【質問者3】
質問者3と申します。この県民にとってこのプルサーマルの問題は、一番関心が深いのは、地震がどうなってくるのか、耐震性の問題です。で、この伊方沖には5キロのところに世界最大級の活断層がある、そして活動期に入っているのではないかという知見もあります。なぜ、今日、この活断層の問題、地震の問題がこの場で、検討されていないのか、なぜパネリストがここにいないのか、大変不思議に思います。これはそれをわざと避けたいのではないかというふうにさえ思うわけです。それについて国がどう思っておられるのか、県の方はプルサーマルと地震とは直接関係がないといわれていますが、それについて国はどう思っているのか、そして小林圭二先生はそれについてどう思われるのか伺いたいと思います。
【コーディネーター(中村)】
はい。ありがとうございます。
それでは、国の方の今は、耐震指針の検討中ということですけれどもお願いいたします。
【佐藤審議官】
それではこのプルサーマルと耐震の問題についてお答えいたします。
まずプルサーマルというのは先程先生方からご説明がありましたけれども燃料としてMOX燃料を使うということでございます。このMOX燃料というのは、重量が多少変わると思いますけれどもほとんどウラン燃料と変わらないものでございます。従いまして、プルサーマルを実施したからといって原子力発電所の耐震性に違いが出てくるというわけではございません。もちろん原子力発電所の耐震性というのは安全上、重要な問題でございます。それについてはしっかり安全を確認していかなければいけないと思ってございますけれども繰り返しになります。プルサーマルと耐震問題は直接は、関係ない話であるというふうにわれわれは認識してございます。
【コーディネーター(中村)】
原子力発電所全体にかかわることですよね。小林先生お願いいたします。
【小林先生】
地震の問題というのを安全余裕の問題と関係させてちょっとお答えさせていただきたいと思います。先程から安全余裕、安全余裕という言葉が盛んに出てきますけれども、安全余裕とは何ぞや、ということがちょっとわきに置かれていたと思うんですね。一口に言って安全余裕というのは、事故が起こったときの、あるいは事故が起こりそうになったときの、いうならば命綱みたいなものだと私は考えております。じゃあ安全余裕ってどういうふうに決めるのかというと、どんなものでも作るときには安全余裕を見込んで作るわけです。飛行機でも車でもそうです。ただその安全余裕をどれだけ見込むかということになりますと、これは当然その事故が起こったときの影響が大きいかどうかによってその安全余裕の設け方の大きさが異なります。影響が最も大きい問題として原発があります。ですから原発こそ安全余裕が一番大きく見積もられなければならないというわけです。
ところでその安全余裕をどうして決めるかというと、一定の事故を考え、その事故を十分防げる、あるいは事故が起こってもその影響が非常に小さくおさめられるようにするという考え方で決めるわけです。そうしますとその事故としていったいどこまでの事故を考えるかという話が出てくるわけです。ここでおそらく私と推進する立場の人との間で根本的に考え方の違うところがでてきます。そこで考えられなかった事故は現状では想定外の事故、平たく言えば予期しなかった事故とされ、そういう事故が起こると想定外の事故としていつのまにか免罪されてしまうということがこれまでの歴史だったわけです。たとえば1979年にアメリカで、伊方の原発と同じ加圧水型の原発が、大規模な炉心溶融事故を起こしました。この事故が起こったときまさに伊方1号炉の裁判中だったのですが、一審の裁判のなかで、このような事故が起こることを私たちは予告していたのです。すなわち炉心を冷やした水をさらに冷やしてその熱を外に取り出す2次冷却水の供給が止まったら大きな事故になるぞということを警告しました。そうしたら案の定、高松の高等裁判所で裁判をやっている最中に、スリーマイル島の原発事故が起こったわけです。私たちが予想していた事故とほぼ同じ事故が起こりました。それに対して推進の立場の人達は、想定外の事故だったという考え方をしていたわけです。事故というのは、必ず予想外のことで起こるわけです。その一番大きな要因として私は伊方の場合、地震があると考えています。地震の問題もやはり1号炉の裁判のときから最大の争点でした。そのときの被告である国は、これは活断層ではない、あるいは断層というのは地震が動いた化石であってこれから動くことはないと反論をしていたわけですが、いまではその理屈はもう否定されております。
【コーディネーター(中村)】
先生そろそろおまとめいただけますか。
【小林先生】
はい。私は伊方の原発で最大の安全上の問題は地震問題だと思います。この地震問題は、プルサーマル以前の問題として非常に重要ですし、愛媛県の県民が一番心配している問題ですから、これはきちっと扱ってほしい。特に、地震というのは、断層の長さで規模が変わり、長ければ長いほど大規模な地震が起こりますから、どこまでを考えるかということが安全上非常にきいてきます。もちろん一番安全側を考えて、想定しうる一番長い断層によって起こりうる地震に対して本当に耐えられるのかどうかということが問われていると思います。どちらかというとプルサーマル問題というのは2番目の問題であって、私は伊方にとって最大の課題は地震をどうするかということ、それを抜きにしては語れないという存在だと思います。
【コーディネーター(中村)】
はい。ありがとうございます。
はい。マイクをお渡しください。短くお願いしますね。
【質問者3】
はい。県にお願いをしたいのですがいま、小林先生がおっしゃったようにですね、県民はこの伊方沖の最大級の、世界最大級の断層から起こる地震を大変心配しております。どうかですね、この地震問題で改めてシンポジウムを持っていただきたい。県民が納得できるようなですね、シンポジウムを持っていただきたいと要望いたします。
【コーディネーター(中村)】
はい。ありがとうございました。
確かに県主催側にお伝えいたします。
それでは今度は男性、はい。眼鏡をかけた方、そちらの方
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