愛媛県プルサーマル公開討論会

質疑応答

【質問者7】
 質問を一点だけさせていただきたいというふうに思います。質問者7と申します。
今回の伊方3号基でのこのプルサーマル、先程からご案内がありましたけれども従来、このウラン用に設計されたこの軽水炉でウランと特性の異なる非常に危険性の高いプルトニウムを混ぜて燃やすということであろうというふうに思います。非常に安全余裕が削られてしまうというのは、この推進派の皆さんも承認しておるということだというふうに思っておるわけでおりますけれどもこの伊方の3号機のMOX燃料集合体、最大でこの40体を装荷の予定でありますけれどもその40体のMOX燃料の中にはプルトニウムが約1.7トン含まれているとおるふうに言われておるわけでありますけれどもこのプルトニウムの1.7トンというのはあの長崎原発の140発分に相当するというふうに言われております。私はこのことを聞くだけでですね、このプルサーマルは非常に危険だなという思いがあるわけであります。そしてベルギーで伊方と同じプルトニウムの含有率、あるいは燃焼度の使用実績はなく、この伊方のプルサーマルは日本初、言うなれば世界初であろうというふうに思っておるわけであります。で、伊方がその実験炉になろうとしていることには間違いないというふうに思います。そしてあそこに働く労働者もたくさんおるわけでありますけれどもやっぱりこれは被ばくの問題、どのくらい放射能の影響があるのかを含めてですね、多少答弁がたをお願いをしたいと思います。


【コーディネーター(中村)】
 はい。どなたにお聞きになりたいですか。

【質問者7】
 西尾さん一つよろしくお願いします。

【コーディネーター(中村)】
 西尾さんですか。はい。じゃ西尾さんの方から一言と、あと説明を工藤さんの方にお願いしたいと思います。

【西尾】
 私にですか・・・。他の人への質問だと思っていました。

【工藤】
 じゃあ私一言ですみますから。

【コーディネーター(中村)】
 どうしましょう。西尾さん、先に工藤さんの方から技術的な説明をしてそれから西尾さんにしましょうか。それじゃあ工藤さんのほうからちょっと技術的なお話を・・・。

【工藤】
 はい。技術的なデータだけ示させていただきたいと思います。スクリーンお願いします。先程の最初の方の質問でもすごく危なっかしいことをやるのではないか。一種の実験的なことではないかということに対するご説明です。今のご質問にもありました、世界に例のないようなことをやるのではないかということではないというデータを示させていただきます。ここにありますようにベルギーの炉では5万、ここの伊方で計画していますのは4万5,000ですが、このへんの例、他に世界でもっとたくさんあるんですけれども高い燃焼度の所だけ示しております。こういった実績もありますし、特別伊方が高燃焼度いわゆる最高燃焼度の高いところを設定してやっているということではないということです。それからMOX燃料の装荷量としてたとえばスイスでは36%、3分の1MOX以上の実績もありますし伊方を一番下に示しておりますけれどもこの数値と比べてみていただいて世界的にみてもそしてこれらの炉でMOX燃料あるいはプルサーマルをやっているからということでの事故とか被ばくとかいったことは起こっておりません、ということを説明させていただきます。

【コーディネーター(中村)】
 西尾さん、よろしいですか。

【西尾】
 すみません、今説明があったように、海外でも実績がありますよというふうに言われるわけですけれども、その実績というのは非常に少ないと思います。先程世界での実績と伊方原発の実績を比べるというなんかとんでもない比べ方をされていましたけれども、その意味で実績が少ないその中でMOX燃料に特有の事故というのはおきていないというふうにいわれているわけですけれども、一般的な事故は起きていますね。燃料の事故も。ただそれがMOX燃料に固有ではないといっているわけですけれども、経験が少ない数の中でそれだけの事故が起きているということはやはり問題であろうというふうに思います。それから特に伊方の場合、高燃焼度の燃料と一緒にやる。それについていえば先程、こっちではああいう実績がある、こっちではこういう実績があるというふうにいわれておりますけれども、その両方を合わせて本当の実績がどこまであるのかというと、それはやっぱりないんじゃないでしょうか。高燃焼度というのは結局、MOX燃料の問題とある意味で似たような問題がたくさん出てくる。さきほど制御棒の効きの話も出てきましたけれども、高燃焼度を使うことによって制御棒の効きが悪くなり、MOXを使うことによっても効きが悪くなる。そういうことを含めた上での実績というのはないように思います。
 それとウランの燃料と同じようにするためにさまざまな工夫をしている。だけどその工夫をしたところが何かで間違ったらどうなるのか、燃料の配置を色々考えてやってるんだと言いましたけれども、フランスで燃料の配置を間違えかけたことがあります。日本でも、これはMOXの燃料ではありませんけれども、燃料の配置を間違えかけたことがあるわけで、そういったことまで含めて本当に安全だなんてどこまでいえるのかな、というふうに私は思います。

【コーディネーター(中村)】
 小林先生、簡潔にお願いします。

【小林】
 工藤先生は日本の条件が厳しくないという話でしたが、一つ抜けている大事な問題があります。それは燃料の中にプルトニウムを何%含ませるかというプルトニウム含有率の規制値です。この表は私の資料にも載っていますけれども、プルトニウム富化度で規制してる国と含有率で規制している国と2通りあります。国によって違います。
 プルトニウム富化度というは、全燃料のうちの燃えるプルトニウムが何%かというのがプルトニウム富化度です。それから含有率というのはプルトニウムにも燃えるプルトニウムと燃えないプルトニウムと2種類ありますから両方あわせてプルトニウム全体で何%含まれているかというのが含有率です。その規制値ですが、上から、フランスは含有率で規制してまして7.08%、それからドイツは富化度で規制しておりまして4.65%、ベルギーは含有率で8.2%、スイスは富化度で5.2%、日本は両方で規制しておりまして富化度で8%と含有率で13%とご覧のように他の国に比べたら、抜きん出て大きいわけですね。日本のプルサーマルというのは他に例がない条件で計画されております。ですからたとえ5,000体の経験があると言われても、この数自身が全体の1%以下と僅かなものですけれども、要するにこれは単なる数だけの話であって、MOX燃料の中身を見たら全然違うじゃないか、初めての経験じゃないか、だから先ほど私は、試験をしないでいきなり商業利用で本番に突入するという指摘をした訳です。プルトニウムの含有率が大きいとそれなりに核分裂性のガスも出やすくなると言われておりますし、そうなると、安全上の大きな問題となってくるわけです。このように、プルトニウムの含有率ないしは富化度の点から見ると日本は初めての実験をするようなものだといえます。

【コーディネーター(中村)】
 工藤さん、簡潔にお願いします。

【工藤】
 はい。スクリーンをお願いします。これは何度も申しました平成7年に3分の1MOXというものがウラン炉心とほぼ同等の安全設計、安全裕度も確保できるということを報告したもののごく簡単な要約というか内容を四国と比較したものです。このプルトニウム含有率が最大13%くらい、それからその中の核分裂性物質がこのくらいと確かにこの値は小林さんがおっしゃったような値でありますけれどもこれらの違いを踏まえても従来と同等の、ウラン炉心と同等の安全設計評価が可能であると、これを否定されたらもう、じゃ結局安全指針というものがどういう性格を持つかという別の議論になってしまいます。そして何度も申しましたようにこういう燃料を使った炉心の核特性、あるいはその他のパラメーターというのがウラン炉心とほとんど変わらない、全然変わらないとは申しませんけれども、そういうことはご説明してきたつもりなんですけれども。

【コーディネーター(中村)】
 はい。ありがとうございます。すみません。
ちょっとCブロックの方、ちょっと待ってくださいね。私がちょっと間違えまして本当はここでお待たせしている伊方の方にご意見を伺わなければいけないんでした。
 伊方の皆さん、伊方会場の皆さん、お待たせしました。すみません。遅くなりました。
 では、まず私の方から向かって右側ですから会場にいらっしゃる皆様にとっては左側のEブロックの中でご質問、ご意見のあるかた、挙手をしていただけますか。
Eブロックそれでは最初にブルーのシャツを着て白いズボンをはいてらっしゃる男性、お願いいたします。



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参加者のコメント・討論内容


■概略説明
概略説明


■パネルディスカッション
(各自意見)
内山 洋司
工藤 和彦

小林 圭二

舘野 淳
西尾 漠
山名 元

■パネルディスカッション
討論

■質疑応答
質問者1
質問者2
質問者3
質問者4
質問者5
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