放射線ってなに?
放射線とか放射能とか、名前は聞いたことあるけど、どんなものなの?
「放射線」と「放射能」はよく似ている言葉だけど、それぞれ意味がちがうものなんだよ。あと、似ているものに「放射性物質」というものもあるんだ。
「放射線」は光や電波の仲間で、その放射線を出す物が「放射性物質」なんだ。そして「放射能」は放射性物質が放射線を出す能力のことをいうよ。
うーん、ちがうものっていうのはわかった気がするけど...
電球に例えてみるとわかりやすいよ。「光」が「放射線」、「電球」が「放射性物質」、電球が光を出す「能力」が「放射能」というイメージだよ。
<放射性物質・放射線を電球・光に例えた図>
文部科学省「放射線等に関する副読本」を基に作成
放射線には、「α線」「β線」「γ線」「X線」などの種類があるんだ。
いろんな放射線があるんだね。
何のちがいがあるの?
物を通りぬけたり、当たった物に与えるエネルギーがちがうんだよ。
物を通りぬける力は、α線、β線、γ線・X線の順に大きくなるよ。
α線は紙で止まるけど、γ線やX線は厚い金属板じゃないと止まらないんだ。
反対に、与えるエネルギーは、α線、β線、γ線・X線の順に小さくなっていくよ。
α線は紙で止まるけど、与えるエネルギーが大きくて、γ線やX線はよく物を通りぬけるけど、与えるエネルギーは小さいんだね。
<放射線が物を通りぬける力・当たった時に与えるエネルギー>
一般財団法人 日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」を基に作成
放射線の強さはどうやって表すの?
放射線の大きさは数値で表すけど、何について表すかによって単位が変わるんだ。
単位にもいろいろ種類があるんだね。
どんな単位があるの?
放射線を「出す」側と「受ける」側で、それぞれ次のような単位があるよ。
放射線を出す側には、「ベクレル」という単位があって、放射性物質がどれくらい放射線を出すかを表すよ。
放射線を受ける側には、「グレイ」と「シーベルト」という単位があるよ。
「グレイ」は、人や物が放射線によってどれくらいエネルギーを受けたかを表すんだけど、人が放射線を受けたとき、からだの部位によって受ける影響がちがうから、その影響を表すために「シーベルト」という単位を使うよ。
表すものによって単位が変わるんだね。間違えないようにしなくちゃ。