県では、伊方発電所から30km圏内において、空間放射線量率や大気中放射性物質濃度を測定する測定局を設置し、環境放射線監視テレメータシステムにより測定データを収集し常時監視しています。この測定局は、測定の目的に応じて様々な種類の測定器が設置されています。
モニタリングステーション及びモニタリングポスト
県では、伊方発電所からの予期しない放射性物質又は放射線の放出の早期検出などを目的として、伊方発電所から30km圏内に、モニタリングステーション1局・モニタリングポスト19局を設置し、空間放射線や大気中の放射性物質の濃度を連続測定しています。
また、雨が降ると、大気中の自然の放射性物質が地表に洗い落とされるため、地表近くでは線量率が上昇します。このため、降雨の状況を常時測定するとともに、風向・風速などの他の気象項目についても測定しています。
これらの連続測定データは、四国電力のモニタリングステーション及びモニタリングポスト21局の測定データとともに環境放射線監視テレメータシステムにより光回線等を通じて、遠隔地データセンタの各拠点(東日本・西日本)に収集され、原子力センター及び県庁において異常の有無を常時監視しています。
検出器
- NaI(Tℓ)シンチレーション検出器
(測定範囲:バックグラウンドレベル~10µGy/h) - 電離箱検出器
(測定範囲:バックグラウンドレベル~100mGy/h)
環境放射能水準調査用国モニタリングポスト
国からの委託を受け、平時における環境放射線レベル及び国内における原子力災害又は核実験等の国外における原子力関係事象発生による空間放射線量率の上昇を把握するため、愛媛県内5か所にモニタリングポストを設置し、環境中の空間放射線量率を測定しています。
検出器
- NaI(Tℓ)シンチレーション検出器
(測定範囲:バックグラウンドレベル~10µGy/h)
通信機能付き電子線量計
緊急防護措置を準備する区域(伊方発電所から5km~30km圏内)における避難等の防護措置を判断するため、通信機能付き電子線量計を58地点に設置しています。
なお、緊急時の運用に際し、設置地点における線量の水準を把握する必要があることから、平常時から測定を行うとともにデータを公表しています。
検出器
- シリコン半導体検出器
(測定範囲:200nGy/h~10mGy/h)
環境放射線監視テレメータシステム
環境放射線監視テレメータシステムにより、モニタリングデータは自動的に収集され、自動通報設定値を超過した場合には直ちに県、伊方町等の監視端末に通知されるとともに、関係機関や関係者への自動電話通報が行われ、直ちに原因調査が行われます。
また、令和3年度の同システムの更新では、大規模災害発生時における県内同時被災リスクを低減するため、従来県内に設置していたサーバを遠隔地データセンタにクラウド化するなど、更なる耐災害性の強化を図っています。