像もつかなかったような大事故につながりました。いまだに十分な収束にいたっておりませんで、詳しい事故原因につきましても調査が進んでおりません。そういったことから、もどかしい状況が続いてございますが、一刻も早い収束に向けて、電力業界も結集をして支援を行っていくところでございます。一方では、今回の事故は世界中に衝撃を与えました。特に、原子力発電所の立地地域の皆さま方には、大変なご心配をおかけしてございます。このため、当社では、震災直後速やかに、自主的な取り組みといたしまして、電源の確保対策等、重点におきまして緊急の安全対策に取り組んでまいりました。本日は、それらの状況につきましてご説明をいたします。
それでは、お手元の資料によりましては2枚ほどめくっていただきまして、左下のページ番号1からご説明をいたします。まず、このページは、今回の地震の概要についてご説明をした資料でございます。すでによくご存知とは思いますが、今回の地震のメカニズムにつきましては、簡単にご説明いたしますと、震源が宮城県三陸沖の130キロメートル、深さが24キロメートルということで、M9.0という最大級のものでございました。また、震源域が500キロメートル×200キロメートルという広範囲にわたり動いたとされてございます。
次に、次のページでございますが、今回の地震のメカニズムを示してございます。今回の地震は、一般的な断層によるものではございませんで、プレート間地震と呼ばれまして、日本海側に沈み込みます太平洋プレート、その上に位置します北米プレート、この間で生じたものでございます。北米プレートが広範囲に一気に上昇したということから、水深の深い日本海溝の大量の海水を持ち上げ、大津波を発生さしたということでございました。
続いて、3ページ目でございますが、このシートには、福島第一原子力発電所の事故の状況を記載してございます。もうすでに新聞報道でよくご存知とは思いますが、簡単にご説明いたしますと、地震発生直後には1号機から3号機までが運転中でございました。4号機から6号機につきましては、定期検査のため停止中でございました。地震発生直後には、1から3号機は設計どおり自動停止をいたしました。その間、非常用ディーゼル発電機が起動しておりましたが、その後発生いたしました津波によりまして、電源がすべて喪失してしまいました。そのことから、燃料の冷却ができなくなりまして、一部の炉心が溶融し、水素爆発という二次的な事情が重なり、大量の放射性物質を放出するという過酷な事故にいたりました。特に4号機につきましては、定期検査中でしたが、燃料を取り出した直後ということもありまして、燃料ピットの冷却ができずに、同様の結果となってございます。現在では、外部電源が復旧いたしまして、淡水による冷却中でございますが、やっと1号機の建屋に入ることができ、これから本格的な炉心の冷却に着手できる段階に移行すると思いますが、まだまだ復旧には時間がかかるというふうに予想されてございます。
次に、4ページ目でございますが、福島第一の津波想定と被害についてのご紹介でございます。福島第一原子力発電所の敷地高さにつきましては、1~4号機で10m、5、6号機では13mでございました。設計上想定いたしました津波の高さというのが最大で5.7mというところに、14m~15mの津波が来たということから、建屋の中まで浸水をいたしまして、海水ポンプだけではなく、非常用ディーゼル発電機や電源装置まで浸水し、使用ができなくなりました。
次に、5ページに移りますが、このシートは、福島第一発電所の事故の状況を簡潔にまとめたものでございます。原子力発電所の安全性につきましては、「止める」、「冷やす」、「閉じ込める」という3つの機能で説明してございますが、今回の事故では、このうち「止める」は制御棒が自動的に挿入され、原子炉は設計どおりに停止をいたしました。ところが、津波によりまして、すべての電源が喪失しましたことから、冷やす機能であります海水冷却系が使えなくなりまして、原子炉や使用済燃料ピットの冷却ができなくなりました。その結果、炉心の燃料が露出しまして、水素爆発等の二次的な事故が重なり、放射性物質を閉じ込める機能までなくなってしまうという事象でございました。
次のページには、今回の東日本大震災で観測されました福島、女川の各発電所での地震動につきまして公表されたものを一覧にまとめたものでございます。設計に用いられました基準地震動を超えた部分を少し赤い色で着色してございますが、ほぼ設計で想定されたものと同等の地震が発生したというふうに思われます。これらにつきましては、今後詳細に評価された段階で、伊方への反映を検討していくことといたします。
次に、7ページからは、伊方発電所の耐震安全性と津波の評価についてご説明いたします。昨年、新耐震設計審査指針、これの見直しに基づきます耐震バックチェックにおきましてご説明をいたしましたけれども、伊方発電所の耐震安全性評価につきましては、敷地前面海域の断層群、これによります地震想定から評価した結果、基準地震動につきましては、現在570ガルというふうに定めてございます。これにつきましては、保安院、及び安全委員会で審議されまして、妥当であるという評価をされてございます。一方、今回の東日本大震災と同様のプレート間地震でございます東南海・南海地震、これにおきましては、地震の規模はM8.6と非常に大きなものでございますが、伊方発電所の影響としましては、最大加速度が約94ガル程度ということで、比較的小さな影響と考えてございます。
続いて、8ページには、昨年もご紹介しました使用設備の耐震安全性を示してございます。いずれも十分な余裕を持っていることを確認済みでございますが、今回の地震評価により新たな知見が得られた場合には、適切に対応していきたいと考えてございます。
続きまして、津波の評価についてご説明をいたします。繰り返しになりますが、伊方発電所で想定される地震には、敷地前面の断層群によりますものと、東南海・南海地震のプレート間地震がございます。東南海・南海地震では、今回と同様にプレートが縦にずれるということから、大きな津波が発生をいたします。一方、敷地前面の断層群によります地震につきましては、断層が横ずれということもございますが、海底の起伏がほとんど起こらないということから、また水深も約80mということで非常に浅いということもございますが、津波の規模は小さなものになります。
10ページには、伊方発電所の設計に用いた津波の想定について記載してございます。地震や津波については、過去にさかのぼって記録文献を調査をいたします。伊方発電所の周辺につきましては、この津波の被害があったという記録は現在のところございません。伊方発電所に影響を及ぼす可能性のある津波が発生する地震につきましては、先ほど言いましたように、東南海・南海地震と敷地前面海域の断層群を想定してございますが、両者の解析評価の結果、伊方発電所の影響が大きいものは、敷地前面の断層群によるものでございます。
では、具体的にどの程度の津波が来るかということについてこのシートでご説明をいたします。この図にございますように、敷地の高さは標高10mでございます。それに対しまして、東南海・南海地震の津波による海面の上昇につきましては、0.28mということで約30㎝でございます。満潮時の水位1.62mを加えましても合計で1.9mということで、非常に小さな値になってございます。一方、敷地前面海域の断層群によります津波につきましては、海面の上昇が2.63mということで、満潮時には4.25mという評価になってございます。仮に、この津波の上昇が3倍程度の津波が来たというふうに想定をいたしましても、敷地を越えることはないというふうには考えてございます。
また、津波につきましては、押し波だけではございませんで、引き波の評価もしてございます。12ページには、1、2号機の引き波時における海水ポンプの取水への影響評価を示したものでございます。干潮時の取水ピットの最低水位、これが標高-3.28mということに対しまして、ポンプの取水可能水位が標高4.57mということであり、十分な余裕を持ってございます。
続いて、次のページには、3号機について記載してございます。干潮時の取水ピットの最低水位が標高-3.02mに対しまして、ポンプの取水可能域が標高-3.39mということであって余裕がございます。
なお、実際に引き波により、海水ポンプの運転に支障が生じるというような場合におきましては、運転マニュアルのほうに、一時的にポンプを停止し、再起動する手順がすでに定められておりまして、十分対応が可能となってございます。
次に、このシートにつきましては、皆さんのお手元の資料には添付されてございませんが、中央防災会議が平成15年に示しました東南海・南海地震に関する専門調査会、ここで配布された資料を参考にご紹介をいたします。このページは、東南海・南海地震での想定津波の高さを地域ごとに示したものでございます。ご覧のとおり、太平洋側につきましては、数mから、高いところでは10数mに達する地域がここに示されてございます。
一方、次のページに瀬戸内海側を示した図を載せてございますが、ほとんどが1m程度ということで、伊方発電所周辺では、この図にございますように、当社の評価結果とほぼ同等の数十㎝であると評価されてございます。ちなみに、伊方町や八幡浜市の太平洋岸につきましては、1mから2m程度と評価されてございます。
次に、14ページに移りますが、こちらは今回の地震や津波の想定をもうはるかに超えるものだったという点を踏まえまして、今回あえて東海から日向灘まで含めましたすべての断層が連動して、しかもM9.0というような想定したモデルで津波の規模を評価いたしました。その結果、伊方発電所の津波による海面の上昇につきましては、先ほどの約2倍、60㎝程度ということで、満潮時でも2.2m程度しか来ないというふうに評価されてございます。このように、瀬戸内海側では、津波の影響は非常に小さいということがお分かりいただけるものと思います。
しかし、今回の福島の事故が想定をもはるかに超えた津波が来たということも踏まえまして、安全対策に万全を期す観点から、同様の事態に備えました緊急の安全対策に取り組んでいるところでございまして、これらを踏まえた伊方の安全強化対策について次のページからご紹介をいたします。今回の福島第一の事故におきましては、津波によりまして3つの機能、すべての電源、それから海水冷却機能、使用済燃料ピットの冷却機能という3つの機能が喪失をいたしました。福島の原子力の型が沸騰水型、つまりBWRでございますが、伊方は加圧水型のPWRであるということで、それぞれの違いがございます。その特徴を踏まえまして、3つの機能喪失に対する安全強化策に取り組んでございます。なお、国からは、先ほどご紹介がありましたけれども、3月の30日に緊急安全対策の実施に係る指示が出されました。これにつきましては、4月25日に実施状況等を経産大臣に報告をいたしまして、26日、27日の両日にわたり、原子力安全・保安院の立ち入り検査を受けました。この報告に関しましては、先週末の6日に保安院より適切に実施されている旨の審査結果の公表がございました。
それでは、具体的な対策の実施状況について次のシートからご説明をいたします。このページには、原子炉の安全停止機能の概要を示してございます。原子炉を止める、冷やす、放射性物質を閉じ込めるというそれぞれの機能に関係した設備を右に示してございますが、これらのうち赤字で記載したものは、特に電源がなくても機能する設備でございます。例えば、止める機能である制御棒につきましては、電源がなくなれば自動的に原子炉内に挿入され、燃料の反応を抑える仕組みになってございます。
今回特に問題となりました原子炉を冷やす機能でございますが、これにつきましては、蒸気発生器を用いまして行いますけれども、その内容につきましては、次のページで詳しくご説明をいたします。このページに示してますように、すべての電源がなくなった場合には、蒸気で起動するタービン動補助給水ポンプというのがございますが、これを用いまして蒸気発生器の2次側に冷却水を注入いたしまして、原子炉内の熱を蒸気として大気に放出することにより、原子炉の冷却が可能となります。なお、原子炉容器内への放射能を含んだ水は、蒸気発生器で分離されてございまして、放出される蒸気には放射能は含まれてございません。
次に、このページには、津波により3つの機能が喪失した場合の対応手段について書いてございます。あと、高温停止までと低温停止までの2つに分けてご説明をいたします。ここには、地震発生から原子炉の高温停止状態までの継続的な冷却にいたるシナリオのフローを示してございます。順にご説明いたしますと、上のほうから、地震発生直後には制御棒によりまして原子炉が自動停止し、外部電源が喪失しますと、非常用ディーゼル発電機が自動的に起動をいたします。しかし、その後津波により海水系統の機能が消失いたしまして、非常用ディーゼル発電機も機能を喪失し、すべての交流電源が喪失をいたします。その場合、右のフローで示しますように、電源車を直ちにつなぎ込みを行いまして、直流電源ですとか計装用電源等を確保しまして、中央制御室の監視機能を維持いたします。一方で、先ほどご説明いたしましたタービン動の補助給水ポンプを用いまして原子炉の冷却を開始し、原子炉の圧力が一定レベルまで下がった段階で、窒素ガスの加圧によりまして、蓄圧タンクからホウ酸水が原子炉内に自動挿入され、これによりまして燃料の核分裂を抑えることになります。電源車による電源供給が途絶えますと、加圧タンクのホウ酸注入が終了した時点でその出口弁を閉止をいたします。その後、原子炉冷却に必要な給水源として使用します復水タンク等に消防自動車等を用いまして水の補給を連動して行うことによりまして、原子炉が連続して冷却されることになります。同様に、使用済燃料ピットへの注水につきましても、消防自動車等を用いまして継続して冷却が行うことができるようになってございます。
19ページには、これらの状況を模視的に示したものでございます。繰り返しになりますが、左のほうから順にご説明しますと、電源車のつなぎ込みで、中央制御室の監視機能と地下タンク出口路への電源を確保いたします。真ん中に移りまして、使用済燃料ピットの注水は、消防自動車や消火配管を用いて行います。その右で、給水源への水補給も、消防自動車や消火栓を用いまして行うことになります。
次に、このページは、原子炉の低温停止までのシナリオのフローを示してございます。ここには左右2つの対応シナリオを示してございますが、右側に大容量の電源車を用いた対応シナリオを1、左に現有設備を用いました対応シナリオ2を示してございます。ここに示しておりますように、現在配備中の300kVAの電源車を用いまして、ホウ酸ポンプによるホウ酸水の注入と消防自動車による蒸気発生器2次側への給水、配水を継続することで、停止状態まで移行することが可能となってございます。
一方、すでに4,500kVAの大容量の電源車を配備してございますが、これを用いますと、充てんポンプによるホウ酸水の注入や、海水ポンプ、または海水取水用の水中ポンプ、これらを用いまして、海水供給によります余熱除去系の使用によりまして、低温停止状態とすることが可能となってございます。
21ページには、これらの状況を模擬的に示してございますが、これについては省略させていただきます。
22ページにつきましては、これらのシナリオに沿った緊急安全対策として実施した短期対応の内容について一覧にしたものでございます。上から順にご説明をいたしますと、全交流電源喪失時の電源確保対策といたしまして、1から3号機、それぞれに300kVAの電源車を各1台、合計3台を配備いたしました。また、4,500kVAの大容量電源車を1台、さらに予備といたしまして75kVAの電源車を計3台配備してございます。次に、除熱機能の確保対策でございますが、既存の消防自動車に加えまして、可搬型の消防ポンプ2台を配備いたしてございます。これらは、その下の使用済燃料ピットの冷却確保対策にも活用できるようになってございます。これらに加えまして、建屋等への浸水対策といたしまして、対策シナリオで使用する安全上重要なタービン動補助給水ポンプ、蓄電池計装用電源、あるいは安全系の電源盤、これらが設置されましたエリアにつきまして、その入り口扉等につきましては、今回の福島の津波高さを踏まえまして、シール施工等を行いまして万全を期してございます。具体的に申しますと、今回の福島では、津波評価に対しまして+9.5mという津波が到来したということもございまして、この値を1つの目安といたしまして、伊方の津波評価高さも+9.5mまでの浸水対策を安全上重要な機器が設置されたエリアについては行うことといたしてございます。なお、その他非常用ディーゼル発電機室ですとか、タービン建屋の周りにつきましても、扉の高さに合わせまして約2m程度までシール施工を行ってございます。また、各対応シナリオに合わせました手順書を策定いたしまして、これらの資機材を活用した訓練を10数回もう実施してございますが、シナリオの生成ですとか、対応者の習熟度の向上を図る等、取り組みを行ってございます。今後とも継続的にこういった訓練を行いまして、さらに習熟度の向上を図っていく所存でございます。
次に、23ページには、中長期的な対応といたしまして、さらなる安全強化策の内容をまとめたものでございます。これも上から順にご説明いたしますと、全交流電源喪失時の電源確保対策といたしまして、大容量電源を1から3号機、それぞれ専用に1,820kVAを4台、1号、2号に1台ずつ、3号に2台配備する予定でございます。1、2号機専用につきましては1号機の定期検査終了まで、3号機用は平成24年度当初に配備完了する予定でございます。それまでの間は、すでに配備いたしました4,500kVAの電源車で対応することといたしております。また、伊方発電所には、隣接する変電所から構内まで新たに配電線を引くこととしてございます。配電線のほうは、2ルート増設いたしまして、1ルート目は3号機の定期検査中に完了いたします。2ルート目につきましても、今年度中には完了する予定で現在計画をしてございます。さらに、この上に恒設の非常用の発電機の設置についても現在検討中でございます。次に、除熱機能の確保対策といたしまして、海水ポンプの予備品の配備、これは海水ポンプのモーターの予備品でございますが、これの配備。それから、海水ポンプの代替用の水中ポンプ、これを配備する予定でございます。すでに手配済みでございまして、今年度中にはすべて配備できる予定になってございます。使用済燃料ピットの冷却確保対策といたしましては、新たに消防自動車、現在2台ほどございますが、これにもう1台追加配備する予定でございます。これにつきましては、24年度上期中には配備される予定になってございます。最後に、建屋等への浸水対策でございますが、先ほどご説明しました安全上重要な機器が設置されてるエリアの建屋の入り口扉、これにつきましては、水密扉に取り替える予定でございます。さらに、海水ポンプエリア等の防水対策といたしまして、2m程度の防潮壁の設置を計画してございます。なお、これら中長期的な対策につきましては、今後福島の事故の調査や評価結果を踏まえまして、適切に見直ししてまいりたいと考えます。
次に24ページですけれども、ここは現在定期検査中の3号機におけます対応を示してございます。今回の3号機の定期検査におきましては、対応シナリオに必要な表に示してございます各機器、これらにつきまして点検時期を繰り上げまして、すべて分解点検を実施し、信頼性に万全を期すこととしてございます。また、先ほどご説明をいたしました4,500kVAの電源車を用いまして低温停止状態まで冷却する手順書を整備をいたしまして、訓練を行う予定にしてございます。
25ページには、これらの工程を記載してございますが、これらの追加によりまして、現在の計画では、当初計画に加えまして点検が2週間程度延長し、7月の10日の並列を現在予定をしてございます。この計画につきましても、今後福島事故の評価が進み、対応が必要となった場合には、適切に反映をしてまいりたいと考えてございます。
26ページには、電源車の紹介でございます。写真は、300kVAと75kVA2台が並んだ写真が写ってございますが、現在4,500kVA含めまして7台が配備されてございます。基本的には、先ほどご説明いたしましたとおり、300kVA各1台で低温停止の状態まで冷却が可能となってございます。今後、さらに1,825kVAを4台追加配備する予定でございます。さらに、恒設の非常用電源の設置も計画してございます。
27ページでは、先ほどご説明いたしました配電線の状況の紹介でございます。伊方発電所につながっている送電線につきましては、電圧が500kV、187kV、66kVの3種類で、合計7回線ほどございます。これらに加えまして、非常用ディーゼル発電機や各号機に2台ずつの6台設置されてございます。その上に、さらに今回の計画では、発電所に隣接する変電所から1、2号機用と3号機用、それぞれに6,600Vの配電線を新設する予定にしてございます。
28ページ目は、除熱機能の確保対策として、海水ポンプモータの予備品と海水ポンプの代替の水中ポンプの配備計画を示してございます。モータの予備品は、各号機に1台ずつ、計3台、水中ポンプは合計で22台配備する予定にしてございます。
29ページは、浸水対策としての水密扉の写真でございます。左が現在の扉、右のほうが少し分厚くなってますが、水密扉でございます。安全上重要な設備が設置されている部屋の扉、約40カ所について取り替えを計画してございます。
次に、広報活動や理解活動についてご紹介をいたします。まず、これまでに実施してきた活動でございますが、3月12日以降、地元愛媛県を中心にいたしまして、経営層や幹部が各県自治体や漁協等、関係機関を回りまして、事象の進展に合わせた状況の説明ですとか情報提供を繰り返し行ってまいりました。また、愛媛県だけではございませんで、四国内でさまざまな機会をとらえまして説明を行ってまいりました。これに加えまして、伊方発電所の緊急安全対策の状況につきまして、四国の中央紙4紙にこの9日、10日に掲載をいたしてございます。今後も順次計画的に広報活動を計画してございますが、特に地元周辺につきましては、明日から半径20キロメートル圏内への約30,000戸のお客さまを対象にいたしまして社員が全戸訪問をし、ご説明に上がる予定にしてございます。また、20キロメートルを超える地域のお客さまにつきましても、さまざまな機会をとらえました説明会を行う予定でございます。すでに実施してるところもございます。これらに加えまして、当社の緊急安全対策の状況をご報告するリーフレットを作成いたしまして、四国四県で6月上旬までには全戸配布する予定にしてございます。
最後に、東京電力への支援状況についてご説明をいたします。当社では、事故発生の翌日より福島県へ支援隊を派遣してございます。現在も、常時約30名が交替で派遣しておりまして、約1週間から10日の輪番制で繰り返し30名を送っている状況でございます。各電力と協同で放射線の測定等に従事してございますが、全電力で約300名ほどの体制になってございます。今後とも、可能な限り支援を続けてまいりたいと考えてございます。
また引き続き今回の福島の事故原因を含め、さまざまな情報収集に努めながら、必要な対策を迅速に対応いたしまして、伊方発電所の一層の安全確保に取り組み、皆さまの安心や信頼回復に努めてまいりたいと考えてございます。
私からは以上でございます。
<質疑応答>
○有吉部会長代理
はい、どうもありがとうございました。
それでは、ただ今のご説明につきましてご質問、ご意見ございましたら、お願いいたします。
はい、どうぞ。
○宇根崎委員
今、主にハード面のご対応をいろいろご説明いただいたわけでございますが、今回の福島でのこの事象を見とりますと、やはり対応が必要な時間、すなわち本来ならば外部電源等を復旧するだけの時間内にやはりそれができなかったということが、やっぱり今回の事故の一番の大きな原因かと思います。そういう意味で、例えば今回のスライド18でお示しいただきましたシーケンスでございますが、定性的にはそういうシーケンスであって、それでよろしいかと思うんですが、実際に例えば全電源喪失が生じたときに、プラントの挙動が時間的にどういうふうになるのか。それで、それに対してこういうさまざまな対策をとるための時間的な流れ、それから例えばこれも特に地震、津波ということを想定しますと、通常の訓練に比べるとやはり遅延時間がやっぱり若干かかってくるかと思われますので、そのあたりの評価の現状というのがどのようになっているのかお聞かせいただければと思います。
○四国電力
参考で前に資料をお示ししてますけれども、事象が発生しまして低温停止までいたるまでの挙動を少しグラフで示させていただいております。通常運転中から全交流電源が喪失した後、だいたい30分ぐらいまでの間でタービン動補助給水ポンプが起動いたしまして、起動させまして、2次系の設備を使いながら冷却をさせていきます。それから圧力、温度がグッと下がってまいりまして、約半日ぐらいで200℃近辺まで下がってまいります。その後、先ほど言いました畜圧タンクの作動なんかを含めまして、最終的に1日あれば高温停止状態までは下がってまいります。それで、先ほど言いました電源車、こちらのほうはだいたい訓練によりまして1、2時間あれば電源をつなげるというとこまで確認されてございます。それで、実際のところ、直流電源につきましては、福島の事例もございましたが、だいたい5時間程度余裕がございます。ですので、十分な余裕があるというふうには考えてございます。その後、高温停止までまいりますと、あとは徐々に除熱をしていくということになりますので、低温停止までは時間をかけて下げていけるということになってございます。今回の訓練におきまして、当初計画したとおり、だいたいほぼ予定どおりの時間で訓練はされてございまして、今後習熟度を重ねますと、またさらに早くできるというのがございます。それともう1つは、今回準備しましたのは、仮設のケーブルですとか電源車でございますので、できるだけ恒設化を図っていきまして、そういった訓練の多様化も時間的には短くしていくというふうなことも将来的には考えてございます。
○有吉部会長代理
ちょっとすみません、いいですか。
ちょっと先を急ぎすぎまして、国のほうから今回ご出席いただいてますので、そこから説明いただきたいと思うんですが。それで、国では今回の事故を受けて、各事業者が実施した緊急安全対策のその実施状況を確認して、その結果を公表されました。で、原子力安全・保安院の石垣高経年化対策室長さんからその内容について説明をいただきたいと思います。なお、国では、同日、中部電力に対して、ご承知のように浜岡原発の運転停止を要請されました。で、伊方の場合に関してどのように判断されているのかということも含めまして、その内容についてご説明をいただきたいと思います。
なお、質問はその後でまたお受けいたしますので、よろしくお願いします。
c.事故の状況及び伊方発電所の緊急安全対策について
○原子力安全・保安院 石垣高経年化対策室長
はい。
原子力安全・保安院の石垣でございます。よろしくお願いをいたします。
今、部会長からお話があったように、四国電力が実施したその緊急安全対策と、それに対する私どもの評価ということをちょっと一緒にご説明をさせていただいたほうがご議論しやすいかと思います。先にやらせていただきたいと思います。
それから、ご説明の前にでございます。福島の事故の件でございます。私ども直接安全規制を担当する部署として、やはり私どもだけではなくて、政府全体の対策本部というものをつくって事態の収拾に精いっぱい最大限努力してるところではございます。ではありますけれども、まだ明確に先々の見通しをお示しすることがまだできない状態でございます。精いっぱい努力をしておりますけども、そういう状態でございます。多くの皆さまにご心配と、それからご迷惑をおかけしているというふうに思います。この場であらためておわびを申し上げたいというふうに思います。
それで、今日お持ちしたのは資料6でございます。少し分厚い資料を束ねてございますけれども、ちょっと簡単に中身のほうのご紹介をさせていただきたいと思います。
恐れ入ります、座って説明をさせていただきます。
資料6は、今四国電力からご説明があった緊急安全対策についての私どもの確認した中身、あるいは確認した結果というものでございます。
ちょっと冒頭先にご説明をしたほうが話が分かりやすいと思いますけれども、福島で何が起こったかということを本来であればきちんとつまびらかに明らかにして、その上で必要な対策というのを講じるということは、論理的には正しいということだと当然思いますけれども、申し上げましたように、何がどう起こってああいう事態になったかというところがまだまだはっきり分からない状態であります。しかしながら、地震による津波で起こったことが、いったんああいうことが起こると、過酷な事象が起こるということでございますので、分かった範囲の中でも手を打つべきことをどんどん打っていこうという趣旨で、今回の緊急安全対策の緊急という意味は、まさにそういうところだというふうに私どもも整理をしてございます。
それで、福島の災害について少なくとも分かってることは、1つは外部電源を失ってしまった。外部電源をまず失ってしまったということが1つ。それから、余分の熱を海に放熱する海水系の施設、あるいは放熱の機能を津波によって失ったということが2点目。それから3点目は、燃料プールについても同様なんですけれども、通常の水の供給ができなくなって、冷却ができなくなったと。この3点が、大きな地震と大きな津波によって起こったこと。これによって事故の拡大をもたらして、災害を大きくした直接的な原因だというふうに今のところはまだ整理ができるというふうに思ってます。従って、今回の緊急安全対策というのは、今申し上げました電源を失った、それから熱を放出する機能を失った、燃料プールを冷却する機能を失った、この3つが、津波、あるいは地震によってなくなることを想定して、この通常持っているはずの3つの機能をなくしたときでも対応ができることを急いできちんと設備、あるいはソフトも含めて対応していただきたいということが、今回の緊急安全対策のそのコンセプトでございます。
こういうことでございますので、資料のほう、あるいは実際にポンプの中身とか事業者さん説明いただきましたんで、それに対するわれわれの審査の見方のようなところを少しご紹介したいというふうに思っております。
資料多うございますので、ポイントだけご紹介をします。
1枚めくっていただいて、右方に別紙の1というふうにふってございます。これで、下半分ぐらいに確認方針という私どもの見るべき方針を書いてございます。1つは、短期対策。急いで1カ月間、地震から指示をしたのがこれ3月末でございます。それから1カ月間、4月の末までにできることということで短期の対策、これをやってくださいというふうに私どものほうからお願いをしたものについての見方でございます。(1)、今申し上げました3つの機能がなくなった場合でも、炉心の損傷を防ぐ、あるいは使用済燃料の損傷を防ぐと、こういったことから放射性物質の放出を防いで、安定した状態につなげることができるようなことを目標とすると。これができるかどうかを確認をするということです。それから2つ目は、今の3つの機能を失ったときにこういうことをするというふうなことを申し上げましたけれども、その際使う機器が水で水没してしまうとできなくなるもんですから、そういったものについては水が入らないような対策をきちんととることが2番目でございます。
めくっていただいて2ページ目の頭のほうでございますけれども、とりあえず一月間の間で急いでやっていただくものに加えて、その対策の信頼性を高めるためということでございますけれども、中長期対策として、冷温停止を迅速化するもの、それから津波に対しての防護措置そもそも津波をどうやって防ぐかということまで含めて、将来の対策としてこれはきちんと計画をしてくださいと。計画段階の審査をしたということでございます。
われわれその確認の方法というのは、2ページ目の真ん中へんにございますけれども、審査基準、後ろのほうに添付してございますけれども、専門家の意見等も聞きながら審査基準をつくって、それぞれの事業者の対策は有効であるかどうかを評価するということでございます。それから、現場もきちんと見ると。サイトごとに2、3回は必ず見てございます。それから、(3)は、確認の過程においてということでございますけれども、夜間訓練の実施等、必要な指摘という部分、指摘事項に対する改善策の内容を再確認します。これは、私どもにとっても経験のないことでございましたので、多くの事業者の方の話を聞きながら、ほかの事業者の方に参考になるようなことがあれば、積極的にそれを水平展開を図って、A社がやったことでいいと思われることはB社にもお願いをする、あるいはA社の確認の中ではっきりしなかったので、はっきりしてというお願いをしたことについては、B社にも同じことをお願いすると、こういう水平展開を図りながらやってきたというところでございます。
中身はだいぶ詳細になりますので、少しだけ。例えば、3ページ目のようなところをご紹介をします。ここは短期対策で、電源を失ったときの対策ですけれども、箱の中がわれわれの審査基準、それから箱の下が実際に確認をしたことということでございます。
先ほど、宇根崎先生ご質問ありましたどういうシナリオでもってどういう冷却にいたるのかというようなところについては、この箱のすぐ下の2つ目の・のところに書いてございます。対応計画の審査の中で、原子炉の崩壊熱をどういうふうにして取っていくかと。必要な水はどうだと。それから、これも解析もしてございます。それから、JNESのクロスチェックもして、その解析が妥当かどうかというクロスチェック解析もしております。こういう評価をした上で、先ほど事業者さんがご紹介しました何kVAの電源車が必要だ、何m3/hのポンプが必要だ、そして圧力はどのくらいのやつが必要だと、こういうやつを評価の上でつくっていただいて、実際にそれが配備されてるかどうかということを確認を1つずつしてったということでございます。
こういう確認行為をずっと続けてまして、あともう1つ、5ページ目をご覧いただけますでしょうか。電源でありますとか、ポンプでありますとか、それをつなぐケーブル、あるいはホースといったものを、物をそろえるということは、もちろんお金をかけてそろえればできるわけでございますけれども、実際にそれを使いこなす、使いこなせるような仕組みをつくり上げる、ソフト面の仕組みをつくり上げるというものが、今回私どもが非常に力を入れて確認をしたものでございます。それが5ページ目の(4)のところの機器の点検と訓練というところに書いてございます。機器は、もちろん機器についての点検をして、必要なポンプですとか、消防車ですとかホースとかそろえていただくんですけれども、それを実際に発電所のサイトの中において電源がなくなったときの訓練、冷却機能がなくなったときの訓練、それから伊方の場合3号ございますけれども、3号が同時に電源を失ったときにできるかどうかと。つまり、電源を高台の上に、水かぶらないように高台の上に置いておきますということですけれども、それを実際に下のほうの機器につなぎ込むところまで持っていってつないでみて、水を流してみて、それの時間を計ってみて、バッテリーがもつ時間の間にきちんと動かせるような対応ができてるかどうかというようなところの確認もしてございます。
先ほどいくつかございましたけれども、バッテリーが5時間もつんで、その間につなぎ込みをするということになります。例えば、ホースであればホースをつなぐ、ケーブルをつなぐという手順を津波が来てがれきがあるかもしれないということで、直線的な必要距離だけではなくって、迂回分の余裕を持った長さまで持つんだというようなところも訓練をして確認することによって、必要な機材の必要量の見直しというフィードバックもかけて、こういうようなことをずっとやってきたところでございます。
ちょっと長くなってしまいますので、すいません、こういうところを全部確認した上で、私どもの評価というものを取りまとめてございます。8ページがまとめになりますけれども、私どもとしては、今回緊急安全対策というものは適切に実施をされてるというふうに思います。特に、ほかのプラント等ももちろん含めてでございます。これは総論として申し上げていますけれども、伊方発電所についても当然この中で十分確認をさせていただいてるというものでございます。それから、今後ということで、少し中長期対策として信頼性を高めるための対策というものが少し残ってございます。これらについては、引き続き内容を確認してくということだと思ってございます。それから、一番下に書いてございます福島第一の詳細な事故調査、これによって原因が明らかになった時点でということで追加して書いてございますけれども、必要な対策があれば、当然あらためて対応を求めていきたいというふうに思ってるところでございます。で、これが緊急安全対策についての私どもの評価のまとめという格好になります。
それで、ちょっともう資料がだいぶ多いし、それから時間もございませんで、お配りしてとじてあるやつの後ろの一番最後の2枚をおめくりいただけますでしょうか。海江田経済産業大臣談話、23年の5月9日というふうに書いてございます。お配りした資料の後ろから2枚目になります。よろしいでしょうか。こちらについて補足してご説明をさせていただきたいと思います。部会長からご指示いただきましたように、浜岡の原発について菅総理から全号機停止を要請したということがございました。これ5月の6日でございます。それに対して、5月の9日、昨日でございますけれども、中部電力から停止の要請を受け入れるという返事がございまして、その返事を受けた上であらためて経済産業大臣としての談話を発表したものが、これが5月の9日の談話というところになります。これは浜岡の話だけではなくって、先ほどご紹介をしました発電所の緊急安全対策についてのコメントも入ってございますのでちょっとご紹介をしたいと思います。
このコメントの上から10行ぐらいのところに、緊急安全対策という括弧が付いているここから先が今ご紹介したことでございます。この結果につきましては、直ちに講ずべき短期対策が適切に措置されてることを確認したというのが最初のパラグラフです。それから、「すなわち」というところは、今申し上げましたように、東京電力の福島と同じような津波が来たとしても、冷却を行って炉心を管理された状態で維持することができるようになりますというふうに書いてございます。それから、「さらに」というパラグラフで書いてございますけれども、これは今回の対策の信頼性を高めるために、さらなる追加の対策を具体的にやる計画があるということ、中身を確認したということでございます。それから、「事業者に対しては」というところでございますけれども、確実な実施を促すと。それから、今後とも気を緩めることなく、訓練の充実、こういったものを含めて、信頼性向上に取り組むというようなことを求めたいということでございます。それから、最後のパラグラフになりますけれども、これらの安全対策の結果を踏まえれば、現在運転中の発電所につきましては、運転を継続することと、それから緊急に起動を控えてるような発電所については、運転を再開することについては、安全上支障がない、問題がないというふうに判断をしてございます。それから、これらの確認結果については、国として責任を持つと。それから、自治体の皆さまの理解が得られるように、保安院から説明をさせるということで大臣からのご指示をいただいております。今日の機会もこういったことでご説明に伺ってます。ほかにもまた機会があれば、お声がけいただければ、またご説明等ともちろん思ってるところでございます。
それから、そのページのすぐ下からです。浜岡原子力発電所についての扱いでございます。浜岡は、耐震安全対策はこれまで適切に講じられておりますので、法令上の安全基準は満たしているということでございます。それから、談話のページの一番下でございますけれども、「しかしながら」と文科省の調査委員会、めくっていただいて次のページになりますけれども、の長期予測によれば、30年以内にM8の可能性が87%と切迫していると。それから、もう1つのデータでございますけれども、2行目のデータでございますけれども、30年以内に震度6強の地震が発生する可能性は84と。ほかの発電所に比べて際立って高いという、ほかの発電所とは全く異なる環境にありますという理解をしてございます。地震発生に伴う津波の襲来の切迫性、それから今回の事故を踏まえてということでございますけれども、一層の安心のために、このための措置が必要ということでございまして、具体的には、6日の日に中部電力に対して、短期対策だけではなく、中長期対策が完了するまでの間、全号機の運転を停止するということを要請したというとこでございます。これの最後のパラグラフでございますけれども、これは同発電所、浜岡発電所における大きな津波の切迫性という特別な事情によるものでありまして、同発電所の耐震性の事態を問題とするものではないということ。それから、ほかの原子力発電所については、このような切迫した状況にあるものではないということでございます。従って、ちょっと字には書いてございませんけれども、大臣の心は、ほかの発電所に停止を求めるということはしないということが、私ども大臣の口からは聞いてるというところでございます。
こういったことでございまして、先ほどの緊急安全対策については、保安院としては安全を確認したと。プラントの起動については、問題はないということが1点。それから、浜岡については、地震、津波の切迫性による特殊な事情をかんがみた政事の判断であるということでございます。ほかの発電所に対してそれを求めることはしないということでございます。
それから、最後のページが、昨日の経済産業大臣談話のときに大臣がお配りさせていただいた資料で、浜岡は30年以内の6強が84%、その他の発電所サイトに比べて突出した数字になってるというデータでございます。
以上、ちょっと長くなりまして申し訳ございませんでしたが、浜岡の件も併せてご説明をさせていただきました。ありがとうございます。
<質疑応答>
○有吉部会長代理
どうも、ありがとうございました。
それでは、ただ今の四国電力、それから国からの説明についてあらためてご意見、ご質問お受けしたいと思いますので、よろしくお願いします。
はい、どうぞ。
○古賀委員
今、国からのご意見を伺ったところですけれども、四国電力の方の4月に実施されたという短期的な緊急安全対策の実施状況について確認を行われて、適切であるという判断をされてるんですが、今後中長期的なものについてもう少しどのように確認し、評価されていく予定なのかお伺いしたいと思います。
○原子力安全・保安院 石垣高経年化対策室長
はい、じゃあ私のほうからお答え申し上げます。
中長期対策につきましても、今回同じように現場を見ながら、訓練も見ながら、一緒に参加しながらやってきましたけれども、中長期対策についても私どもの現地に検査官が常駐してございの、その検査官中心に、あるいは東京からも行ってということもあるかもしれません。現場含めて確認をしていきたいというふうに思います。仕組みとしては、常時いつでも確認できるようなことができますし、あるいは年4回テーマを決めて保安検査と称して実施しているような確認行為もございます。そういったものをうまく組み合わせながら確認をしていきたいというふうに思ってます。評価についても、今回のような確認結果書、あるいは評価書というようなところを終わったところでまたご紹介、あるいはこういう技術委員会のような定例的な機会があれば、その時点での中間報告ということもさせていただく、そういったことも考えたいなというふうに思います。いずれにしましても、都度、私どものほうで内容をきちんと確認をして、ご説明をしていきたいというふうに思ってございます。
○有吉部会長代理
よろしいでしょうか。
はい、どうぞ。
○森委員
ご丁寧なご説明ありがとうございました。
私自身は、これ設計の問題ではなくって、その後の思想の問題だなと思って、そういう面から今日にいたるまで考えてきたんですけれども、そういう意味で、科学的、実証主義的な設計とは違った、かなり踏み込んだ考え方をされてることにまず驚きました。大変いいことだと思いました。その上でなんですけれども、聞きたいことが3つあります。
1つは、まさにいわゆるもう想定してること以上のことが起きたときのという場合の重要な思想としてフェイルセーフの思想があって、そのうちがリダンダンシーというこういう冗長性の概念を全面的に入れられておられるので、それはとても将来を見据えた上でとてもいい考えだと思いました。そのフェイルセーフのところで、リダンダンシーというか、その冗長性の程度をどのぐらいにするのかとかっていったようなことは多分今後の課題になってくるとは思うんですが、ぜひそういうおそらく考え方としてはあっても、それを実際のものに当てはめるっていうようなことがなかなか少ないように思いますので、ぜひこれはおそらくは考えられ得る対策を徹底的にしようというようなことが読み取れますので、ぜひ今後はそれを少し定量的に評価するというようなことをやっていただきたいと思いました。
それから、あと2つ目、今のはですから要望です。それから、あと2つ目ですが、これは中長期的なっていうふうなことで対策をやっぱり考えられていて、これも方向としてはいいと思うんですけれども、いわゆる劣化だとか、非常に長期に見た場合、つまり例えば津波ことでいえば、明治よりも以前からあり、それから明治29年、昭和8年とあって、毎回実はおんなじ議論がきちんと出てきてるわけです。例えば、一般論でいえば、高地移転だとか、いろんなアイデアが出てきてるわけです。それは時間とともに指数関数的に急激にしぼんでいくと。ですから、20年たったら分からなくなるというようことを考えると、今のうちに中長期的な考え方、それを何らかの世代間の縛りっていう意味でいいますと、法律っていうのが最も簡単には浮かぶんですが、そういう取り決めごとっていうよりも、もう少し強い縛りのようなことを考えておかないと、例えばもともと設計思想でいえば何年だという設計寿命があっても、何となくやっぱり使えそうだし、われわれもエンジニアですから、ついやっぱり立派なものを見ると、これまだ使えるんじゃないかとついつい思ってしまうけれども、そういう老朽化していったものに対するきちんとした評価の方法論というのがまだまだどの分野よりも確立されていないわけですので、そういう意味からすると、中長期的な今考えておられる対策が本当に中長期にわたって実施されていくであろうこと、つまり今考えていらっしゃる人がすべて世代が変わって次の世代になっても、それが担保されるっていうような、そういう枠組みをぜひ何か考えていただきたいと思います。それとも、今もし何かそういうことまで議論があったのでしたら、教えていただきたいなと。
○原子力安全・保安院 石垣高経年化対策室長
はい、なかなか難しいコメントもございましたし、すぐにお答えできない、よく考えないといけないことだなということだと思います。
1点目のリダンダンシーのやつ、とりあえず、とりあえずという言い方は悪いんですけれども、今回われわれがやったことは、1カ月間の間にできること全部やれという思想なんです。従って、リダンダンシーはあるのかないのかと言われると、やれることは全部やったけど、どれぐらい余裕があるか分からんというのが今の気持ちとして言えば正直なとこ。先生おっしゃるとおり、もう少し落ち着いて考えたときに、定量的、あるいは効率性と、コストとセーフティーのバランスいうようなところももしかしたらあるのかもしれません。少し落ち着いたときに考えればいいなというふうに今は思いましたということでございます。
それから、中長期対策は、世代間を超えてという先生のキーワードがあったと思います。大事なことですし、特に私ども役人をやってると、担当が代わったりということで、とかくきちんと組織として伝えていくということがやっぱり大事であります。痛感をしてます。なかなかうまくできないっていうことも痛感してます。必要性も痛感しておると思っています。従いまして、今すぐここでということではございませんけれども、これから福島の話、本当にこれから検証が動き出すんだと思いますが、その際、事故の中身だけではなく、事業者として何をしたか、あるいは保安院として何をしたか、規制側として何をしたか、これも検証の対象になるんだと思います。そういった中で、貴重な体験というものは、検証をきちんと丁寧にやって、その中から出てくる教訓というものをきちんと抽出をして、それをつないでいくということだと思います。それが福島の事故の教訓だと思いますし、言い換えれば先生がおっしゃった世代を超えてつないでいくべきものというのと多分僕が似たような印象を受けたんですけれども、そういったプロセスこれから福島の話が動き出すと思います。今現在は、われわれ目先のことで目いっぱいなところは正直あるんですけれども、だんだんそういう議論ステージに移ってくと思います。そういった中で出てきた教訓でありますとか、そういうものを大事にしてくということだというふうに思います。
貴重なコメントだと思います。ありがとうございます。
○森委員
ご理解ありがとうございました。
それに付け加えて、ぜひ中央のほうに持って帰っていただきたいと私自身が思ってることが、今のことをもう少しだけほじって言うならば、おそらく日本の頭脳がどんどん詰めていろんなものを細かく検討していくと、私がまだ新聞、テレビ以上のものの情報がない状況で考えての話なんですけれども、つぶさなことが分かってくると、だんだんとあのときは舞い上がってたけども、こうしたほうがもっと合理的だっていうふうに、必ず合理的な人間は間違いなく合理的なほうに流れていくと思うんです。だけど、いわゆる、うまい表現見つかりませんけど、本当の地獄を見たような思いっていうのは変えることができませんから、最初に思われた判断っていうものをぜひ文字として残して、しかもそれを、法律とか何とかそういう固いこというのではないんですが、必ずそれを、何というか国として、組織としてやっぱり最初の判断っていうのが、人間っていうのは変わらないと思うんです、あんまり。だから、最初のとるべき判断っていうのをとったのは、みんなやっぱり僕は正解だと思うんです。それを次の世代なり、何なりに持っていくっていう何かしらを考えていただきたいと思います。
そして、3つと申し上げてましたので、3つ目だけこれは質問です。私自身は、この伊方の中で特に耐震構造安全性っていうことについて主に見てきましたので、それについては揺れの大きさもそうだし、それから揺れが終わった後、見た目は何にもなってないっていうふうなので、ある意味この揺れの大きさだけ見ただけでも、いわゆる構造部材の構造的な損傷っていうのはほとんどないだろうなっていうふうな印象は受けました。ただ、実際に、海側のほうが揺れた直後に、東電の方が見ることができるような、そういう放射線のモニターでなく、映像としてのモニターというのが1回も出てきてないので、それは見ることじゃあできなかったのかと。ですから、外から360°、内から360°、やっぱり人間って目で見て判断することが極めて多いので、映像のモニタリングっていうのを規模は分かりませんけれども、コンセプトとして映像のモニタリングっていうようなことも考えていただきたいなと。それは、実際にはどのようになっているんでしょう。
○原子力安全・保安院 石垣高経年化対策室長
事故直後という意味ですか。
○森委員
揺れが来て、それから津波がやって来るまでのこととか、あるいは津波が来て、電源喪失にいたるまでのその間のこととか。
○原子力安全・保安院 石垣高経年化対策室長
その間の映像ですか。
○森委員
例えば、しぶきが上がったっていうのは、遠くのところから映したっていうのがかなり時間がたって出ましたけど、じゃあなぜバシャーンと上がるような、真上に上がるような、つまり真下から見るようなカメラとか、あるいは真横から見ているようなカメラの映像が何で出てこないんだろうというのが、私はずっと不思議でしょうがなくて。例えば、また視点を変えれば、日本は津波、地震を怖がってますけど、アメリカあたりだとテロとなってますよね。テロになってくると、やっぱり物を見るっていうふうになってきますし、映像として見るっていう視点がどれぐらいあったんだろうというのが私の純粋な疑問だった。それについてもしお答えできる範囲で結構ですので、教えていただければと思いまして。
○原子力安全・保安院 石垣高経年化対策室長
大変ご質問の趣旨分かりました。
すいません、答えから言うと、分かりません。分かりませんっていうのは、僕が知りません。今、知りませんというのが、正確なお答えの仕方です。
○四国電力
伊方発電所の状態とか、ちょっとPPの絡みがありますんで、あんまり厳密なことはちょっと言えないんですけども、一応はこういう映像は残ります。ただ、今回のように電源が切れちゃいますと、そこでストップします。それ以後のはない。ただ、電源車とかいろいろ配電線を引いたりしますんで、今後それは残るだろういうふうに。
○森委員
なるほど。そうすると、定性的な質問に変更をしますが、電源が切れるまでっていうのは、どこでもモニターできるような状態ではあるんですか。
○四国電力
あります。中央でも見れるようになってます。
○森委員
了解しました。内部もやっぱり同じ。電源が切れるまでは内部も同じでしょうか。
○四国電力
そうですね、同じです。
○有吉部会長代理
どうぞ。
○岡村委員
今ご説明あったのは、津波について想定の例えば3倍の津波だから、来ても伊方は浸水しないと。かつ、それだけの安全余裕がありながら、さらに浸水した場合を想定して、こういう電源装置の場合こうだという対策をされていて、これは2重、3重のフェイルセーフで結構だと思うんですけども、津波っていうのは地震が起きないと発生しない。地震が先に起きてるんですよね。この地震のことを最初、四電のほうの例えば資料6というところで、赤い字で示されておりますが、これは評価値の2、3割増しのピーク値が実際観測されてるわけですね。これが直ちに危険かどうかっていうのは、これは個別の原子力発電所によるんでしょうけれども、次のページの例えば8ページを見ると、これ制御棒の挿入性、あるいは原子炉格納容器という一番下の棒グラフ見ると、これわずか多分これ10%しか安全余裕がない。これ3号機ですけど、多分1号機、2号機のほうもいろんなこれまで耐震バックチェックが出てきてる中で、1割、あるいは2割、3割ぐらいしか安全余裕がないというような報告されてまして、これについてどうお考えなんです。津波については非常に安全余裕が何重にもあるようなこと、地震に対してわずか何%の安全余裕なのか。さらに、安全余裕も食い込んで-になってるのか。そのバランス感覚、やってることのバランス感覚が、非常に分かりにくいんですけども。
○有吉部会長代理
それでは、四国電力のほうから。
○四国電力
原子力部耐震設計グループリーダーの岡田と申します。
今のご意見でございますけども、地震動の揺れに対しまして、伊方発電所の設備をこのようにお示ししてます、8ページのほうに。これは伊方3号機の例で、今回耐震指針が改訂されましたので、これを受けましたバックチェックの評価結果をお示ししてるわけでございますけども、これは今回策定しました570ガルという一番厳しいとわれわれが想定してます地震動に対する結果でございます。これは個々の機器にとりまして一番厳しい結果をお示ししてございます。物によりましては、裕度が非常に少ないように見えてございますけども、実際の設備につきましては、これ以上の裕度は、例えば2倍、3倍の裕度はわれわれあると考えてございます。それは、今まで行われております震動試験、それから評価の中でもいろいろ基準値に裕度を設けたりいろいろしてございますので、そういうのを総合的に勘案いたしますと、それぞれの機器につきましては、地震動に対しても裕度があるというふうに考えてございます。今回のといいますか、柏崎の地震におきましても、安全上重要な設備につきましては損傷はなかったという結果でございましたので、それにつきましては基本的には実力としまして裕度は持っているというふうに理解してございます。
以上でございます。
○有吉部会長代理
いかがですか。
○岡村委員
ですから、その程度の問題、裕度は程度の問題で、実際今回地震の評価という意味では2割か3割アップですね。ですから、今までの想定してる地震動は、必ずしも適正だとか分からないっていう事実がこれ起きております。総合的に判断して、いろんなものに裕度があるっていうのは、具体的にどれだけ裕度があるのかはよく分からなくて、例えば8ページみたいな図を示されて、これで議論をしてくださいといって議論をした瞬間に、議論がポンポンとはもっとあるんですが、いつも。それ議論にならない。8ページの制御棒挿入性っていうのは、これ大前提にしてるんですよね、これ。これ挿入できなかったら、これは後の話は全く成り立たない、そういう話ですよね。これは裕度はないと見るしかなくて、これ裕度があると見てくださいっていうのはおかしい話ですね。あるんだったらあるという資料出していただきたい。
○四国電力
制御棒の挿入性に関しましては、地震時の挿入性でございますけども、通常時、地震が起きないときの挿入時間に、地震時の揺れで挿入が少し遅れますけども、そういうのを加えた結果としてこういうことになってございまして、地震が発生しない場合でも、この1に対してちょっと数字はちょっと今お示しできませんけども、結構割合ではいってございます。そういう意味では、ちょっと細かいご説明が不十分で申し訳ございませんが、地震が多少大きくなりましても、これが即座にこの1を超えるような状況になるものではないというものでございます。
○岡村委員
挿入棒以外のほかの機器については、地震動にある程度比例する部分もあるんじゃないですか。
○四国電力
支持構造物とか、そういう地震で影響を受けやすいものにつきましては、そういうものもございます。ただ、ここに書いてますような蒸気発生器、一次冷却材管とか、内圧を持つようなものにつきましては、内圧のほうは厳しくなってございますので、地震による影響は小さいと。ちょっとここでその加減をお示しできてないのがまずかったかもしれませんけども、一般的には地震で厳しいものとそうでないものございまして、ここで主要な設備載せてますけども、内圧で決まってる設備も多うございます。そういうものにつきましては、地震が多少大きくなってましても、地震による影響はほとんどないというように考えてございます。
○岡村委員
保安院からの指示でこういう津波対策をやって、それはそれで大変結構なんですけども、この伊方の事象でいえば、ここでは津波よりも地震のほうが多分厳しいと思われる。ですから、地震に関してどれだけ余裕があるのか。想定の地震動がこれから1.何倍大きくなるか分かりませんけども、そのときにどういうタイムスケジュールで、どうやって確認していくのかというようなことをなるべく早くお示しいただかないといけないなというふうに思います。
○四国電力
地震動につきましては、今回の地震によりまして、今後詳細な評価とか進められると思いますので、その中で得られました知見を適切に反映いたしまして、必要な評価を進めていきたいと。それに結果におきまして、必要な対策があれば、対策を打っていきたいというふうに考えてございます。
○有吉部会長代理
はい、じゃあ、よろしくお願いします。
よろしいですか。
はい、どうぞ。
○森委員
今設計の議論に入りましたので、私も全部がつぶれてしまったらどうなるかっていうほうに頭がずっといってたもんですから、もうつぶれることを前提にして考えると、さっきの話は良かったというふうに思っていますが、設計という見方からしたときに、例えば揺れも津波も両方ですけれども、ここで計算されている例えば今回新たに日向灘っていうか、深く高角度で落ちていくところも考えたというようなお話があったり、それから一緒に滑るときに2倍でしたっけ、2倍にして30メートルにしたっていうようなこと、それもいわゆる観測されている事例からの外挿を、しかも設計上今まででやってきたような外挿にすぎないと。今回は、要するに、地震学者の誰1人もが言わなかったことで、4つのプレートが一気に滑るのなんて誰も言わなかったわけですけれども、素人であれば考えたかもわからないですね。そういうことを考えると、科学的な実証主義っていうのは、少し弱いのかなっていうふうに自分自身が弱気になってるんですけれども、こういったところももう少しおもちゃのように滑るんだったらというふうに、大幅に踏み込んだような検討も必要になってくるんじゃないかというふうに思うようになってきました。特に、今計算されているいわゆる断層モデルによるような知見っていうのは、わずか30年とか40年ですよね。30年か40年の経験で1,000年に1度のことはやっぱり分かるはずがないから、そういう意味で、これまでこの間の地震動の評価ではそれまでとは比べてグッと踏み込んだいろんなばらつきを評価して、それはそれでその時点ではかなり踏み込んでらっしゃるなっていうふうに私は思ったんですけども、本当にこういうことが起きてしまうと、やはり大前提を少し緩めて、もう少しばらつくもんだっていうふうなことで考えて検討してみる必要があるんじゃないかというふうに思いました。これが1つです。
それと、あと津波ですけども、センチメートル単位で表さられると本当につらいんですけども、そこまで精度はないんだから、もうやっぱり有効数字はエンジニアとか理工系の基本ですから、制度をやっぱり検討して、例えば津波だったら津波を計算されるときでも伊方のところだけではなくって、四国の沿岸全部出して、そして今まで例えば昭和南海、安政南海で揺れたときはこうだよというのが分かっているわけで、いわゆる四国の津波でいえば村上先生でも2倍やちょっとは変わるとこいくらでもあるよっていうふうなことですね、ピンポイントでいえば。それぐらいの精度しかないわけですから、計算結果の2倍が真値と思って、それに安全率を、今だと安全率2ないんですよね。もともとの考え方だと、5.9に対して10とかっていうふうなことで。じゃあ、そういう安全率いいのかなとか。もう少しそのへんからも、設計っていう意味でも一度根本から考え直していただきたいなというふうに思います。そういう見方については、どうでしょう。考える必要があると思ってますでしょうか。
○四国電力
はい、松崎でございます。
まず、先生おっしゃられた技術の進歩だとか、あと新しい知見、そういうのは適切にその時点ですでに取り入れて、その時点時点で最善の評価はしていきたいと思ってます。それはごもっともと思います。
それと、いろいろばらつきを考慮とかとお話ございましたけれども、そのへんは新耐震指針の中でいろいろばらつきを見るようなことをしておりますので、そのへんの、どのへんまで見るかっていうスタンスの問題ですか、そのへんはまた検討してまいりたいと思います。
あとそれと、津波のばらつきといいますか、裕度のお話されましたけれども、そのへんに関しましては、ちょっと有効数字の話し方なんかってのは、やっぱりちょっと見せ方の問題かなと思いますので、そのへんのプレゼン、見せ方はちょっと今後検討してまいりたいと思います。
○森委員
具体的に言えば、ばらつきで言えば、専門用語入れると話が分かりませんから、ご承知のアリアトリーの2つのばらつきであったとしても、いわゆるわれわれが分かり得る、あるいは分かり得るであろうって考えられるばらつきと、われわれが知り得ないばらつきがありますよね。その神のみぞ知るばらつきっていうふうに考えたときに、要するに100キロメートルずつしか滑らなかったのが、今回は600キロメートル一気に滑ったとかですね。そうすると、そこだけで5倍とかのばらつきがもうあるわけですよね、われわれの知り得ていないばらつきが。つまり、それを考えるべきじゃないかというのが私の指摘でした。そういう意味で、その点について考えがあるんだったらお話いただきたいし、あるいはそのこと自身を、検討するかしないかを考える必要があるというんだったら、それもお答えいただきたい。
○四国電力
全く考える必要がないとかそこまでは申しませんが、なかなか判断する情報、知見がないっていうのがちょっと正直なとこかと思います。
○森委員
いや、今回の知見はどう思われます。
○四国電力
ですので、今回の知見で見た場合、東北沖で何が起きたかと考えると、プレート間っていうか連動して、滑りが20メートルだとか30メートルだとか、そういう地震が起きたので、その知見を取り入れて、南海トラフにあのような日向灘まで連続させたモデルをもってして、一応それでも耐震安全性について確認したというところです。
○森委員
テレビでしか見てませんけど、大陸では割れ目にたまってるものがあっただけで、分岐関数で倍になるっていうふうなことだと、やっぱりそれも面積は倍、上がり方も倍になっていくんですね。あるいは、3倍だったら3倍、一気に10倍になっちゃうわけですよ。われわれの知り得ないばらつきという意味では。
○四国電力
そういうかけ算が成り立つかどうかもちょっと分かりませんので、なかなかご回答をしにくいところが正直なところですが。
○森委員
ですから、そういうことについてぜひ検討してみてください。
○四国電力
そのへんのところ、どう工学的判断するかっていうのも、やっぱりわれわれエンジニアにかかわってくるとこがあるかと思うんですけども、そういういろんな知見、何ていうんでしょうかね。
○森委員
つまり、私の言いたいのは、リスクっていうことを考えると、あり得ないこと以外はすべて考えなくっちゃいけないのがまずはリスクアセスメントの基本ですから、それが起きるのが極めて小さければ小さいのでってていうふうにリスクの計算をすればいいわけですよね。ですけど、あり得ないことは考えなくっていいんですけど、あり得ることはやっぱり考えるべきじゃないかということです、大前提として。
○四国電力
そのへんのところは、今後はやっぱ確率論的な手法のほうに移るのかもしれません、すいません、これ個人的な感想になるかもしれません、何が起こるか何が起こんないかってのが今の基準地震動の設定の方法とかっていうと、やっぱり確定論でいってて、どういう断層があって、今ちょっとそのへんの限界がきてるのかなというところもございますので、一方確率論の手法を研究されてる先生方もいらっしゃいますので、そういうそのへんの研究動向も見ながら、そういうにらみながら、合理性の高い地震動なり、耐震設計をしていくべきかなと考えてございます。
○森委員
設計はそういうふうにお願いしたいと思います。
○有吉部会長代理
よろしいですか。
○宇根崎委員
今のお話に関連してなんですけど、そういう今回の場合、地震というもの、地球物理学的な極めて不確かさの高いものをどうやって人間がつくった工学的なものにフィットさせていくかと、だったら先ほどご指摘があったように、本当にPSAの話になってくると思うんで、実はこれは保安院の方にお聞きしたいんですが、今後この事象を踏まえて、地震に限らずPSAと、それからそれに基づくAMっていうものを今後安全規制の中に取り入れていくというふうな動きになろうかと思うんですが、そのあたりはちょっとまだ地震が起きてまだ時間があんまりたってない状況でなかなかご議論は進んでいないかと思うんですが、だいたいの方向性についてもしもう何かございましたら、お聞かせいただきたいと。
○原子力安全・保安院 石垣高経年化対策室長
はい。正直言うと、まだまだ何も決まってないという言い方が正確だと思います。PSAもそうですし、それからアクシデントマネジメントもそうですね、それから今さっきまで話題になったSsをどう見直すか、津波の想定どうするか、いろんなテーマがあって、やらなければいけないという認識はみんな持っているけど、どっち向いて何をしようかっていうとこまではまだ気が回ってないっていうのが正直なところだと思います。だから、みんな問題意識は持っています。
○有吉部会長代理
はい。
はい、どうぞ。
○辻本委員
ちょっとお願いしときたいんですけども、保安院の人、最後にはこれ総括されると思いますけど、要するに組織面にしましても、保安院さんがおられまして、内閣府がおられまして、原子力安全委員会がありまして、放射線審議会がありまして、いろいろな組織が入り交じってあります。つくられたときはいろいろ需要があったと思うんですが、テレビとかいろいろ見てますと、皆意見が対立したりいろいろしておられます。で、総括するときに、もういっぺんこの組織のことも考えていただきたい。例えば、原子力安全委員にいたしますと、安全委員の先生方は5人おられます。そして、その安全委員の下に200人の職員がおられます。安全委員の先生の給料は2,000万です。5人やったら1億です。200人の職員がいる。今安全委員取りましたが、内閣府にもおりますし、今度内閣府には参与もいますから。いろいろなことしたら、膨大な組織でこれやっておられますが、ある程度人災的なとこもありますんで、やっぱ組織いうのは明確に単純にしないと、非常に複雑にするといけないんじゃないかと思たりしておりますんで、いろんなとこでいろんな意見述べられて、テレビでけんかしておられんじゃあちょっと具合悪いと思いましたんで、何か総括のときにいろいろご考慮いただければと。
それから、四国電力の人に、消防自動車とか電源車を設置されるということでございますが、設置されただけで動かなくては何にもなりませんので、平常時でも松山市内か八幡浜でも、すぐ消防車が四電からでも行けるというような何かそういう市民にも十分平時でも使えるような体制にはならないかなと。電力だけじゃなしに、やっぱし日頃使ってないとさびてしまいますんで、だから近くの市民、住民のためになるようなものに考えられないかと思うんでございます。ほんで、どっかの工場がやられたら、電源車までも持っていけるとか、何かそういう余裕、四国電力さんの余裕があればなと思ったりしております。
○有吉部会長代理
はい、ありがとうございました。
四国電力のほう。
はい。
○四国電力
電源車だとか消防車、今もありますけども、要望ありましたらいつも行ってます。だから、言っていただければ、そのときの状況に応じて動きます。それなら、はしご車とかいろいろありますけれども、やっております。
○有吉部会長代理
はい、どうぞ。
○渡邉委員
4ページの地震の発生状況ですけども、これを見ると少し赤字で示されてたところが基準を超えてるんですけども、これは今後伊方の地震の対策にどういうふうに生かされるんでしょうかということと、16ページを見ますと、非常にPWRの場合は蒸気発生器の健全性の評価というのが重要になってくるという認識なんですけども、福島の場合を見ると、あまりよく状況分からないんですけども、こういうふうないわゆる主要重要機器の安全性というのは、どこまで分かってるんですか。本当に健全性というのは大丈夫ですかという、これまでも皆さん質問されてきたことなんですけども。
○四国電力
今回の地震で、福島原子力発電所等で若干設計を超すような揺れが観測されてます。これにつきましては、今後詳細な評価が行われると思いますけども、例えば女川でございますと、建物の観測された地震を入力しまして建物のオート解析までやられてまして、これをホームページで公開されてございますけども、それを見ます限りは、基準地震動と同程度というふうなものでございました。こういうふうな知見が今後いろいろ出てくると思いますので、われわれとしましてはそれを適切に評価、反映していきたいというふうに考えてございます。ただ、今回の地震は、太平洋側のプレート間地震でございます。これにつきましては、先ほどちょっとご説明いたしましたとおり、伊方発電所の影響は小さいというふうに考えてございますので、直接的な影響は少ないかなというふうには考えてございます。
それから、重要な設備、特に蒸気発生器等の耐震性でございますけども、これにつきましては、今回570ガルというところでバックチェックを行ってございますが、その中で詳細な評価を行ってございます。それで、付いてます配管、あるいは支持構造物等含めまして、地震によります応力をすべて評価いたしまして、基準値内であるというのを確認しておりますので、現状評価してます基準地震動に対しましては、十分の安全性を確保できてるというふうに考えてございます。
○渡邉委員
分かりました。
○有吉部会長代理
いいですか、はい。
はい。
○森委員
原子力安全・保安院の方にお聞きしたいんですけども、これ設計のことではないんですが、いわゆる線量計っていうのは、これは安全、安心の面からの質問なんですけれども、何かがあったときに、結局安心っていうのは1人1人になってくると思うんですね。そうすると、仮に20キロメートル、何キロメートルでもいいんですが、仮に20キロメートルと決めたときに、20キロメートル圏内に住んでる人が1人1人持てる状態、配布できる状態であるのが、ある意味ベストなんだろうと思うんですけれども、今は国で例えば一般市民に緊急的に配れるような、そういうポータブルな線量計ってどれくらいあるんでしょう。
○原子力安全・保安院 石垣高経年化対策室長
今回、国そのものが持ってたのは実はなくって、
○森委員
そろえられるかっていう。
○原子力安全・保安院 石垣高経年化対策室長
そろえられるか。そういう意味では、今回海外メーカーも含めて、地震直後に日本のメーカーに在庫がなかったんですよね。生産数量どれぐらいでありますとか、海外のメーカーからどうやったら手に入れられるだとか、いろんなことをやってみたんですけれども、結構これ手間かかりますんです。だから、おっしゃるようなある程度かたまり感を持ってキープしておくとなると、かなり半年とか1年とかかけてやってかないとそろわない。意外とメーカー頑張ってつくってもパッとつくれるもんでも結構なかったっていうことが今回分かったことなんです。だから、自治体が少し持ってたやつが、残念ながら一般の市民の方まで行き渡るほどの数ではなくって、スクリーニングする作業部隊だとか、どうしても使わざるを得ないところに優先的にあてざるを得なかったっていうのが初期の頃の事情ですね。その後も多少たくさん集めるような努力、われわれもメーカーに協力してやりましたけれども、そのような住民、個々人までというのはなかなか難しいかなっていう感じはいたします。
○森委員
私は何も1人1人に配れっていうことを言おうとしてるんではないんです。どれぐらいの時間がたつと、そういうものがそろえられるのかっていうようなことを一度は考えておく必要があるんじゃないかというふうに思ったわけです。4月の頭に初めて、最初調査も行くなって学会から止められてたせいもあって、4月の頭に行ったときに、たまたま調査をしてるときにたまたま調査を横で写真を撮ってた写真家のフランス人が持ってるんです。フランス出るときから持ってて、飛行機から何からずっと測ってるけど一緒だっていうようなこと言ってて、その彼はそのお友達も持ってる。フランスでは街中で買えるんだっていうようなことを聞いたときに、そういう状況であればいいんでしょうけど、あるいは日本になかったとしても、何ていうのかな、いわゆる援助協定みたいにしてでも、あるときに何かがあったときには、例えば10万個そろえられるよっていうようなことを少なくとも原発を持ってる国同士で何かそういうスキームをつくるとか、何かそういう安心のためのことを考えとく必要があるんじゃないのかなと思います。
○原子力安全・保安院 石垣高経年化対策室長
はい、分かりました。実際、今回フランスからありました、ポケット線量計。そんな大した数ではなかったですけども、すぐ手に入れられるのは何ケースだか。
○森委員
小さい。
○原子力安全・保安院 石垣高経年化対策室長
ものすごい小さいです。
○森委員
ビックリしました、本物見て。
○原子力安全・保安院 石垣高経年化対策室長
というような提供の申し出があったり、個々に見ていくとそういう話もございます。それから、何て言ったらいいんですかね、先ほどの何か全部これから検証という言い方に集約されてしまうんですけれども、そういうそれぞれの方がそれぞれの場面で困ったこと、悩んだことは、やっぱり全部集約して整理をする。その中から出てくるそういうプラントの動きだけではない、そういう住民避難であったり、住民の安心であったり、そういった面での貴重なやっぱり材料っていうのは、たくさん残ってるんだと思います。それは、発散させずにきちんと残すっていうことの中の1つではないかなというふうに思いました。
○有吉部会長代理
はい、どうぞ。
○辻本委員
今の線量計は、防災でだいぶ各県では防災対策としていろいろそろえておられます。1年ごとにチェックしておられますし、線量計もサーベイメータをそろえておられますけど、ほとんど今度のでは役に立ってなかったかなと思ったり、がっかりしてるんでございますが。
それから、私たちは、僕はNPOをやっておりまして、安全安心科学アカデミーというのを、お守り線量計いうの持っております。これ持ってますと、お守り線量計ですから、自分がどれだけ被ばくしたのが分かるんです。だから、適宜どこでも行けるんですが、これじゃなしに、今また新しい線量計が出まして、パソコンへ差しましたら時系列がチャッと出てくるような線量計が出てきております。それは輸入品ですが、今度お守り線量計をそれに全部換えまして、皆さんに持っていただければと思たりしてるんですが、今のところこれは積算でございますんで、リーダーにかけて測らないとそのときには分からない。しかし、やっぱりリアルにその都度その都度の見たいというので。しかし、いろいろ過去原発へんは持っておられましたけど、数はそんなになかったと。で、今度は想定外にたくさん必要だったと思うんでございます。
○森委員
先生も持っておられるんですから、そういうのはやっぱり実現可能な状態であるんであれば、ぜひとも積極的に考えて、国のほうも、それから電力会社さんのほうも、安心あってのことで、やるやめないっていう議論ではなく、電気がある以上、シフトしかあとは実際にはないわけです。その間の安心っていうことを考えると、やっぱり原子力安全を抱えてるっていうことは、そのリスクに対する安心っていうのは当然ながらかけるべき費用だと思うんですけど。
○有吉部会長代理
いいですか。
はい、どうぞ。
○宇根崎委員
ちょっと少し一般的な話になるんですけど、今回の福島の事故をちょっと私冒頭から見てまして、やはり情報の透明性と、それからその適宜性っていうのは、やっぱり特に事故発生当初はかなり欠けていたと言わざるを得ない。それが結局、日本国内だけじゃなく、世界的ないわゆる安心感を損ねるというか、不安感、不信感をもっと招いてるというの、それはもう正直なところです。特に、海外からの情報の不足、それから正確性、それから適宜性のなさというのは、非常に強く指摘されてることでございます。
それから、これは県のほうと、それから四国電力さんのほうにぜひお願いしたいんですが、例えばこのモニタリングの、今日の話があった例えばモニタリングのデータであるとか、そういうものを日常的にそういうデータを収集しておられる、そういうものある。例えば、定期的に例えばクロスチェック体制をとって、それでお互いのデータの共有、それから信頼性の向上というのに努めていっていただければと思います。特に、今回の福島事故でも、なかなかプラントデータがない中で、われわれ原子炉工学専門家が原子炉の中がどうなってるかというのを把握するための情報というのがすごく欠けてて、それが例えば水の核種分析であったり、そういうの核種の量、それの比率からいろんなことを見るということしかなかったんですが、それの正確性というのが欠けていたというのが、それが正直なとこです。ですから、そういう意味で、実はこの資料の4-3等にあります県のほうの測定のレベル、辻本先生からもコメントございましたが、例えば3ページのこのグラフなんか見ても、これで一番感心するのは、ちゃんと誤差棒が付いて評価されてると。だから、そういう意味で、非常に客観的に、どんな高度な技術でこういう測定ができてるということは、非常に評価できると思うんです。だから、こういうことをぜひ、こういうことはないのが一番いいんですが、もしも緊急時、何いうか異常時に、データを公表する際に、例えば県のほうで測定を行う。それを四国電力さんのほうでも測定をすると。それをクロスチェックして、その正確性を担保して、ぜひどんどん適時に公開していくということが、それが結局安全にもつながりますし、あと国際的な安心というものにつながると思いますので、ぜひそういう枠組みも、今回いろいろハード的な対応っていうのが議論されてると思うんですが、そういうソフト的な、科学技術的な側面に立ったソフト的な連携というものについても日頃からぜひご検討いただいて、整備していただければと思ってます。これコメントでございます。
○有吉部会長代理
じゃあ、今のことに関しまして電力。
いいですか、よろしいですか、はい。
○辻本委員
情報はもう相当持っておられると思うんですよ。しかし、全然出されなかった。だから、SPEEDIの情報でも、アメリカが無人機でやって初めて出したと。あのSPEEDI、100億からかかってます。原研の森下さん初めやってから、あれもう30年以上やって、あんなんは世界にない、世界が皆まねしてるぐらいの優秀な技術です。ところが、発表されないんですよね。日本は、できるだけこれは小さく抑えていって、大丈夫だと言ってきた。で、だんだん大きくなっていったのですが。アメリカは一番初め第1報出したときは、4号のほうが危ないと言いましたね、アメリカは。そして、あれが燃料溶融すると。そこで80キロメートルしたわけです。で、アメリカ人は全部逃がしたんですよね。要するに、アメリカは大きく見て小さく収束していきますけど、日本は非常に小さく穏便に穏便にはからって、何か現状維持でやりたい。しかし、だんだんボロ出てきますから、大きくなってきて、だんだん信頼性がなくなってくるんじゃないかと思うんですが。SPEEDIの情報なんてものすごくいい情報であるんです。地形から気象から全部出まして、どこに放射線物質が出るか、10キロメートル、20キロメートル、30キロメートルとあんなん引くのはナンセンスなんです。放射性物質ですから、だからそういう情報はあるんだけど出さなかったいうのが、非常に残念なんですが。
それから、被ばく線量で線量計言われましたけど、内部被ばくが分からない。内部被ばくが相当量僕はあると思うんですよ。それは線量計持って安心したからというだけではなくて、内ばくがだいぶあります。もっと内ばくは、もっと鼻スミアでもすぐやるべきだけど、放管の人は何してるんだと思うぐらい、テレビ見ててもやきもきしてるんですけどね。作業してる人の内部被ばく、あのへんのうろちょろしてる人の内部被ばくが、評価がうまくできてません。だから、外部被ばくだけではなく、内部被ばくですけど、それは非常にちょっと難しい点もあるんですが。
もう情報量は、普通の環境の情報量は相当出てるだろう。愛媛県がパーッといろいろ出してくださったんで、よそもんまで出していて、やはり1つ出しますと皆さん出していかれますんですけど、出すとき非常に躊躇されるところがございます。だから、やっぱしオープンにいろいろ出していくんがいいだろうと思います。
○有吉部会長代理
はい、ありがとうございました。
だいぶ時間超過してまいりましたが、何かまだございますでしょうか。
はい、どうぞ。
○渡邉委員
どこの原発も30年を超えて、高経年化の問題が発生してます。おそらく、地震の影響とかいろいろあると思うんですけども、そういう高経年化に関連して、今回の地震対策、あるいは福島の事故というのがどういうふうに関連するかというのを国のほうからお聞きしたいんですけれども。
○原子力安全・保安院 石垣高経年化対策室長
これはすいませんまた同じ答えになっちゃって、これから検証なんですけど、今現在のところは、少なくとも高経年化が影響して事故が大きくなったとか何とかというような明らかな話というのは聞こえてこないなというぐらいは言えますけれども、それ以降本当かと言われると、ちょっとまだ分からないっていうのが正確な言い方だと思いますね。だから、これから事故の分析をしていく中で、経年劣化が影響を与えたんだというようなことがあったら、またそれをフィードバックしていくっていうその流れにつなげていくっていうことだと今は思います。
○渡邉委員
その新しいその原発の新規の立地が抑えられるというようなこともあるかもしれませんけども、そうなれば高経年化ますます生むわけですよね。それに対してどういうふうな長期的なものがあるわけですか。
○原子力安全・保安院 石垣高経年化対策室長
今なかなか保安院唇寒しでありまして、何を言ってもはっきりしないことになっちゃうんですけれども、つまり今回のやつはものすごい大きな話をすると、じゃあ原発含めてエネルギー政策もどうすんだというところに帰着するんですね。その中で、原発にそれなりにやっぱり位置づけを与えるというんであれば、そしたらそのときにじゃあ新規もあるかもしれないし、既存のものを長く大事に使うっていうオプションもある。そういう全体が、すいません、足元からわれわれ今までやってきたことがグラグラしてまして、高経年化はやっぱり大事と、将来もそうだと今言えるかっていうと、なかなか言えないっていうのが本当の現状だと思います。
○渡邉委員
分かりました。
○辻本委員
元へ戻ってしまいますが、森委員からの質問の最後付け加えてくださいいうお話でございましたが、実は先ほど書いておりましたのは、原子力安全委員会から出てます環境放射線モニタリングの指針のとおり書いておられました。この指針をつくったとき、僕が関与しておりましたんで一言ああいうこと申したんでございますが、何か一般の人にあるいは分かりにくいというお話でございました。ここに書いておりますのをちょっと読ましていただきますと、「異常事態、または緊急事態が発生した場合における」今、環境モニタリング指針を読んでおります。「場合における環境放射線モニタリングの実施体制の整備」と書いてありまして、ここの脚注が付いております。で、「異常事態、または緊急事態が発生した場合に、平常時モニタリングの強化、または緊急時モニタリングへの移行に敏速に対応できるよう、平常時からこれらの事態を見据えた環境放射線モニタリングの実施体制を整備しておくことである」と。だから、あれの説明でございますんで、この説明文を後ろへ書かしていただければいいんじゃないかと。
○森委員
おっしゃるとおりだと思います。
○辻本委員
そのようにさせていただきます、はい。
○有吉部会長代理
よろしいですか。
○森委員
やっぱり必要なものを結局とったから、そういう誤解が生まれるということですね。
○有吉部会長代理
どうも、ありがとうございました。
ほかにございますか。
大変貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。
ここで、委員会としては1つ提案なんですが、県民の安心感の醸成のためにも、緊急安全対策の進捗状況を踏まえて、適切な時期に技術専門部会として現地を確認したいというふうに思いますけども、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。ご賛同いただけるんですか。
それでは、ご賛同いただけましたので、四国電力の実施する緊急安全対策等について現地確認する必要があるという意見があった旨を管理委員会のほうに報告したいと思いますので、事務局から福島原発の事故の状況を説明する際にお伝えいただければと思いますので、よろしくお願いします。
では、意見も出尽くしましたので、これは四国電力にお願いなのですが、今までの委員のご意見を踏まえまして、緊急安全対策の確実な実施はもちろん、必要な追加対策や今後の原因調査等を踏まえた安全対策に積極的に取り組んでいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
技術専門部会としても、今後とも四国電力の対応状況について機会があるたびに確認をしていきたいと思っております。
○有吉部会長代理
それでは、本日の技術専門部会を閉会といたします。
委員の皆さん、長時間にわたりましてご審議いただきまして、ありがとうございました。
伊方原子力発電所 環境安全管理委員会技術専門部会 次第
日時 平成23年5月10日(火曜日)10時00分~
場所 リジェール松山 8階 クリスタルホール
1 開会
2 議題
(1) 平成23年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について
(2) 平成23年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画について
3 報告事項
(1) 伊方3号機プルサーマルの運転状況について
(2) 福島第一原子力発電所の事故の状況及び対応について
4 閉会
伊方原子力発電所 環境安全管理委員会技術専門部会 資料目次
- 1 平成23年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画
- 2 平成23年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画
- 3 伊方3号機プルサーマルの運転状況について(四国電力株式会社)
- 4-1 東北地方太平洋沖地震発生後の県の対応について
- 4-2 福島第一原発事故の県内影響に係る監視調査計画
- 4-3 福島第一原発事故による県内影響監視強化調査のこれまでの結果について
- 4-4 福島県派遣モニタリング支援チーム等の活動状況について
- 5 福島第一原子力発電所の事故の状況及び対応について(四国電力株式会社)
- 6 緊急安全対策の実施状況の確認結果ほか(原子力安全・保安院)
- 7 伊方原子力発電所環境安全管理委員会技術専門部会委員名簿
- 8 伊方原子力発電所環境安全管理委員会設置要綱
- 9 伊方原子力発電所環境安全管理委員会技術専門部会傍聴要領